「食育とは、一緒に食べてこそ育まれるもの」劇場版 おいしい給食 卒業 meiさんの映画レビュー(感想・評価)
食育とは、一緒に食べてこそ育まれるもの
前作、あまりにも衝撃を受けたので
今作、期待しすぎてあれってなったらあかんと思い、冷静に臨みました。
フラットな気持ちでと思っていたのも束の間
声を上げて笑ってしまいました。
だめだめ場内で1番大きな声になっちゃう💦
落ち着け〜堪えるんだっ
堪えて、ブハッとかフグって変な声になる…
心の中で
「また踊りながら校歌歌ってる!」
「やっぱり給食室行くんじゃん!」
「あ、ほら!神野くんに負けた!」
いちいち叫んでました。
あくまでも心の中で。
空想と現実の境目がわからないほどの
甘利田先生の妄想
でも現実に生徒の机の上にダイブしてるし!
冷静に見ている子供たち
笑いを堪える練習したでしょうね
校歌のたびに机に右手をぶつける甘利田先生
3回目にはもう期待して見てたわ
「あ、ほら、またやった✊」(心の中)
ところが、笑いだけでは終わらないのが
この映画
そうよ、今作も来た来た
なにやら不穏な給食センターの動きが。
って
甘利田先生の私服が。
「なに。それ?サングラスまで!」(心の中)
パイプ椅子の脚に自分の靴の裏を押し当ててるし。
それは緊張してる?
「子供か!」(心の中)
(あ、もう心の中って書きませんが、絶対に口には出してません。そこはちゃんとマナー守りました。)
ここで甘利田先生から出る
キーワード「本質を見失っている」
教育とは教え育むとは書くけれど
なんでもやりやすいように準備して整え
進みやすいように導くことではなくて
本人がもがきながら道を拓き
学びを得る過程を体験するもの。
食育も同じ。
本人が体験してなんぼ。
みかんの皮剥いたものを与えられてはみかんの皮の剥きにくさを体験できないじゃん!
小骨のない切身しか食べたことないと、魚に骨があることを学べないのと同じ!
神野くんが学校を飛び出したところから
一気に物語が加速!
「ええ?どするの?」と気持ち昂るところで
神野くんが手を上げ
「え?そのポーズは?もしや?」
まさかのタクシー止めて、乗り込む!
「いやいや、ここ絶対に流しのタクシー通らないでしょ!そんなバカな〜(笑)」
追いかけてきた甘利田先生
『中学生がタクシー乗るな!』
だよね笑笑笑
甘利田先生、上履きのまま全速力で走る
「もう2台目は来ないよね〜。靴を履き替える暇なかったもんね〜転けないでね」
無駄に心配しちゃう。
給食センターで会議室のシーンには驚いた。
「え、なにこれ、まるで被告人扱い、酷い!」
それでも懸命に発言する神野くんに感動。
なんて立派🥹
そこへ甘利田先生走り込み、開口一番
『中学生ひとりを相手に、なにをしてるんですか』
(正確にセリフを思い出せません。なんかこういうニュアンスの言葉だったような…)
このセリフに感激!
そうよこの場で神野くんを責めるのではなくて、周りの大人の行為を責める。
これが甘利田先生なのよ。
いやそれが普通。
だけど、最近、子供に原因をなすりつけて自身の保身ばかりに走る大人のニュースが目立つので、この当たり前の言葉に安心感を覚えた。
2人の信頼関係からすれば当然なのだが。
期待通りでよかった。
そして、教育委員会鏑木に放った一言
「私は給食が大好きです。」
それだよ!真っ直ぐで偽りのないその言葉!
待ってたよ!
スッキリした!言ってやったぜ!!!
宗方先生とのちょっぴりロマンスも。
どうなっちゃうの?と心配していたら。
なんて優しい…
宗方先生もはっきり決別の言葉は口にせず、
かと言っていつまでも待っていますとか未練の言葉でもなく。
「(甘利田先生とはお別れですが、甘利田先生がお嫁さんにしたいと思うくらいの人だと、私を認めてくれたことは)間に受けておきます。」
大人には大人なりに、承認欲求がある。
世の中には認めてもらえない辛さを抱えて生きている人がいっぱいいる…
このワンシーンだけでそんな社会問題がフワッと思い出されて、同時に心温まる。
甘利田先生素晴らしい!
それにちゃんとありがとうって言える(最後の笑顔がありがとうって伝えてる)宗方先生も素直で素敵。
真面目な行動ばかりの宗方先生だけど、この最後の土村さんの笑顔がピカイチ輝いて綺麗だった。
四方田さん作成の給食だよりも
給食センター主任の立場としてある意味とてもリアリティのある伝え方。
大人も気付き発見をして成長するのです。
甘利田先生が関わる人が影響を受けて変化するという、これもまた物語の幅が広がる良きエピソード。
1の時と同じく最後は甘利田先生と神野くんの未来への思いを語るシーン。
ジャンケンで勝ち取ったロールケーキを餞別にと神野くんに差し出す甘利田先生。
僕が勝ったら同じことするつもりでしたと、神野くん。
ええ子や!感涙🥹
教師になるんだろ、お見通しだ、と言う甘利田先生に、
教育委員会に行く(鏑木の座を奪って)先生の
給食を守る、と言う神野くん。
なんていい子なんだ!感激🥹🥹🥹
嗚咽しそうになって、いやそれは泣きすぎだろ自分(笑)
この言葉を聞いた時の市原くんのなんとも言えない嬉しそうな恥ずかしいそうな、そして生徒の成長に感動したような笑顔が
これまた
素晴らしかった。
いいなぁ
ちゃんと未来へ繋がっていく。
別れは旅立ちなのだ。
いろんな映画があって
心を揺さぶられるのは嬉しい。
バイオレンスものやホラーなどを
完全に否定するつもりはないけど
やっぱり観た後の気持ちが温かくなるものがいいな。
パンフレットで市原くんが言っている
「柔らかくて優しいキングオブポップ」
に本当になっています。
私の子供たちにも観るように勧めよう。
きっとまたその子供たちに観せたくなるはず(まだいないけど)(笑)
meiさん、こんばんは。
凄く愛の伝わる良いレビューありがとうございました。なんかもう一回映画を観たような気持ちになりました。続編を作って欲しいですね。あそこは食材の宝庫だし。海鮮丼とか、じゃがいもとかトウモロコシとか牛乳とか・・・
今晩は。
今作へのmeiさんの愛溢れる面白き、且つ今作品シリーズの本質を的確に書かれたレビュー、拝読させて頂きました。
meiさんの、甘利田先生のような、”心の中”コメントが凄く面白くって。
私も、前作の余りの面白さと懐かしさにヤラレタ人間でして、今作が上映されると聞いた際には、”ええっつ!、ホントですか!”と思わず、原作を購入し、万全の準備で車で一時間ちょっとかけて観に行きました。
普段は週末でも一割入っていれば”今日は多いな”と言う映画館ですがお客さんは、6割の入りでビックリ。更に子供さんを連れたお父さんが多くって更にビックリ。(良き事、哉)
で、内容は前半はコミカルに。(で、凄く面白い。市原さんの武士の様な風貌と低温ヴォイスが、脳内コメントでは甲高い声に変化し、且つ全力で校歌を変な振り付けで歌う姿がもう・・。)後半は、少しシリアスなトーンで心に響くシーンが沢山。
もう、続続編是非やって欲しい!と思いましたよ、私は。では、又。
いやはや、前作以上に素晴らしい作品でしたよね。
全てが暖かく、癒される。セリフも心に響くものが多くて、コメディとしても今の社会に問題提起をする社会派ドラマとしても、非常に完成度の高い傑作でした。
甘利田先生、カッコイイ!神野くん、たくましい!
いつまでも続いて欲しいシリーズのひとつです。また見たいな