「UPLINK吉祥寺にて観賞」ザ・ハーダー・ゼイ・フォール 報復の荒野 shallowwhiteさんの映画レビュー(感想・評価)
UPLINK吉祥寺にて観賞
ゴールドの2丁拳銃、虐殺、額の聖痕、おどろおどろしい劇伴……と冒頭から副題とおりにマカロニウエスタンをやりたい感がバリバリ。
そして、とてもクールなキャスト紹介のオープニングでこれはアガる!のだが、聖痕を付けられた少年の成長した姿がジョナサン・メイジャーズ……可愛らしい顔立ち過ぎてちょっと復讐鬼という感は無い。
そこが良いとも言えるかもだが、敵役で出演しているレイキース・スタンフィールド(オダギリジョーを連想させる)のクールな主人公で観たかったかも。
仇敵扮するイドリス・エルバ。残念ながら『ワイルド・スピード』に続いてのガッカリ悪役芝居だ。いつからこんな存在感だけ重たい熊ちゃんみたいな芝居ばかりするようになったのか。
この主演2人によるクライマックスの復讐対決が大愁嘆場で大いにガッカリした。その前の大銃撃戦&格闘戦の興奮が醒めてしまった。
冴えない男2人と比して、女達は逞しい。“駅馬車メアリー”も敵役トゥルーデイも、それぞれ酒場を経営しており、男たちと違って経営基盤を持っており大人だ。演じるザジー・ビーツ、レジーナ・キング共にクール。レジーナ・キングには冴えないボスをカバーする存在感があった。もう一人の女性の活躍も今風で痛快だ。
あと、女2人が決闘する染め物作業場で敢えてのカラフルさといい、建物から地面まで全て白い白人の街といい、冗談のようにカラーコーディネイトされた美術セットは特筆すべき。これは面白い。
エンド・クレジットで流れるタイトル曲もカッコいい。
観賞後に復習してみると、ナット・ラヴ・ギャングもルーファス・バック・ギャングも、デルロイ・リンド扮する保安官まで実在していたとのことで驚く(史実とはずいぶん違うようだが)。『ヤング・ガン』がやりたかったのか。
エンド・クレジットにて、先頃亡くなったマイケル・ケネス・ウィリアムズへの追悼があったが、彼は本作の元となった短編“They Die by Dawn”(監督は本作と同じ)でナット・ラヴを演じていた。“駅馬車メアリー”が主人公でエリカ・バドゥが演じていた。