雨を告げる漂流団地のレビュー・感想・評価
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ポスターからのイメージとは違い大人に刺さる映画!
友達に誘われて、前情報もなく鑑賞しました。
自分が子供のころ、こんな思いしてたなぁ〜とか、今よりももっと身近に大人を感じてたなぁ〜とか、大人や地域のあたたかい雰囲気を感じながら自分は無敵なんだと安心して夢を膨らませていた頃を嫌味なく思い出させてくれる映画でした。
そして、冒頭から見入ってしまいましたが、絵が綺麗。
正直、冒険の濃さは、お腹いっぱいになるぐらいでしたが、この手の冒険ものは嫌いじゃないし、観終わって、自然に心が洗われた気がして、鑑賞出来て良かったです。
ここまで、泣く予定ではなかった…。
試写会(完成披露?)で鑑賞。
前作『ペンギン・ハイウェイ』が好きだったので、見た。
予告も普通に良かったので、そこそこの期待はしていたものの、
前作のカルト映画的なイメージが先行していたため、
今回もほどほどな感動をして劇場を出るものと予想していた…
が、その予想は良い意味で裏切られた。
過去作のペンギンやアオシグレ、子供たちを生き生き描く能力は天下一品。
一報で脚本には、矛盾点などが多い…(ここは前作から変わらずだが)
しかし、今回は作品の、キャラの持つ狂気というのか、執着心というのかが
まぁ、すごい。
なんでもないシーンでも、なぜか子供たちの悲痛な思いが伝わる。
ラストで主人公がヒロインに自分の思いを突然叫ぶシーンがあるのだが、
ここも前後の会話からは支離滅裂なのに、なぜか心を打ちぬかれる。
既視感としては、言の葉の庭のラストの二人の叫びに似た、
キャラクターの(≒監督)の絶対譲れない心を感じさせられた。
作品としては、子供たちの冒険ファンタジーという明るい作風ではあるが
その根底にあるのは、暴力的なまでの熱いクリエイター魂のつまった葛藤である。
作画も声優さんも不安要素一切なし。脚本が唯一の懸念点。
石田監督は子供の目線で描くのが本当にうまい。
だからこそ、小学生には過酷すぎる冒険に疑問も感じてしまう。
でも小学六年生って、その頃の自分達って、このくらいできるって、多分本気で思ってたよね!!!
漂流しても同じことができるって、脳内で何回もシュミレーションして、少し離れた公園に行ってサバイバルごっこしてみたりしてさ!!
小学六年生って、学校内では一番お兄さんお姉さんで、「ちゃんとしなきゃ」って自覚が芽生えてくる時期だと思う。
下手したら、中高校生よりも「ちゃんとしよう」って自覚が強い年頃。
大人から見たら「いや、無理だろ」ってシーンが多いけど、子供から見たら無理だなんて思わない。
だって憧れの六年生は、きっとこのくらいの冒険、へっちゃらなのだ。
石田監督は子供目線で描くのが本当にうまい。
だからこそ、大人も楽しめるアニメ映画とは、中々言い切れない。
でも子供と、子供の頃を思い出せる人にはきっと楽しい冒険が待ってます。
ただ、ピンチが多すぎてお腹いっぱいになるけど。
作画と演出はとっても素晴らしい!
声優さんも、下手に俳優さんとか子役とか使わずに、
本職の方々を起用しているので、小学生より小学生らしい演技が堪能できます。
主題歌もエンドロールに流れる余韻がたまりません。
だからこそ脚本の荒が目立つのが懸念点でした。
後半の単調さと釣り合わない小学生のサバイバル映画
完成披露試写会で一足先に鑑賞。公開前に低いレビュー書くのも恐縮だが、自分にはハマらず。小学生にこれするか…というある種の暴力性を受け入れられなかった。
いわゆる冒険活劇と呼ばれるジャンルを団地で持ってくる、なかなか面白い設定。テーマや描かれることに対しての説得力は確かに物凄くある。童心で無垢、クラスが世界の全て。だからこそ逃げられない環境があり、そこに立ち向かう姿が強く大きく見えていく。漂流している理由やそこに行くまでの現実、何度も考えて導き出す、トライアンドエラーの姿は夏の冒険心を持っているし、なんだか力強い。
しかし、小学生だから出来ること、出来ないことの危うさが同時に孕むことを忘れてはならない。家庭環境や友達の関係、それを口喧嘩やぶっきらぼうで片付けるには早計に思えてしまった。そこまでの生命力を携えていると感じられず、いかにも都合主義が勝っているように写ってしまった。単純に好みの問題なので、悪しからず。
声優だけで固められたキャストは安定感しか無く、小学生らしい和気あいあいとした声がサラウンドで聴こえることに魅力を感じた。実際、舞台挨拶で柔らかい人となりが見えて楽しかった。
割と若年性に釣り合わない作風を観ると冷めがちな自分にはハマらなかった感じ。とはいえ、Netflixで観るより迫力のある劇場で観る方が楽しめること間違いなし。ぜひ、映画館で。
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