ザ・ハーダー・ゼイ・フォール 報復の荒野のレビュー・感想・評価
全23件中、21~23件目を表示
ブラック・パワー・ムービーの西部劇
70年代に黒人の力を肯定的に捉え、キャストも黒人中心で撮影された映画をブラック・パワー・ムービーといいますが、この作品もまさにそうでした。
流れる音楽もそういったテイスト溢れていて黒いジャガーを彷彿とさせられました。
NETFLIX作品なので当然パンフレットが制作されておらず(だからネトフリ嫌い)魅力的な俳優陣を確認できないので減点ですが、西部劇ものにハズレなしということで非常に良かったです。ラストも驚きと共に全て納得いきました。ちょっと罪のない人が死ぬのが何回かあるのでそこは辛かったですかね。
死の天使
両親を目の前で射殺された少年が大人になって復讐する西部劇。
ある日の食事時、お祈りをしていると突然家に押し入って来た2人の輩に両親を殺され、自身も額に傷をつけられてと始まって行くストーリー。
時は流れて、蠍野郎はあっという間だったけれど、そこから強盗退治?あれ主人公じゃあない?
メアリーや保安官等からここに至るまでの主人公の因縁と、ルーファス・バックの脱獄劇等からお話はどんどん回り道。
スタイリッシュでありつつスカした様な黒人西部劇でという変わった演出は悪くないし、話も面白かったけれど、ちょっとくどいし、ところどころまどろっこしい流れも。
それも含めて新感覚ということですかね。
ナット・ラヴ…なるほどね。
お残しもあったけれど最後はしっかり西部劇らしかった。
ザジー・ビーツ良かったっす!!
UPLINK吉祥寺にて観賞
ゴールドの2丁拳銃、虐殺、額の聖痕、おどろおどろしい劇伴……と冒頭から副題とおりにマカロニウエスタンをやりたい感がバリバリ。
そして、とてもクールなキャスト紹介のオープニングでこれはアガる!のだが、聖痕を付けられた少年の成長した姿がジョナサン・メイジャーズ……可愛らしい顔立ち過ぎてちょっと復讐鬼という感は無い。
そこが良いとも言えるかもだが、敵役で出演しているレイキース・スタンフィールド(オダギリジョーを連想させる)のクールな主人公で観たかったかも。
仇敵扮するイドリス・エルバ。残念ながら『ワイルド・スピード』に続いてのガッカリ悪役芝居だ。いつからこんな存在感だけ重たい熊ちゃんみたいな芝居ばかりするようになったのか。
この主演2人によるクライマックスの復讐対決が大愁嘆場で大いにガッカリした。その前の大銃撃戦&格闘戦の興奮が醒めてしまった。
冴えない男2人と比して、女達は逞しい。“駅馬車メアリー”も敵役トゥルーデイも、それぞれ酒場を経営しており、男たちと違って経営基盤を持っており大人だ。演じるザジー・ビーツ、レジーナ・キング共にクール。レジーナ・キングには冴えないボスをカバーする存在感があった。もう一人の女性の活躍も今風で痛快だ。
あと、女2人が決闘する染め物作業場で敢えてのカラフルさといい、建物から地面まで全て白い白人の街といい、冗談のようにカラーコーディネイトされた美術セットは特筆すべき。これは面白い。
エンド・クレジットで流れるタイトル曲もカッコいい。
観賞後に復習してみると、ナット・ラヴ・ギャングもルーファス・バック・ギャングも、デルロイ・リンド扮する保安官まで実在していたとのことで驚く(史実とはずいぶん違うようだが)。『ヤング・ガン』がやりたかったのか。
エンド・クレジットにて、先頃亡くなったマイケル・ケネス・ウィリアムズへの追悼があったが、彼は本作の元となった短編“They Die by Dawn”(監督は本作と同じ)でナット・ラヴを演じていた。“駅馬車メアリー”が主人公でエリカ・バドゥが演じていた。
全23件中、21~23件目を表示