「デジタル対アナログ・・・人間の苦悩」シルクロード.com 史上最大の闇サイト garuさんの映画レビュー(感想・評価)
デジタル対アナログ・・・人間の苦悩
今や、ネット世界のサービスを利用して生活するのが当たり前の時代。 PCやスマホを使って便利を享受している人間とアナログ人間との間には、はっきりとした格差が生まれようとしているかのようだ。 この作品を観に行く人は、どちらかというと後者寄りの人が多いのではないかと思う。
かくいう私も、日常生活で仕方なしに使ってはいるものの、ますますデジタル化が進む社会に、正直ウンザリしているひとりだ。 だから、アナログ刑事の活躍を期待して観に行ったのだが、物語は思った通りには進まなかった。
どんなにデジタル化が進もうとも、結局、社会を動かしているのは人間なのだ。 物語の中で取り返しのつかない犯罪を犯す若者の無謀な野心も、家族のために犯罪を犯してしまう刑事の愛情も、結局は生身の人間の仕業なのである。
IPアドレスだけを追うIT専門の刑事に対し、アナログ刑事が 「キーボードを打っているのは人間だろう」 というシーンがあるが、 この一言にすべてが凝縮されていたと思う。
私も、あと10年弱で年金暮らし。 パソコンやスマホとお別れして田舎に引っ込もうかと考えていたのだが、 この映画を観て決意が固まった次第である。
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