マイスモールランドのレビュー・感想・評価
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かわいそうという感じで終わらせてはいけない
フィクションであることで、物語にひきこまれ、登場人物に感情移入しやすくなっている。
また、随所でキーワードが伏線のように出てきて、おっともなる。
難民申請が受理されない問題に関して、なぜこのような状態になっているのか、とともに、もし彼らにビザをだしたらどのようになるのか、根本的な問題にも考えさせられる。
決して、かわいそう、という感情で終わらせてはいけない、そんな作品である。
やるせなさと、日常の悦びのバランスが心地よかっ。
川和田恵真監督、素晴らしいです❗
たまたま川和田恵真監督の舞台挨拶の日に来れて超ラッキー❗
脚本も素晴らしかったし、色んな意味でとても良い作品でした。
「難民申請問題」のこと、もっと知りたくなりました😃
日本の今の映画…タイトルの輪郭が示す彼女の小さな世界の果てに
出された提示にいくつ答えを出せるだろうか。現実を問いただす訳でも、希望が見つかる訳でもない。ただ、現実を静かに受け止める。これは紛れもない、日本の映画だ。
入管の問題。実態が明らかになり始めた時から聞くようになったこの言葉。しかし、それよりもずっと前から、彼らの日常に在る話だったことは容易に想像がつく。そんな当事者と日本人の視点を組み込みながら、丁寧に綴った良作がここに。創作物としての明度を落とし、淡々と起きている“今”を向き合っていく。
本作は是枝裕和監督率いる「分福」の気鋭、川和田恵真監督の商業デビュー作品。静かに、静かに見守っていく。就労ビザの問題だけでなく、そこに関わる人たちの姿と、無力な現実。そして、日本にもはびこる今を抽出。複雑性を大切にする是枝監督イズムを感じつつ、エンドロールが終わった先、我々の感じたモノまでを繋げようと試みている。単純な善悪ではない、変化の様々な可能性を描いている。それこそが、映画の持つエネルギーだろう。
主演は嵐莉菜さん。5つのルーツを持った多感な18歳は、きっとこれまでも色々なモノを咀嚼し、見えている世界を問い続けてきたのだろう。純たる人には見えぬ世界を見て、我々に提示をしてくれた、素晴らしき女優さんだ。また、クルド人をよく分かっていない視点を優しく導いてくれた奥平大兼さんも見事。駆り立てられる想いと対比するような無力さを感じるし、その中で力になれることは何かを考えさせてれる。一緒に迷い、答えなき問いのハードルを下げてくれた彼に頼りがいも覚えた。
不思議なもので、不平等が生じている現代の難民申請問題。ミャンマーのサッカー選手、ウクライナの方は受け入れ、その他の国の方には事務的な対応をしているように感じる。無知が故の主観だ。しかし、それはきっと、日本国民も含め異国の実態を知らないからなのではないか。この作品が、解消の劇薬になるとは思わない。だが、考えることで少しでも良い方向に進めるのではないかと思う。全ての人に、光あれ。
このテーマ、にもかかわらず清々しさも感じた。力量のすごい、不思議な魅力を感じる映画。
正直、、、ちょっと覚悟して、、観に行った。
それが、、、
とても、重くて暗くて、タイヘンな、って感じになりそうなものが、、、
見事にそうはならずに、
いろんな立場の人たちのリアルを汲み入れて観る側に差し出してくれる。
当たり前のように海外の人たちとツナガル今の時代。
観て学ぶ、気付く、、考える。
そんなとても大事な、貴重な機会をプレゼントしてくれる映画。
役者さんたちも素晴らしい!。引き出した監督も素晴らしい!。これから益々楽しみ!。
音楽も素敵だった♪。音楽にも『力』を入れてるって感じた。。。
難しいーテーマ、な筈なのに、
非常に辛い現実も描かれているのに、、
救いがある。。。希望はあるって感じた、とても不思議な映画。
すごい監督さんがいるんだ!と嬉しくなった。
すごく、もどかしい。
難民問題には詳しくないので率直に、この映画を通して、二つの相反する感想を持った。
以前、ドキュメンタリー番組で、日本の難民認定は厳しいというのを観たことがある。
さらにトルコとの関係上、クルド人は難民申請が通らないそうだか、それでも日本に来るのは何故だろう。アメリカは難民指定しているらしいが。
ステレオタイプだけど難民って、陸続きの所か、ボート的なもので逃げてくるイメージ。だから弁護士などいろいろ支援者が絡んでいて飛行機で来る難民?と、ピンとこない。
本人たちは命からがらなのだろうけれど。
平泉成さんは、ソフトに演じていたけどテレビで観る限り、難民支援以外でも、人権派みたいな弁護士は、やたら攻撃的な印象を受ける。
しかし自分たちではどうすることも出来ない未成年者を残して、強制送還というのも、いかがなものかとも思う。
在留資格のために結婚という手段を取ろうにも、聡太くんはまだ結婚できないし。
お父さんが帰国する代わりに、子供達にビザを発給するという謎制度にはハァ⁉︎となったが、実際にはどうしてるんだろう。
どんなに訴えかけても、在留カードに穴開けた職員のような対応なのだろうな。激昂され、しばらく黙った後、何事もなかったかのような事務的対応は、若干怖い。
とはいえ、あの職員も悪いわけではない。
なんだか誰も悪くないというか、明確な悪者がいないのに、どうにもならないもどかしさを感じた。
配信になってからでもいいから、見ておいた方がいい
⭐️の付け方は人それぞれと思いますが、私は自分以外の人が見てた方が良いかでつけている。作品として面白かったものは他にもあるけど、本作は見ていくべき作品です。
この問題は、お金は集まらず、視聴率も取れず、選挙の争点にもなりません。人権のピットホールです。誰かこれを見た人が、たまたま変革を起こせる立場になったときに、活躍して改善していくしかありません。直ぐには解決できないかもしれないけど、日本に住む多くの人が見ておくべきじゃ無いかしら。お辞儀と挨拶の順番を習うより、この映画を見た方が道徳の授業として適当ですよ。
では、映画として良いか?辛い話なのだけど、誰も激怒しないし、号泣もしないので、セリフでは感情を伝えられないので、実は演技が難しいのだと思いますが。嵐さんのお家のご家族の皆さんは、中学生日記のような演技になっていますが、帰ってそこが生々しいです(中学生日記って何故だか脳裏にこべり付くでしょ。もちろんほめてます。)。
サヘルさんをはじめ『外国人』の出演者の皆さんもそれぞれ、色々な問題を抱えて生活してると思います。それを想像すると、何だか悲しくなります。何とか日本が嫌いにならなければいいのですが。
スピンオフとして、妹さんや弟さんが主演のドラマも見てみたいです。
日本の移民政策はあまりにも不条理で驚いた
かつての日本は単一国民で24時間モーレツに働き国威発揚してきた。今のグローバルな世界では人は国境を意識せず移動している。多くのクルド人はイラン、イラクなどの国で生まれ独立を夢見るがためそれらの国で迫害され他国へ逃げている。日本の親戚、友人を頼って家族を連れて補助を求める難民被害者。日本が難民申請を認めない国家である事は今までは治安面から必要かと思っていた。しかし、人生はあまりにも不条理。難民申請認められないと国籍のない人として、働けない、新荒川大橋も渡れない、恋愛も進学も出来ない、あまりにも不条理。私たちは日本人はノホホンと日本で暮らしていていいのか?このままでは老人しか残らない過疎の国になるのは必須。この状況を救ってくれるのは若い移民の人達ではないか。
後半ほぼ泣いてました
映画館で2回観ました。
観た後に調べたら、あの家族は主演の嵐さんの本当のご家族とのことでビックリ。弟ロビンくんの一言一言が演技っぽくなくて自然だったのは本物の家族が醸し出す雰囲気だったのかしら。
考えさせられるけど重すぎない、後味も良い本当に最高の映画でした。
以下、リアルすぎて感動したポイント
・学校に行く前に癖毛を直す
・妹ちゃんのTikTok
・弟ちゃんのパックマン(?)ゲーム
・コンビニのお婆ちゃんのお客さん
・入国管理の係の人
・W杯のエピソード など
追記:2022年ベスト映画でした。RRRを観るまでは!
人種差別の作品って一杯有るが…⁈
作品を観てから,後から調べて知る事が非常に多い事が有ったので、自分の為にも遅めのレビューを失礼致します。
難民申請で,住みたくても住めない状況を濃い現実を目の当たりにした監督は、自らの手で調べて,どっからどう見ても日本人には見えない,どうやら5ヶ国語も話せるという嵐莉奈出演で、現実的な話を作品にしたものだったようだ。
テーマとしては分かる
難民を無制限に受け入れる事には反対です。治安の悪化など社会不安につながる可能性を感じるからです。しかし全く手を差し伸べなくても良いとも思いません。クルドの土地に勝手に境界線を引いたのはイギリスやフランスなのだから、現状にも責任があるはず。
今、世界ではウクライナ、チベット、ウィグルなど民族を抹殺しようとする企てが進行しています。
劇中の子供達の未来が明るいものであることを祈ます
解決しない結末が問題だ
同じ人間なのに不条理、しかし国という単位だからこそ成り立つ世界。地球は一つ、石は地球のもの。
深い内容で涙を誘う部分も多かったが、余りにも道徳映画すぎる。分かりやすい悪役、悪友を出して主人公を奔狼するだけ。彼氏もあんなに心のきれいな人間はいるのか?
ラストが解決しなく、主人公の心の決心で終わるなら、もう少し主人公を聖人君子にしなくても良かったのでは。
ラストの何も解決していない結末は、この難民問題の核心をついているのだと思う。
ちょこちょこ出てくる先生、おばあさん、パパ活男などはかなり良かった。
すべてにあっぱれ映画。
不条理すぎる・・・。
けど、社会派で教科書的な描き方はされず、きちんとドラマになっている。
青春きゅんきゅんシーンもとてもエモかった。
難民申請を伝える公務員も、パパ活で攻めてくるサラリーマンも、全てがリアリティーある演出で固唾を飲む感じだった。
主人公の嵐さんは、
パパと話すとき、学校にいるとき、好きな人といるときなど
それぞれ表情やその場の空気感で演技されている感じで引き込まれた。
自分のTシャツを知らない男が着ていたときのパパの一言、面白かったな(笑)
前情報のない小学生高学年から高校生に観てもらいフラットな感想を聞きたい。
日本人もきちんと向き合わないといけない問題だと思う。
さすが、分福さんっ!!!
翔んで埼玉リアル版
川口市在住の人間として地元がロケ地ということで思わずチェックリスト入り。
川口と言えばクルド人以外にも外国人が目立つ土地柄であり、これを機に外国の文化や諸々の問題を勉強しておきたい。
いざ、MOVIX川口へ。
難民として日本で苦しい生活を余儀なくされているクルド人がテーマの作品。
文化や法律と言った様々な困難に直面するクルド人を知ることで問題の真相に迫ることができるのではと期待していた。
作品としては印象通りやはり重苦しい雰囲気で、所々笑いを誘う小ネタがあるもののシリアスな展開である。
しかし肝心のストーリーは主人公である長女の恋愛がメインであり、あまり民族問題に踏み込んだものではなかった。
コインランドリーのマナーが悪いとか。
ラーメン音を立ててすするかすすらないかとか。
隣のトトロみたいに幼い弟が行方不明になったりとか。
別にクルド人じゃなくてもいいエピソードばかり。
生活が苦しい日本人の女の子でも成り立つよなぁと。
いい話だとは思ったがどこかテーマとのズレが否めない。
非常にもやもやとした気分でエンドロールをぼんやり眺めていると…
フィクションかぁ…
なぜ避難先に日本を選んで今の境遇に追い込まれているのか、という肝心の部分が全く見えない。受け入れた政治家が悪いのか、支援者はどこに行ったのか、ただビザが切れたので帰って下さいでは困るのは当たり前である。
そういえば何故難民申請が取り下げられたのか、という理由も説明がなく謎のまま。
日本で生活を続けていたとしても肝心の問題は解決できないのだが。
クルドに誇りを持っていて今でも自分の国を想うのであれば、ただ目先の生活に縛られているだけでは何も解決しないと思う。
こと日本については外国の紛争について積極的に首を突っ込んで解決しようと考える人は皆無に等しくまさに触らぬ神に祟り無し。事なかれ主義である。
単純に帰化申請して下さい、ちゃんと納税して下さい、嫌なら出ていって下さいで終わってしまう。
そもそも難民という立場でありながら子供を3人も産んで生活が成り立つわけがないし、日本人ですら現代では結婚すらできない層が増えつつある。
生活が苦しいにも関わらずお金になるかわからないようなアーティスト指向の男と付き合っても地雷にしかならない訳で、切実さが全く伝わってこない。
まさにスモールランドというか、抱えている問題に対してあまりにも世間が狭すぎる。
果たして作り手はクルド人問題に対してどれだけの興味があるのだろうか。
と我に返ったところで「バンダイナムコ」のクレジット…
ああ…やっぱりなと。
まあバンナムが関わっているならそれこそアニメにしてアイマスのキャラにクルド人として登場させたほうがまだウケたんじゃないでしょうか。
生活苦で堕ちていくアイドルなら同人誌でも人気が出るでしょう。
正直お花畑でした。
消された手形
父親が国にいられなくなったため日本に“難民”としてやってきたサーリャ一家。
サーリャの妹と弟は日本語しか知らず、サーリャ自身も幼い頃に日本にやって来たので日本での生活が長い。
そんな時、難民申請が不認定となり、生活に様々な制限がかかることになる。
そして、さらにある事件が起きて…
日本人として絶対に知っておくべき問題。
そして、その上で観ておくべき作品だった。
おもてなしの国、日本。
クーラーは効いてないけど飯は冷たい。
先日のニュースで初めて入管の問題を知った無知な者だけど、こうやって裏で苦しんでいる人が日本には沢山いるんだと思うと本当になんとかすべきだと願うばかり。
ただ、無力さも痛感した。
私1人の力ではどうにもならないし、自分も偽りの善意で歩み寄ろうとする傍観者の1人なのかもしれない。
もしも自分の友達や好きな人に苦しむ人がいたら何が出来るのだろう。
自分の出身も家庭環境も言えない。
ただ、言わないことでの心地良さも知っているし、お祈りの意味なんて正直分からない。
石を探す弟、サーリャと壁を感じる妹、家族みんなで日本に残りたいと思うサーリャ、娘たちの幸せを願う父親。
複雑だけど純粋なそれぞれの想いに何も言えなくなる。
敢えて最後まで描き切らない。
この問題が現在進行形で起きていることを示唆するようなラストがとても良かった。
クルドの意志
埼玉に住むクルド人家族の難民申請の難しさ、そしてそんな中でも少しホッコリさせられる青春要素も含まれたドラマ作品。
いやぁ~これは色々考えさせられる作品。
細かくは描かれないが、デモに参加したことから、国に帰ると逮捕される恐れのある父親とその家族。日本に逃れてきたが、難民申請が通らず、これからどうすれば良いのか、様々な問題が家族を襲う。
難民申請が通らないと、就労ができないばかりか県境を跨ぐことも原則禁止。多くの障壁がありながら、夢に恋に突き進むサーリャの姿。17歳の少女にのしかかるにはあまりに辛い現実ですね。
クルドの風習を大事にしたい父親との衝突も印象的。
・・・からの、うちには何もありません、はせめてもの癒しですね(笑)
罪もない子供たちに色々制約がかかるのは辛いですね。色々諦めそうになった所で、やっぱり一緒に行きたいと聡太に言ったときは涙腺に応えました。。でも結局・・・。
そして父親の決意。娘を想うあまり小言も多いけど、心の奥底の想いとクルドの誇りにはグッときましたね。彼にとっては、帰れば地獄かもしれない。かと言って、入管にいるこの現状がどうかというと・・・。帰るも残るも・・・か。。
普段ボケっとしてる自分がこんなに集中して観れた作品も珍しい。
それだけに難しい問題ですよね。
サーリャのような人達に幸せになってほしいという気持ちは本気である一方で、あくまで個人的にはですが、「困っているならどんどん受け入れてあげれば良いのに」といったような考えには賛同しかねますね。そんな単純な問題ではないと。
でもやっぱりサーリャ達には制約なく幸せになってと思ってしまうから、尚の事苦しい。
色々勉強になりました。日本も厳しい所は厳しいのですね。恥ずかしながらもの知らずなワタクシは、日本はコロナがもっと危険視されていた時も、おとなりあたりの国の人だけはどんどんと入れてあげている印象があったものですから。。まぁ、それと在留資格云々は別問題かもしれませんが。
さておき、罪がなくとも苦しんでいる在日外国人の方々がいること。そんな方々に幸せになってほしいと同時に、厳しい規則も勿論大事だなと、改めて思わさせられた作品だった。
ただのキレイ事を描くわけではない、良作でした。
こんないい映画なのに何で上映館が少ないの。
NHK BSでドラマ版を見ていたので、絶対に見に行くつもりでしたが、近くのシネコンでは、上映していないで躊躇してました。
私の県では、今週で上映終了なのを知り、わざわざ県庁所在地の映画館まで出かけました。
今まで見た映画の中で、最も心に染みた映画か。ショーシャンクに劣らない。
ウクライナの方々は、あんなに手厚く扱われているのに。
クルド人の苦難の歴史を知ろうとしない日本人。彼らは各地で虐殺されてきた。
例えばイランーイラク戦争のどさくさ紛れに数千人が毒ガスで殺された。
最近では、ISを自分たちの住んでいる国から追い出す為に、女性兵士まで戦ったのに、終わって見れば弾圧される。
クルド人だけでなく、ミヤンマーやロヒンギャの難民に冷たいこの国のあり方が問われる。
日本国政府としては、見てもらいたくない映画なのか。
映画の主題歌がとても良い。
BSのドラマ版を見ていたので鑑賞中は号泣する事は無かったけど、エンドロールに流れる主題歌を聞いて、また号泣してしまった。
家に帰ってから、MTVを見たけど、映画の内容に合っていてとても良い。実弟ロビン君の演技もいいね。NHKが関わっているので紅白に出して欲しい。
私たち「日本人」の問題
この映画には、悪人と言える人は、ほぼ登場しない。
現実には、もっとひどい「日本人」が、たくさんいるのかもしれない。
でも、この物語では、登場人物の誰かを悪者にして、観客である私たちが自分を安全地帯に置くことができない。
あの家族をあんな目に遭わせているのは、間違いなく私たちなのだ。
(我々は、ウクライナからの難民なら、気持ちよく受け入れて、ずっと一緒に暮らせるんだろうか?)
愛も家族も分断する、今、この国にある現実
アイディンティティに揺れ動く少女が主人公の青春映画のスタイルを取りながら、この国の入管、難民受け入れの問題を描いた秀作。一見善人に見える人たちの無関心、無意識にあるレイシズムを静かに批判していたことも良かったです。こちらも静かに自省する。
入管の非人道性、残虐性を知っている人たちは、この映画における入管の描かれ方は緩く感じると思うんだけど、映画を観た後、この国の入管について調べる人たちはたくさんいると思う。それだけでも意味はあるんじゃないかな。
あと、「菊とギロチン」の韓英恵さんが出演していのが嬉しかったです。
この作品を観る人たちに、日本にいるクルド人のことをできる限り柔らかく伝えようとしている、クルドを知るための入口のような作品かと思います。奥はとても深そうです。。
クルド人という言葉は知ってはいるのですが
実際のところは全く知らないと言って良いです。
日本で暮らす彼らをどう描くのか気になり鑑賞。
日本に逃れてきて生活を始めた親子。
埼玉の高校に通うサーリャ。
小学生に編入した際の担任にあこがれて
日本で教員になりたいと願う。
東京のコンビニでバイトをするサーリャ。
バイト仲間で同級生の聡太とも仲よくなり
夢を語り合うほどに親しさを増していたが…。
父の出していた難民申請が却下されてしまう。 むむ。
「働くことも認められず、
県外に出てもいけない」 えぇ… どうやって暮らせと…
隠れて働くしかない父。 だが…
父は捕まり、収監されてしまう。
大学への推薦も取り消されてしまうサーリャ。
…
とまあ
難民の実態を、なるべく暗さを抑えながら
描いている作品。 というイメージ。
クルド人。クルド民族。 彼らのことを
ほとんど知らないということを知る作品でした。
◇
ウクライナ難民が受け入れられている今
クルドや他の地域の難民たちの扱いは
何か変わったのかどうか。
民族の問題 って
奥は深く、理解が難しいことが多いのですが
考えることは、止めちゃいけない …とは思います。
そうそれはそうと
この作品、フランスとの合作なんですね。
ちょっとびっくりしました。
プロデューサーにフランス風の名前がありましたが
どういう関わり方なのか
ちょっと興味があります。
◇ あれこれ
記憶に残った場面
収監された父に面会に行った際
空調が効かず、冷えた食事。 それらを
「 素敵な 「オ モ テナシ」 」
と皮肉るサーリャの父の言葉が印象的。
なんかこう 哀しい…。
クルド人
現在では4つの国に別れてしまった地域に
もともと住んでいた人びと。
「中東の火薬庫」 とも言われている地域とか。 …
元住んでいた土地を取り返したい人もいれば
たどりついた新しい土地で暮らしたい人も。
この作品は後者のお話な訳ですが
やってきた人を受け入れる - それだけの事が難しい。
という、その現実が悲しい。 う~ん。。
それにしても、クルド人って3000万人もいるそうで。
ちょっとした国家ひとつ分。 びっくり。
クルドの星
という漫画のタイトルで ※(作:安彦良和)
クルドという名前を知っていましたが
読んだことがありませんでした。
フィクションなのかもしれませんが
読んでみようと思い立ち購入しました。
ヒロイン役
の、嵐莉菜さん
顔だちの整った美人さんです。
ハーフなのかと思ったら、ルーツが
日本・ドイツ・イラン・イラク・ロシア
の5カ国だそうで。
なんとインターナショナルな。
同級生との会話での 「マジか」 というセリフが
なぜか記憶に残ってます。
(顔だちは外国人、会話は日本人的 …だからか?)
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
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