劇場公開日 2022年5月6日

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「青春ドラマであり社会派ドラマでもある。」マイスモールランド ゆみありさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0青春ドラマであり社会派ドラマでもある。

2022年5月11日
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鑑賞方法:映画館

難しい

萌える

高校生のサーリャと聡太の淡い恋を描いた青春ドラマであり、国を持たないクルド人の難民問題を描いた社会派ドラマでもある。
若い人にももっと観て欲しいと思う。そして、今、この日本にどんな問題が起きているのか、あるいは近い将来、どんな問題が起こるのか、考えてもらいたいと思う。
難民については、ヨーロッパで起きているさまざまな問題を考えると慎重な対応と結論に至るのは当然である。一方で映画のような理不尽なことが、この日本で起きているのも事実である。映画を観ればサーリャの家族に同情を禁じ得ない。いや、同情以上に強い感情に揺り動かされる人も多いに違いない。
このような難民問題に触れたとき、実際人々(日本人)はどうするのだろうか。聡太のように恋愛(といってもこれから始まるかもしれないという淡いもの)が絡んだとき、自分は何者なんだろうと深く深く考え、相手はいったい何者なんだろうとまた深く深く考えるわけだが、そこに難民問題が加わる。人によっては、ややこしいことに関わるのはやめておこうと考えるかも知れない。
恋愛に限らず、友情だったり、正義感だったり、そうした感情と法律や自身の利益とを天秤にかける。
この先、この問題とどう対峙すべきなのか、またその答えを示せと突きつけられることもあるかもしれない。

ゆみあり