ザ・ハーダー・ゼイ・フォール 報復の荒野のレビュー・感想・評価
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【”金の2丁拳銃と、少年の額に付けられた十字傷”メインキャラクター全員黒人の画期的な西部劇。物語構成も良く、後半威力を発揮します。】
ー 冒頭のテロップ。この物語は創作だが、登場人物は実在である・・。 ー
・西部劇と言えば、白人が”ネイティブアメリカンを悪者にして、懲らしめて良かった良かった・・。”
が定番であるが、今作では、ホワイトアメリカを意識したのか、登場する白人は、
護送中のイドリス・エルバ演じるルーファス・バックをレジーナ・スミス扮するオッカナイ貫禄たっぷりのトルーディス・スミス達に列車内から連れ去られ、散々な目に合う人達や、
ジョナサン・メジャーズ演じる額に十字傷を付けられた男ナット・ラブの仲間に強盗に入られる白人専用の銀行の人々など、散々である。
・冒頭、幼いジョナサン・メジャーズは食事の前の祈りの際に、二人の男に押し入られ、金の2丁拳銃を持つ男に、無慈悲に目の間で両親を射殺され、自らも・・。
ー この冒頭のシーンが、ラストに効いてくる。上手い構成である。ー
・成人したジョナサン・スミスは銀行強盗をした連中から、仲間と共に金を強奪する稼業についている。
ー 今作では、序盤の描き方が、やや粗い。
が、護送中のルーファス・バックを仲間が奪還するシーンなどは、見応えがある。
何となく、タラちゃんが好きそうな映画だなあ・・、と思いながら鑑賞。ー
・ジョナサン・メジャーズと元恋人だが、仲間のメアリー(ザジー・ビーツ)が出会い、更に絶対的権力で町を支配するルーファス・バック達と、ジョナサン・メジャーズ達の一騎打ちになって行く。
ー 早撃ち自慢のジムのキャラや、レジーナ姉さんの眼光鋭き姿も良い。ー
・ザジー・ビーツ演じるメアリーが、単身ルーファス・バックの根城の酒場に乗り込んでいく辺りから面白さは加速する。
ー 捕まったメアリーの前で、切れ味の悪いナイフでリンゴを剝きながら、昔語りをするレジーナ姉さん扮するトルーディス・スミスとの女同士の対決も又、宜しい。
・そして、到頭、死体が累々と重なる中、ジョナサン・スミスとルーファス・バックが、対峙するラストシーン。
ー 成程、そう言う事でしたか・・。ー
<何だかんだ、書いたが、結論から言えば、とても面白かった作品。
NETFLIXの新作が劇場で上映されるのは、コロナ禍の影響もあり、久しぶりだが2時間強、大スクリーンに魅入られた作品である。
シリーズ化されるかなあ・・。>
ブラック・パワー・ムービーの西部劇
70年代に黒人の力を肯定的に捉え、キャストも黒人中心で撮影された映画をブラック・パワー・ムービーといいますが、この作品もまさにそうでした。
流れる音楽もそういったテイスト溢れていて黒いジャガーを彷彿とさせられました。
NETFLIX作品なので当然パンフレットが制作されておらず(だからネトフリ嫌い)魅力的な俳優陣を確認できないので減点ですが、西部劇ものにハズレなしということで非常に良かったです。ラストも驚きと共に全て納得いきました。ちょっと罪のない人が死ぬのが何回かあるのでそこは辛かったですかね。
死の天使
両親を目の前で射殺された少年が大人になって復讐する西部劇。
ある日の食事時、お祈りをしていると突然家に押し入って来た2人の輩に両親を殺され、自身も額に傷をつけられてと始まって行くストーリー。
時は流れて、蠍野郎はあっという間だったけれど、そこから強盗退治?あれ主人公じゃあない?
メアリーや保安官等からここに至るまでの主人公の因縁と、ルーファス・バックの脱獄劇等からお話はどんどん回り道。
スタイリッシュでありつつスカした様な黒人西部劇でという変わった演出は悪くないし、話も面白かったけれど、ちょっとくどいし、ところどころまどろっこしい流れも。
それも含めて新感覚ということですかね。
ナット・ラヴ…なるほどね。
お残しもあったけれど最後はしっかり西部劇らしかった。
ザジー・ビーツ良かったっす!!
UPLINK吉祥寺にて観賞
ゴールドの2丁拳銃、虐殺、額の聖痕、おどろおどろしい劇伴……と冒頭から副題とおりにマカロニウエスタンをやりたい感がバリバリ。
そして、とてもクールなキャスト紹介のオープニングでこれはアガる!のだが、聖痕を付けられた少年の成長した姿がジョナサン・メイジャーズ……可愛らしい顔立ち過ぎてちょっと復讐鬼という感は無い。
そこが良いとも言えるかもだが、敵役で出演しているレイキース・スタンフィールド(オダギリジョーを連想させる)のクールな主人公で観たかったかも。
仇敵扮するイドリス・エルバ。残念ながら『ワイルド・スピード』に続いてのガッカリ悪役芝居だ。いつからこんな存在感だけ重たい熊ちゃんみたいな芝居ばかりするようになったのか。
この主演2人によるクライマックスの復讐対決が大愁嘆場で大いにガッカリした。その前の大銃撃戦&格闘戦の興奮が醒めてしまった。
冴えない男2人と比して、女達は逞しい。“駅馬車メアリー”も敵役トゥルーデイも、それぞれ酒場を経営しており、男たちと違って経営基盤を持っており大人だ。演じるザジー・ビーツ、レジーナ・キング共にクール。レジーナ・キングには冴えないボスをカバーする存在感があった。もう一人の女性の活躍も今風で痛快だ。
あと、女2人が決闘する染め物作業場で敢えてのカラフルさといい、建物から地面まで全て白い白人の街といい、冗談のようにカラーコーディネイトされた美術セットは特筆すべき。これは面白い。
エンド・クレジットで流れるタイトル曲もカッコいい。
観賞後に復習してみると、ナット・ラヴ・ギャングもルーファス・バック・ギャングも、デルロイ・リンド扮する保安官まで実在していたとのことで驚く(史実とはずいぶん違うようだが)。『ヤング・ガン』がやりたかったのか。
エンド・クレジットにて、先頃亡くなったマイケル・ケネス・ウィリアムズへの追悼があったが、彼は本作の元となった短編“They Die by Dawn”(監督は本作と同じ)でナット・ラヴを演じていた。“駅馬車メアリー”が主人公でエリカ・バドゥが演じていた。
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