アメリカから来た少女

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アメリカから来た少女

解説

SARSが猛威を振るった2003年の台湾を舞台に、アメリカから帰郷した13歳の少女と家族の物語を描いたドラマ。母親の病気を受け入れられず、やり場のない感情を抱えた少女が、やがて自分の弱さに気づいて成長していく。

2003年冬、母と妹とロサンゼルスで暮らしていた13歳のファンイーは、乳がんになった母の治療のため3人で台湾に戻ってくる。台北の学校に通い始めたファンイーだったが、アメリカでの学校生活との違いから周囲になじめず、クラスメイトからは「アメリカン・ガール」と呼ばれて疎外感を味わう。家では母が術後の不調を訴え、久々に一緒に暮らすことになった父は出張で家を空けてばかり。ファンイーはやり場のない怒りや不満をブログに書いて気を紛らわしていたところ、ブログを読んだ教師からスピーチコンテストに出ることを勧められる。しかし、コンテストの前日、発熱した妹がSARSの疑いで病院に隔離されてしまう。

台湾アカデミー賞とも称される金馬奨で、優秀新人監督賞や最優秀新人俳優賞など5冠に輝いた。第34回東京国際映画祭の「アジアの未来」部門では「アメリカン・ガール」のタイトルで上映された。

2021年製作/101分/台湾
原題または英題:美國女孩 American Girl
配給:A PEOPLE CINEMA
劇場公開日:2022年10月8日

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映画レビュー

4.0転校や留学を経験した人ならきっと思い当たる

2022年10月8日
PCから投稿

悲しい

1990年台湾生まれのロアン・フォンイーは、半自伝的な内容のオリジナル脚本を映画化した本作で長編監督デビューを果たし、台湾の金馬奨5冠のほか東京国際や香港の映画祭でも高評価を得た新進気鋭の女性映像作家だ。幼い頃に母と妹と米国で暮らし、2003年に台湾に戻ってきたのは実体験だという。

コロナ禍が世界に拡大した2020年、台湾政府の迅速な対応を主導して注目された民間登用のデジタル大臣オードリー・タン氏が、未知の感染症に機敏に対応できた理由の一つとして、「SARSが流行した時期の教訓を活かせたこと」を挙げていた。日本ではSARSはあまり流行しなかったので、映画の後半に出てくるSARSの猛威に翻弄される台湾社会の描写がコロナ禍の今に重なることに日本の観客の多くは驚くはずだし、SARSの時代の話がコロナの現代に映画化される巡り合わせにも考えさせられる。

撮影のための照明を加えず、自然光と現場の屋内などにある照明器具だけで撮影したという映像は、主人公の少女ファンイーのつらい思いと重苦しい時代を反映するかのように、暗いシーンの印象が優勢だが、暗い映像が優勢だからこそ、父親の髪を娘2人がはしゃぎながら染めるシーンのような家族の情景が対照的に温かみを伴って輝くのだろう。

家族の情景といえばもう一つ、座る母親のももの上に娘が頭をのせて耳掃除をしてもらうシーン。自分も幼い頃そうしてもらっていたなと懐かしく思い出し、そういえば親が耳かきで子の耳を掃除する習慣って外国にもあるのだろうかと疑問に思う(欧米なら綿棒で済ませていそう)。少なくとも映画ではほかに目にした記憶がない気がする。

米国で暮らした経験のある女性が台湾に戻り、アウトサイダーの視点も交えて台湾社会を見つめるという点で、2019年のアニメ映画「幸福路のチー」に通じる。あちらも女性監督による半自伝的なストーリーだった。台湾映画界での若手女性の躍進を頼もしく思う。

まったく新しい環境で暮らすことの不安、周囲になかなか馴染めない時期のもどかしさ、かつての住み慣れた場所や友達を恋しく思う気持ちなど、転校や留学を経験した人ならきっと思い当たる感情が、繊細に表現されている。

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高森 郁哉

3.0え、これで終わり?って感じのラストで、 私的にはもっと欲しいけど、...

2023年10月22日
iPhoneアプリから投稿

え、これで終わり?って感じのラストで、

私的にはもっと欲しいけど、

この作品の終わり方としてはこれもアリかな、と思った

前の職場で私が出会った台湾人の同僚たちを思い出すと、

映画の方がわがままというか、

自己主張が強かったり協調性がなかったり、

もっと家族で融合していく人たちだと思っていたので、

その辺が新鮮だった

3.5に近い3

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jung

2.0残念!

2023年2月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
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マサシ

4.5家族の日常が愛おしい台湾映画

2023年1月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

父の暮らす台湾にアメリカから帰国した、乳がんを患う母と13歳のファンイーと幼い妹。
ひとつの家族の日常が丁寧に綴られており、美しく愛おしい作品でした。

姉妹たちの子供らしい素直な台詞には、微笑ましかったり、時には目を見開いたり。脚本の感性が素敵だなと思いました。
母親と父親の病気の辛さや、衝突、相手や娘達を思う温かさも描かれていて、切なく、温かい気持ちになりました。

家族を通して観る台北はアメリカとは違う不自由さがありつつも、アジア的な美しさや雰囲気も良かったです。

映画のキャッチコピーにもなっている13歳のファンイーが綴る「母の弱さは 自分の弱さ、母の怖さは 私の怖さ、母の強さは 私の心に」が好きで、原稿の続きが読みたくなりました。

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せん

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