「時間が、解決することになる。」ダ・ヴィンチは誰に微笑む ノリック007さんの映画レビュー(感想・評価)
時間が、解決することになる。
ドラマ性はなく、ドキュメンタリー映画です。
原題は、「The Savior for Sale(販売者のための救世主)」という意味で、
2017年11月15日、クリスティーズのオークションで、絵画「サルバトール・ムンディ」を
史上最高額の510億円で購入した人という意味です。
日本では注目されませんでしたが、西洋では注目されました。
邦題は、「ダ・ヴィンチは誰に微笑む」で、意味不明なタイトルです。
原題の方が、映画の内容を表しています。
レオナルド・ダ・ヴィンチが1500年ごろに描いた「サルバトール・ムンディ」は歴史的
には存在します。
贋作は後から作成することはできますが、本物はきちんと保管されていない限り、
いずれは朽果てます。
この映画に登場する絵画「サルバトール・ムンディ」はきちんと保管されるので、
後世にまで残り、真作と評価をいずれ受けることになるでしょう。
個人的には、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた絵画には見えませんでした。
いかにもという、手の形や水晶玉が、信憑性を損なっています。
絵画の売買に興味がない人には、全くお勧めできません。
レオナルド・ダ・ヴィンチは画家として有名ですが、残されている絵画は、20点ほどで
少ないです。
レオナルド・ダ・ヴィンチが描いたキリストは、絵画「最後の晩餐」が有名です。
13万円で購入した絵画を、修復し、レオナルド・ダ・ヴィンチの描いた絵画として、
510億円で売れるまでの物語です。
サブタイトルが付けられて、物語が展開されるので、分かりやすいです。
大金が動く絵画取引は、目的などを含めて、理解できません。
クリスティーズが行った宣伝の手法は、上手いと感心させられました。
MBSは、ムハマンド・ビン・サルマーンの略で、王族サウード家の一員で、サウジアラビアの
政治家で、王太子兼第一副首相兼国防大臣兼経済開発評議会議長ですが、サウジアラビアを
支えてきた石油資源に依存しない経済・社会を目指した改革を進めています。
2021年4月14日、米紙ウォールストリート・ジャーナルなどは、絵画「サルバトール・ムンディ」が
紅海近くの新都市ネオムのヨットハーバーに停泊していたムハマンド・ビン・サルマーンのヨットの
中にかかっていたと報道しました。
レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「サルバトール・ムンディ」であるかどうかは
分かりませんが、多くの人を魅了したのは確かです。
映画を鑑賞しても理解できない人には、パンフレットが良くできているので、購入をお勧めします。