tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!のレビュー・感想・評価
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You can't buy time by money.
『ボヘミアン・ラプソディ』並の再現度の高さ。
ジョナサン・ラーソンについてほとんど知らなくて見たので、最後のエンドロールで再現度の高さを知った(笑)
謎のタイトルに惹かれて見て、このタイトルの意味は開始数秒で分かる。「もう30歳になるのに何も成し遂げていない!」という焦燥感と、エイズが猛威を振るう時代若くして亡くなっていく友人たちを見て感じる時間の有限性(?)。そして本人自身も『RENT』の後悔を待たずに35歳の若さで亡くなるという皮肉。
なので終始劇中時計の針の音が鳴り響き、ジョンの不安感と焦りを煽っていく。30歳を過ぎてある程度落ち着いている人が見たら懐かしい感じなのかもしれないけれど、私は20代半ばで30歳にはまだ時間があるとはいえ、この映画で不安感煽られまくりだった。
でもそんな不安感だけじゃなくてピーク時の忙しいダイナーでの仕事を敢えてゆったりと歌った『Sunday』はめちゃくちゃ好きだったし、曲を明日までに書かなきゃいけないのに泳ぎに行って支離滅裂な感情を歌にしたプールでの歌など、ジョンの当時のハチャメチャな心境を歌った愉快な歌が多くて楽しかった。
家で食べればいいのに
Without You
圧倒的な才能を持ちながらも世界中から芸術家が集う街NYで埋もれていたジョナサン・ラーソン。後にブロードウェイで12年間連続上演という傑作にして伝説のミュージカル「RENT」を創り上げるが、その華々しい奇跡を見ることなく彼は病に倒れこの世を去った。
tick,tick…時が刻まれる。30才を目前に夢の舞台への扉は未だ開かれない。BOOM!となって全てが終わる前に認められなければならないと追い込まれてゆく若き作曲家。RENTへ辿り着くまでの苦悩と挑戦そして愛を描いたまさに序章の物語。RENTへの深いリスペクトを感じる構成で歌も素晴らしかった。
RENTは1998年の日本版初演で衝撃を受けて以来一番大好きなミュージカル。英語も分からないのに来日公演も行ったり何度足を運んだことか。舞台となった1980年代。死の病と言われたHIV陽性者達の恐怖。差別の対象だった性的マイノリティの人達の葛藤。格差、貧困からくる暴力。それらを最大の愛が成し得るロックミュージカルという形で表現し、まさに革命を起こした彼の偉大さを改めて実感する作品でした。
1990年に30歳になる⁉️
ミュージカル好きには見てほしい
敬意
夢に生きる全ての人へのエール
アンドリュー・ガーフィールドが演じるは、名作ミュージカル「RENT」を生んだ作曲家ジョナサン・ラーソン。
自身が30歳になる節目を前に、ブロードウェイに進出するための講演会を控え人生の帰路に立たされるジョナサンの物語。彼を取り囲む環境が、彼の将来の選択肢に何度も影響を与えていく。
講演会前に、遠方で仕事に就きそこで一緒に暮らすことを望み決断を迫る恋人。
夢半ばで、大手企業に就職しお金や安定を手にした同世代の仲間。
HIVの感染により将来の時間が限られた友人。
もし、講演会が失敗したら次はあるのか?
30歳にもなるのに、まだ夢を追い続ける自分は正しいのか?
本当に作曲の才能が自分にはあるのか?
特別そうに見えて、胸に秘めている夢を追う者の葛藤と苦しみが感じられ、夢を叶え、成功を望むという誰しも共感できる内容になっている。
映画館でも上映してると観賞後に知り、そっちで見ればよかったと後悔。
【面倒だけど、素晴らしき僕たちの世界!】
この作品は、いわば「RENT」前夜の物語なのだと思う。
世の中は思い通りにならないことだらけだ。
いくら言葉を尽くしても、理解し合えなかったり。
友人が病気なったり。
次から次に疑問も湧いてくる。
でも、それは、きっと新しいステップになる。
(以下ネタバレ)
日曜、朝、昼近くに起きて、ダイナーにブランチで集い、自由気まままに振る舞う面倒な人たち!
あれこれ、自由気ままにあれこれ助言"らしき"ことを言う連中。
まあ、ごもっともな内容だ。
でも、細かな主張を積み重ねたら、価値観がピッタリ合う奴なんて、この世にいるはずもない。
大切な時間なんだ、自分を優先するだけじゃなくて、少しは考えて欲しいよ。
でも、サポートしてくれる人はいて、理解する人もいる。
だから、自分だけでじゃなくて、人に手を差し伸べてあげられる人になりたい。
伝えたい人にちゃんと伝わらない、思い通りにならないこともたくさん。
でも、続けることが大事だ。
これは、誰にでも共通することだ。
自分の身の回りのことを書いてみる。
自分自身を見つめ直すことも同じで、すべての人に大切なことだ。
諦めたらダメなのだ。
これもきっと同じだ。
多くの人の心に響くミュージカル作品だと思う。
繰り返しになるが、この作品は、いわば「RENT」前夜の物語なのだと思う。
作品中で映し出される、テレビの報道番組が、アメリカの議員がエイズの危機を訴える際、ゲイを非難する場面。
そして、マイケルのHIV感染。
映画やミュージカル作品でアウトサイダーやマイノリティを扱ったりするのは少なくはない。
しかし「RENT」のように、マイノリティの中に、HIV感染者を取り上げたのは、それも、まだエイズの影響が大きい90年代にテーマとしたのは、勇気のほかに強い友情も感じられ、人々の心にきっと響いたのではないかと思う。
弱いものを非難したり、排除したりするのは決して勇気じゃない。
「RENT」がオフブロードウェイからブロードウェイの商業公演に舞台を移すその日の公演直前にジョナサンが亡くなったことは衝撃をもって多くの人に受け止められた。
この作品も「RENT」も、今、再び大きな問いを僕たちに投げかかているような気がする。
この作品は劇場で見て正解
これは劇場で見て大正解。体でドラムの振動を感じて、高音の伸びやかな歌声を思いっきり浴びることができる。それにふわしいだけの楽曲がそろっている。
ジョナサン・ラーソンの自伝的ミュージカルを映画化した作品だが、30歳という人生の岐路に立たされているジョナサンが最後のチャンスに向かっていく。30歳ともなれば、恋人と関係
もそのままにできないし、いつまでも夢を追いかけることができない。その辺の心情が、詩と歌になってありありと伝わってくる。
この作品では「死」というテーマがずっと横たわっている。「死」を意識するからこそ「生」のありがたさがわかるし、余命を宣告された人間からすれば、もう若くないなんて言い訳はたわごとに聞こえてしまう。
鳥かごの中にいるのか、自由に羽ばたくのか、それは鳥が決めること。恐怖と愛、そんなこと聞くまでもない。
こんな素晴らしい詩に出会えて幸せ。劇場での感動を家に帰って配信でさらに深いものにする。こんな贅沢な鑑賞方法があっている作品だと思う。
すべての夢追い(=老い)人へ --- 監督でも魅力的だなんて!REAL RENTな最高の一級品
俺はこれからの人生をこうやって過ごす。音楽を愛し音楽に愛されるリン・マニュエル=ミランダ監督 × アンドリュー・ガーフィールド主演 = 今や映画業界においても引く手あまたの人気者、時代の顔となった彼の待望の監督デビュー作は、素晴らしい楽曲ばかりか素晴らしい主役のおかげもあって、本当に見応えのある作品になっている。ミュージカルの定義を覆す作品となった『RENT/レント』原作者の売れる前を描いたミュージカルで、クリエイティブなプロセス、表現における創作上の葛藤にも目を向ける。
チクタクチクタク…こうしている間にも時間は刻一刻となくなっていっている、持ち時間は減っていっているのに自分は一体全体なにしてんだ。夢追い人たちが身につまされる題材に切実に向き合っている。随所のホームビデオみたいな質感や魅惑的なストーリーテリングに惹き込まれてしまう。この主人公のほうが遥かに努力を惜しんでいなくて、現時点で1も頑張れてるか微妙な自分と比べるのはおこがましいけど刺さりすぎた。他人事じゃない普遍的題材。かごか翼か、恐怖か愛か、言葉より行動がものを言う。ヴァネッサ・ハジェンズは歌唱担当。
30/90
恐怖か死か
THE BOSS IS WRONG AS RAIN
「自分の身の回りのことを作品にしてごらん」知っていること
ソンドハイムは27歳はデビューした!人それぞれだ。時間がない!
俺はこれからの人生をこうやって過ごす♪
Make a wish...
勝手に関連作『ラ・ラ・ランド』『イン・ザ・ハイツ』
メインストリームと対を成す作品
奇しくも前日のレイトショーでアンドリュー・ガーフィールド主演の「メインストリーム」を観て12時間後にこの作品を鑑賞。ネトフリ作品のためパンフレットなしなので劇場作品として0.5マイナス。
「メインストリーム」も今作も冒頭がアンドリューの演説で始まりに、作品作りに悩み、最後アンドリューの同じ表情(ネタバレ回避のため濁します)で終わるという構成になっていますが描きたいことは全く違うものになっているのが面白いです。
どちらの作品も「よくある話」と片付けてしまうのは簡単ですが、「メインストリーム」が中途半端な印象で終わってしまったのに対して、こちらは途中で泣いてしまう力を持った作品でした。「メインストリーム」を先に観たおかげで今作の冒頭の語りかけは全く頭に入ってこない(インチキくさく感じて)のがアレでしたが、こちらが後のおかげで最後は感動する事ができました。逆だったらこちらの爽やかな鑑賞後感がなくなってしまっていたと思うと危なかったです。
楽曲は実際のジョナサン・ラーソンが作詞作曲したものなので本当に素晴らしいもので、映画館の音響で体感できたのは幸いでした。ネトフリでPCのショボいスピーカーで聴いたくせに楽曲が心に響かなかったとか言う人がいたらお前のせいだと言いたいですね。ジョナサンが音楽にこだわって意に沿わないバイトをしてまで音楽家を雇おうとしたこだわりを考えるとやはり舞台は劇場で、映画は映画館で観る事がアーティストのこだわりなのだということをネトフリ配信作品で伝えているのはなんとも皮肉だと思いました。
やっぱり、ミュージカルはいいね
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