「葛藤」tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン! ハムカツ太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
葛藤
なによりも一番良かったのは、主演のアンドリューガーフィールドの演技だったと思います!アンドリューガーフィールドが出演している映画は3本ほどしか見ていないけれど、役のテンションが違い好きで、同じ人とは思えませんでした!カメレオン俳優とゆうやつですね!
さて内容ですが、まず印象に残っていることが、ミュージカル映画なのに激しい音が少ないと感じました。これは映画館で見ることができずに、自宅で見ていたからなのかもしれないのですが、全体的にミュージカル映画にしては、落ち着いた優しいメロディーで構成されていると感じ、そのメロディから感情描写がスッと入ってきました。
ジョナサン自身が30歳になるまでに何も残すことが出来ないという焦り、周りの友人たちがエイズによって早くに命を絶っていく、彼女、友人のことと、子供のままではいられない現状が夢への道をより険しいものにしていきました。そして、講演会までの期間が十分にあったものの、期日が近づくにつれ、時間に追われていく、こんな経験は私たちの日々の実体験でも多くあることでしょう。
そして、何よりも説得力のあった言葉は、マイケルの「時間はある」です。ジョナサンがローザからの厳しい言葉に負けて、夢を諦めそうになっている時の、友人であるマイケルからの一言。あの一言から、マイケルがジョナサンのことをどれだけ好き(友人として)好きなのかを感じることができました。自分はエイズに感染してしまったため、友人であるジョナサンには夢を諦めないで頑張ってほしいと友情を熱く感じるシーンでした。
こんなにも優しい、ミュージカル映画を観たことは初めてで、才能のある人たちが葛藤と苦悩のなか、生きているか、またその周りの人たちとの関係性が分かる映画でした。自分はかなり好きです。