「誰も姓を名乗ってはならぬ」ハウス・オブ・グッチ talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
誰も姓を名乗ってはならぬ
レディー・ガガは、衣装、アクセサリー、ヘアメイクにどれだけの手間と時間がかかったんだ!と思うほどに悪趣味すれすれゴージャス。革ジャンにデニムで二人の男と話す場面では煙草をもつ右手が小刻みに震えていた。ガガ迫真の演技でした。そして想像を超えて良かったのがアダム・ドライバーでした。今まで見た中で一番良かった。暑苦しい家族関係にうんざりしつつも皆に優しく終始おっとりと静かにゆっくり話す知的なマウリツィオ(そんな彼にパトリツィアは本当に恋をしたし、妻の実家で働いてた彼は幸せそのものだった)。彼が唯一苛立って高い声を放っていたのはグッチ新生のためのデザイナー探しの時(そういう仕事に向いてないから)。そしてテキサス出身(知らなかった)のトム・フォード!ハイブランドに関心なくても若き天才誕生の場に居合わせることができるランウェイはさぞかしアドレナリン爆発状態だろうと想像できた。
音楽が効果的に使われていてとっても良かった。独伊のオペラ、イタリアの歌謡曲、そして全く音楽を使っていないシーンも生きていた。グッチ・ファミリーの邸宅、別荘、家具、絵画、車、衣装、もうセンスがセンス過ぎる人も含めて素敵で笑えた。パチーノ、憎めなかった。彼自らエプロンして皿洗いして息子のキッチンを綺麗にするのはいきなりドメスティックで良かった。
どんな分野でも仕事でも、血縁は関係ない世代交代、過去に縛られない勇気、新しい感覚にチャレンジと謙虚さが求められていることがよく分かりました。心臓バクバクしながら見た映画でした。とても良かった。
おまけ
イタリアの色彩感覚で「パステルカラー&茶色」(パオロのセンス)は有り得ないだろうと学習。でもパウロは憎めない存在でした。
ですよねー。
あの2人はあのまま運送業の方が幸せでしたよね。
何を幸せというかによりますが、あんなラストを迎えず、2人で笑顔でいられたんじゃないかと。
お金や社会的地位で人間が変わるって悲しいですね。
でも野心家のパトリツィアは小さな運送業で満足する女性ではなかったようにも思えます。
相手がマウリツィオじゃない方が良かったのかもです。
コメントと共感ありがとうございました。
当時のイタリア人ってそんな感じだったんですね。
そう思えば会社で事務仕事をしていたパトリツィアが家庭に収まらず野心家の女性なのも納得です。
フェラガモが最初は一流ブランドじゃなかったのも知りませんでした。
教えて下さりありがとうございます。
さらに今作が楽しく思えました。
talismanさん
コメントを頂き有難うございます。
かなり衝撃的な事件でしょうし、一体誰が、となりますよね。ましてや、妻に嫌疑がかかるとなると、尚更ですよね。
当時の日本ではどうだったのでしょう。
( 私はずっと日本在住ですが 😓 )
コメントありがとうございます♪
アダム、ドライバーさん、背も高くて惹かれました。「ヤングアダルト、ニューヨーク」では気にも留めなかったのに。
そうそう!talismanさん!
イアン、マキューアンの「アムステルダム」を図書館で借りましたが、、、年末年始のバタバタで読めずで、、、いつか再挑戦します!
そうそう!アル・パチーノのエプロン皿洗いがねー😆‼️
優秀な甥っ子と比べてどんくさい息子パオロへの慈しみ、感じましたよ。次男気質のコンプレックスへの同情にホロリでした。
ま、アホ一族なので早晩崩壊していたと思います。
そのヴィスコンティねた笑えますね。LVは多分、ブランドとしては、トランク製造が元々だったような気がします。間違ってたら、ごめんなさいですけど、マジでそんな気がします。LVMHは、ルイヴィトンモエヘネシーです。
コメント、イイねありがとうございます😊😭。アダム・ドライバー、あらゆる意味で「育ちの良いボンボン」でした。中途半端な億万長者より、彼のような立場の人の方が、セコく無くて、性格も良いのだろうと思いました。着こなしカッコ良かったですねぇ。長文すみませんです。