劇場公開日 2021年11月19日

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モスル あるSWAT部隊の戦いのレビュー・感想・評価

全68件中、1~20件目を表示

4.0リアルな設定、空気、そして臨場感。

2021年11月27日
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始まった瞬間、これはもう完全に中東で撮られた映画なのだろうと感じた。そう自ずと思い込んでしまうほど、本作は流れる空気や臨場感が凄まじい。言語もアラビア語ならば登場するキャストも中東系の俳優のみ。この題材を扱う以上、とことんリアルさを追求した設定でなければ意味がないと主義を貫いた監督もさることながら、難易度の高い企画を何とかして実現させてしまうルッソ兄弟(製作)のこだわりと手腕もさすがである。銃撃によって廃墟と化した街並み。そこから一人の若者と特殊部隊との邂逅を皮切りに、やがて彼が新メンバーとして隊に加わり命がけのミッションへと身を捧げる模様を、乾いたアクションと人間ドラマを交えて描き尽くすーーーかくも紋切り型のエンタテインメントにならないための努力や配慮は従来のハリウッド映画のあり方と根本的に異なるものであり、この時代、映画づくりが劇的に変貌しつつあることをまざまざと見せつけられた格好だ。

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牛津厚信

4.0アラビア語を話す俳優たちが演じる戦場のリアル

2021年11月16日
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長引く戦闘で街の隅々まで破壊されたイラク第二の都市、モスルを、数人の元警察官で構成されたSWATが"ある目的"に向けて行軍する。敵はISIS(イスラム過激派組織)。残骸の死角から放たれる銃弾や自爆テロを掻い潜りながら、いかに彼らは目的を達成するか?そのプロセスは戦争ドラマとして秀逸であると同時に、配役や描写を含めて細部はドキュメンタリーの雰囲気に近い。

本作で監督デビューを果たしたマシュー・マイケル・カーナハンは、リアリズムの観点からアラビア語を母国語とする俳優をメインに起用。結果、観客はかつて間接的に眺めていたイラクの地上戦へと体ごと引き込まれることになる。

事実に基づいた元記事の映画化権を取得したのは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』や同『エンドゲーム』の監督、ジョー&アンソニー・ルッソ兄弟。しかし、本作はまるでハリウッド映画らしくない。理由はあまり馴染みのない俳優たちの存在と、躍動するカメラが終始、戦争で我が街を徹底的に破壊された人々の側に立ち、彼らの怒りに寄り添っているからではないだろうか。

アフガンが再びタリバンの統治下となった今、観ると、そんな思いが一瞬頭を過るのだ。

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清藤秀人

3.5イラクでISと戦う部隊の話。最新装備の米軍ではない現地でのリアルな...

2024年7月2日
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鑑賞方法:VOD

イラクでISと戦う部隊の話。最新装備の米軍ではない現地でのリアルな戦いってこういうものなんだろうなと感じる。

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Iwarenkon

4.0成長なのか順化なのか

2024年3月15日
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鑑賞方法:VOD

プライベート・ライアンみたいな小隊ものかと思ったら…
隊長がずっとゴミ拾ってるのも印象的だったし
リアルな人間が何を希望に生きて、
それがどれほど暴力的に奪われたのかっていう。
主人公がどんどんたくましくなっていくのは
成長なのか順化なのか、あるいは鈍化なのか。

ただの戦争モノに収まらない傑作だったと思う。

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mar

4.0リアルな描写で描かれる尊厳の破壊

2023年7月28日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

難しい

いつもの事ながら中東については疎いので、イラクやらクウェートやらモスルやらボワッとしかわからずISISの活動もニュースや特集で追いかけるだけの知識だが、やはり宗教を軸になぜここまで残虐な事ができるのか?

これがかの神様の教えなのか?
戦闘シーン等は特に特筆する事もなく、まずまずの緊張感。

警察官の新米がスワットにスカウトされ帯同するが、特に訓練も受けてないのにすんなりと動きをこなしていくのは少し違和感がw

キャストは中東感がスクリーンから溢れ出る様な感じでスムーズに見る事ができた。

次々と味方が死んでいくのが逆にリアルであり、エンドロールでも名前がリストアップされていたので間違いではないんだろうなと、、。

薄々任務の内容はISISという事で予想していたが、ラストにはグッとくる。

負の連鎖も戦争の汚い部分として描かれていた。

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ポップコーン男

4.0これが本当の戦争映画かもしれません

2023年7月6日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

実話ベース作品、でもそれ以上にドキュメンタリー作品のように感じました
今まで観た中東での戦争のアメリカ映画とは全く違う戦争もの
これが本当の中東での戦争なのかもしれません
今までのアメリカ視点からの作り方ではなくて、もちろん正義の味方も出て来ず、自分達の故郷のために戦うSWATの戦い
自国民のためじゃないのに命を懸けて戦うアメリカ軍をヒーロー的に作られた作品ばかり観ていた私には、これが本当のイラクの現状を突き付けられた感じがしました
そこではアメリカ軍はヒーローでもなくISISと同じ、孤児になった兄弟、戦いの休憩中にゴミを拾う隊長、いろいろ衝撃でした
つまらない事に悩んだりする呑気な自分が申し訳なく思えてきました
今でもイラクはあんな状態なのでしょうか
エンタメ作品も良いけど、このような観るべき作品がもっと話題になってほしいです
だんだんSWATの一員になっていくカーワ、ラスト近くでは「無」の表情になっていた彼を心配になりましたが、ラストの彼の言葉にホッとしました
自分達の未来に繋がるための戦い、任務完了してほしいと心から思います

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小町

5.0ストンと落ちる結末

2023年6月28日
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鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

ダーイッシュに占領されたモスルで謎のミッションを遂行するSWAT部隊。そのミッションってなんだ?というのがラストでクリアに(ほんとに頭の中がスカッとクリアに)なりました。そして、思い返していると、非常に数多くのフラグがドミノ倒しのようにスルスルと理解していく気持ちよさ。でも、とても切なくやるせない気持ち。感情がごちゃごちゃになりました。トワイライトな光が絶妙な表現でした。

なんですが、戦闘シーンはじめ、いろいろとエゲツないです。かなり迫力があります。字幕も一部カットされている(意図的に)とのことですが、日本語訳が不可能な表現なのかなんなのかは分かりませんが雰囲気は伝わってきます。まるで、戦場でのドキュメンタリーのようです。

観られる内に映画館で。 大人な人たちにお願いしたいのですが、ドルビーアトモスで観せて欲しいです。

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zem_movie_review

5.0「放っておけ。死ぬまで苦しませるんだ」

2023年3月26日
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鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

知的

荒廃したイラク第二の都市モスルでの、たった半日の戦いを描いた、実話を元にした一人の戦士の成長物語。

【ストーリー】
モスル警察の若き刑事カーワは、イラクを跋扈する武装組織の襲撃にあい、同僚の叔父を殺されてしまう。
崩れかけた建物におしこめられ、集中砲火の絶体絶命状況を救ったのは、ドクロのペイントをしたハンヴィーの男たち。
彼らは全滅したはずの、この町のSWAT(特殊火器戦術チーム)だった。
肉親を殺されたカーワを、彼らはチームにスカウトする。
だが共に行動するカーワに、彼らはなぜかその作戦内容を伝えようとしなかった。
町のあちこちではダーイッシュ(IS=イスラム国)の戦闘員たちが白昼堂々市民を虐殺している。
親を殺され次々と孤児がうまれ、その子たちも死んでゆく。
偶然ダーイッシュの拠点を見つけたものの、SWATたちも仲間をやられその数を減らしてゆく中、攻撃はおろかその蛮行を止めることすらできない。
果たして彼らはいかにして町を荒らすダーイッシュたちに対処するのか。
そして、警察上部の命令に逆らい町中で戦いつづけるその理由とは。

まず目につくのは戦闘シーンのシビアさと生々しさ。
敵味方に容赦のない攻撃が浴びせられ、撃たれたものたちはドラマチックなセリフも残せずただ無惨に死んでゆきます。
街から逃げるものたちを女子供容赦なく射殺する敵のスナイパーは、まだ少年のように幼く、それを突撃して射殺する主人公たちもまた彼らに一切の慈悲を見せません。
仲間と思っていた麻薬捜査官はカーワたちをうらぎり、捕虜として会うと恩を着せながら命乞いし、自分の家族が人質に取られていると泣きわめく。
手に入れたRPG(ロケット推進榴弾)は不発を起こし、射線を横切る仲間を誤射し、手榴弾は送電用の鉄塔に跳ね返って仲間を殺傷する。
アクション映画では当たり前に上手くゆく攻撃が、思いもよらないトラブルにより味方を傷つけてゆく。
それらは娯楽アクションではまず描かれない、銃火器を使った現場で実際におきている事故なのです。


この映画を見る方々に、一つだけ補足しておきたいのは、SWATという部隊のこと。
彼らは重武装して危険な任務をこなす戦闘の専門家ですが、軍隊ではありません。
警察です。
その存在意義は脅威の排除ではなく、あくまで市民を守ること。
本来なら犯罪者の命をも尊重する部隊なのですが、廃墟となった街で彼らの武装や物資、行動のための資金をその敵から奪っています。
これは、発覚すれば断罪必至の違法行為です。
作中でモスルに潜入していたイランの特殊部隊(こちらは軍隊)との物々交換で、相手が使っていたのは欧米の軍隊でNATO弾と呼ばれているもの。
対して欲しがっていたのは彼らの使うAK-47、通称カラシニコフと呼ばれている銃の弾。
後者の方が破壊するエネルギーが強いのですが、そこらの金属加工場でも作れるような大雑把な構造で、精密さには欠けます。
警察ながらそんな銃を使わなければならないSWATたちの苦境と、彼らが口にしたがらない作戦目標。
それが語られた時、この悲しくも勇ましき男たちの本当の存在意義がこちらの心に届くのです。

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かせさん

3.0地獄のような現実

2023年3月19日
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本当にこんな感じだったんだろうな。
でも武器が豊富にあるのが不思議でならない。闇がありそう。
画がリアルだった。
評価:3.1

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bigsuke

4.0子供達

2023年2月11日
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鑑賞方法:VOD

街を再建させるのは政治でもなければ、武力でもない。
子供達こそ街を再建させるのだ。
命令を無視してまで、果敢に挑むその目的は、間違いは無いと思う。

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上みちる

3.5戦う理由

2023年1月15日
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スリリングな銃撃戦の連続に緊迫するが、アメリカ・イランに対する現地の感情をしっかり拾いながらも、伏線がしっかりと効いたストーリーで、本質的な行動原理に着地する展開は鮮やかであった。主人公の目力の変化が印象的である。1日での経験としては圧縮されて超短期熟成に過ぎたかな。

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Kj

2.5任務の意味がよく分からなかった… でも隊長、隊員、そして主人公の無...

2023年1月11日
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任務の意味がよく分からなかった…
でも隊長、隊員、そして主人公の無表情に宿る決意がかっこよかった。

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あきら

3.0初めて「イラク側」からの映画を見た

2023年1月4日
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イラク戦争を描いた映画は多い。
「ハートロッカー」とか「アメリカン・スナイパー」が有名どころかな。
でもそれは「米軍視点」なんだよね。
でも、イラク戦争は米国人だけでなく、現地イラク人も戦っている。
本作はその視点で描かれている。

併せて、主人公を新人隊員にして、しかも任務すら明かされないことで、主人公に感情移入しやすくなっているのはGOOD。

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みっく

4.0戦闘シーンの迫力は秀逸

2022年9月15日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

イスラム国と最前線で戦うイラクSWAT部隊の苦闘を描く物語。

実際にある部隊を描いた作品のようですね。
戦闘シーンは映画的にも迫力があり、それでいてリアルを感じさせる、極めて私好みの素晴らしい出来栄えでした。

ただ、戦闘シーンを映すだけではなく、合間々々に描く命の無常さも良いですね。子供は流れ弾で亡くし、ただ茫然と主人公を見上げる女性。泣き叫ぶわけでも、怒りに震えるでもなく、ただ諦めの表情。この表情が、イラクの現実を映し出すようで悲しくなりました。

この部隊の目的について、序盤から謎かけがされています。ラストで明かされるのですが、これも実話なのでしょうか?フィクションであれば、少し突拍子がなく折角のリアリティを損ねてしまったように思います。

評価は4にしました。

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よし

3.0イラク第2の都市

2022年8月2日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

モスルで警察官をしていた主人公は、ISISの攻撃を受けるが、SWATに助けられる。
SWATはISISに肉親を殺された人たちの戦闘部隊で、叔父を殺された主人公は加わることに。
当時のイラクの状況が、苦しくなるほどよく分かる。

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いやよセブン

4.0何のために何をしてるのか最後までわからない緊張感。隊長も死ぬし。 ...

2022年5月9日
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鑑賞方法:DVD/BD

何のために何をしてるのか最後までわからない緊張感。隊長も死ぬし。
話がいまいち見えない。

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えみり

3.5見終わり、頭が少しクラクラした

2022年1月31日
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泣ける

悲しい

怖い

若い青年の顔、雰囲気の変わっていく様が、ゴッドファーザーのアルパチーノを思いだした

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昔から映画好き

4.5戦い、戦争のリアル

2021年12月30日
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鑑賞方法:映画館

平和な日本では分からない、戦争のリアルが分かる映画。
マトリックスもアベンジャーズも、紙芝居やお遊戯に見える。
地に足がついた戦いがそこにある。
イラクもアフガンも、同じ状態であることを認識する必要がある。
国際政治に関わる人は必ず見るべき。
モスル市民視線のセリフも噛み締めるべき。

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morihide

4.0地上戦のリアル、あまりにも軽い人々の命

2021年12月24日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

目的を知らされないまま、砂ぼこりにおおわれた町を行く。敵の銃弾が、爆弾が、ドローンが、いつ襲ってくるかわからない。突然部隊の一員とされた主人公と同じように、わけがわからないまま物語にひきこまれる。

悲しくむなしい地上戦がリアルに描かれる。緊張感が続く中で、兵士も市民も簡単に命を奪われる。人の命があまりにも軽く扱われて現実感を失う。

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惑星

4.0人の形を留める何か

2021年12月9日
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鑑賞方法:映画館

物語の都合の為の行動とか事故事件が苦手(あからさまに無理矢理な三角関係や不必要な死亡)なので、序盤から多少鼻に付いてはいたのですけども、良かった。結局の所、最終的に腑に落ちれば良ろし、なんでしょうね。ラストも好みは分かれそうだけれども、主人公(?)の表情と言葉の中に、この映画の伝えたかった真意が隠れてたのかなー、なんて思ってジンワリきました。
とにもかくにも、入り口からずっとピンチなので、結構疲れる映画でございました(笑)。

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