「メインストリームと対を成す作品」tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン! ガゾーサさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0メインストリームと対を成す作品

2021年11月14日
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鑑賞方法:映画館

奇しくも前日のレイトショーでアンドリュー・ガーフィールド主演の「メインストリーム」を観て12時間後にこの作品を鑑賞。ネトフリ作品のためパンフレットなしなので劇場作品として0.5マイナス。

「メインストリーム」も今作も冒頭がアンドリューの演説で始まりに、作品作りに悩み、最後アンドリューの同じ表情(ネタバレ回避のため濁します)で終わるという構成になっていますが描きたいことは全く違うものになっているのが面白いです。
どちらの作品も「よくある話」と片付けてしまうのは簡単ですが、「メインストリーム」が中途半端な印象で終わってしまったのに対して、こちらは途中で泣いてしまう力を持った作品でした。「メインストリーム」を先に観たおかげで今作の冒頭の語りかけは全く頭に入ってこない(インチキくさく感じて)のがアレでしたが、こちらが後のおかげで最後は感動する事ができました。逆だったらこちらの爽やかな鑑賞後感がなくなってしまっていたと思うと危なかったです。
楽曲は実際のジョナサン・ラーソンが作詞作曲したものなので本当に素晴らしいもので、映画館の音響で体感できたのは幸いでした。ネトフリでPCのショボいスピーカーで聴いたくせに楽曲が心に響かなかったとか言う人がいたらお前のせいだと言いたいですね。ジョナサンが音楽にこだわって意に沿わないバイトをしてまで音楽家を雇おうとしたこだわりを考えるとやはり舞台は劇場で、映画は映画館で観る事がアーティストのこだわりなのだということをネトフリ配信作品で伝えているのはなんとも皮肉だと思いました。

ガゾーサ