ムリナ
解説
2021年・第34回東京国際映画祭「ワールド・フォーカス」部門上映作品。
2021年製作/96分/クロアチア・ブラジル・アメリカ・スロベニア合作
原題または英題:Murina
2021年・第34回東京国際映画祭「ワールド・フォーカス」部門上映作品。
2021年製作/96分/クロアチア・ブラジル・アメリカ・スロベニア合作
原題または英題:Murina
インディペンデント・スピリット賞、「エブエブ」が最多8ノミネート
2022年11月25日まずは、ヒロインのユリア役のグラシア・フェリポヴィッチが全編ほとんど水着姿なので、否が応でもその肢体に目が行ってしまう。設定が17歳らしいが、いくらなんでも色っぽ過ぎるだろというツッコミを忘れたくなるほど綺麗。
毒過ぎる父親の束縛される生活を送る田舎の少女が、洗練された中年男性に惹かれて…というストーリー自体はありきたりだが、その大人の男である父の友人ハビエルの存在感が、ジョーカー的に増している。
ハビエルの出現で妻や娘に高圧だった夫が戸惑い嫉妬すれば、過去にハビエルと交際していたらしい妻もまた、彼のように都会に出たいと願う娘ユリアに嫉妬するという、込み入った人間関係がなかなかの見どころ。
終盤、父の拘束から逃れようと地下室の穴に落ちるユリアは、『不思議の国のアリス』のアリスとダブる。ムリナ(ウツボ)を獲る父の仕事を手伝っていた彼女は、そのムリナに救われる形で海から地上に出る。『大人は判ってくれない』で、大人社会から脱走したアントワーヌは、海辺まで逃げるもそこで立ち止まったけど、ユリアは大人社会の“海”を泳いで進む選択をするのだ。
終盤からエンドクレジットまでのシークエンスを観て、あらためてグラシアちゃんは体力がある子だと認識。将来は国際派女優になる可能性もあるので、今後に注目したい。