<映画のことば>
給食は、大人抜きで、子供たちが初めて楽しむ外食。
このシリーズの第三作が劇場公開になったとのことで、つい先日に観終わった第一作ともども、劇場に足を運ぶための「予習」として観賞することとした一本になります。
(第三作が果たして評論子の地元館にかかるかどうかは、現時点では不明ではありますけれども・涙)
本作(本作のシリーズ作品)で秀逸なのは、やはり、甘利田先生の愉快な所作にあるのだろうとも思いますけれども。
加えて、本作では、卒業=別れという悲哀は、学生生活では避けることのできない運命ではあるのですけれども。
その悲哀を味わえるのは、その実、学校生活の想い出が、誰にでも、いくつでもあるからでしょう。
そして、それに負けないくらいのエピソードがあるのは、給食にまつわる想い出ではないでしょうか。
内容としては、第一作に続く「給食コメデイ」という味付けは、何も変わっていないのですけれども。
その二つの要素(卒業=学校生活、給食)を、モチーフとして結びつけたところに、本作の魅力があったように思います。
第一作に続く、佳作であったと思います。
評論子は。
(追記)
「学校」「教員」という、真面目系の舞台設定の中で、およそ「ありえへん」甘利田先生の所作あってこその本作(本作のシリーズ作品)という意味では、これも、いわゆる「シチュエーション・コメデイ」の一作と評して良いように思います。評論子は。
(秋本治のヒット漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の両津勘吉が、厳しい「警察」の世界では、凡(およ)そ「ありえへん」キャラクターであるのと同じ。)
後掲の映画のことばは、甘利田先生の、その決意のほどを示すものとして、本作では、キーワードとしての位置を占めるのではないかと思います。
別作品『王妃の館』の公開舞台挨拶で、主演の水谷豊が、日本では低評価に甘んじてきたシチュエーション・コメデイの評価を高めたいという趣旨のことをおっしゃっていま
したけれども。
日本で「コメデイ」というと、何でもかんでも、いわゆる「ナンセンス・コメデイ」ばかりと結びつけられる傾向があるのではないかと、評論子も感じていましたけれども。
本作(本作のシリーズ作品)の快進撃(?)を通じて、日本映画でも、シチュエーション・コメデイがジャンルのひとつとして定着、確立するとしたら、またひとつ映画を観ることの楽しみが増える評論子は、映画ファンとしては幸せだろうと思います。
その願望も込めて、佳作と評しておきたいと思います。評論子は。
<映画のことば>
まぁ、いい。
私は、私の給食道を極めるだけだ。
(追記)
前記でナンセンス・コメデイとシチュエーション・コメデイとを対比しましたけれども。
しかし、決して、ナンセンス・コメデイだって悪いものではなく、コメデイのひとつの分野としては、評価されるべきだと思っています。評論子も。
念のため、ナンセンス・コメデイに分類されるであろう作品にも、別作品『インスタント沼』とか、同『亀は意外と早く泳ぐ』などの優れた作品があることを、申し添えておきたいと思います。