あの子の夢を水に流してのレビュー・感想・評価
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叙景が叙情のやつ
リュックをお腹側に抱えて歩くシーンが印象的。赤ちゃんを抱っこしているみたいなシルエット。
ずっと<生>と<死>を象徴する画面が意図的に交互に来ていたと思う。最後の冷蔵庫を開けるカットとか<生>そのものだもんね。
球磨川の流れとか打ち上げ花火とか子どもの笑顔とか、映えるものもたくさん捉えていたけど、なんでもないような風景にも映画的な輝きが与えられていた気がして、そういうところ好きだったな。
私はそもそも内田慈さんが大好きなので、たっぷり見せてもらえてうれしかった。
本筋と全然違うところなんだけど、玉置玲央さん演じる恵介は、こういう人いる、かっこいいのにモテないよね、と思ってしまった。瑞波に気があるっぽい感じを、瑞波が今まったくそのタイミングじゃないのに隠せていない(という台本なのでしょう、もちろん)からかな。悪い人じゃないのは伝わってくるんだけど。マスターが彼の短歌を瑞波に聞かせて瑞波が「彼が詠みそう」みたいに言って流したところ、胸がすく感覚になってしまって、どんな映画の見方をしてるねんと自分でも思いました。
川は時間
産まれて間もない子供を亡くした女性の再生の話。
亡き子を想い涙に暮れる女性が、久しぶりに帰省すると母親に電話で告げて巻き起こっていくストーリー。
2020年7月に氾濫した球磨川を舞台に、知人達と川辺を歩き話しという展開で川には今も氾濫した形跡も。
最初から最後までたっぷりゆったりの間でみせていく感じは良かったけれど、ちょっと余白が多すぎるし、なんなら最初の電話の時点でも結構立ち直っている雰囲気だし、残念ながら自分にはこれと言って刺さるとはころは無かったかな。
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