劇場公開日 2021年11月26日

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「真作じゃなくても贋作じゃない。」ダ・ヴィンチは誰に微笑む kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5真作じゃなくても贋作じゃない。

2021年12月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 もはや「誰(専門家)が、どのような文脈で公式コメントを発するか」で結論がひっくり返り、前言撤回する世界だった。結局真作か否かは藪の中。少なくとも、ダ・ヴィンチ本人の手によらないにしても、工房の弟子による時代のものでも十分な価値だと思うのだけど、やっぱり「ブランド」って大事なのね。だからマーケティング会社があんな風に仕立てて、もう一人の「レオナルド」は2秒くらい出演しちゃって、本人どう思っているんだろう。
 絵画的な価値云々の評価は実に表面的。「男モナリザ」の条件さえ言えればっていう大雑把?さ。一方で、利害関係者たちの思惑で価格は高騰。アートって、なんなんだろう。これは古今東西普遍的なテーマかな。偶像崇拝がタブーなはずのアラブの王子が大枚叩いてキリストの肖像画を、国家の威信をかけた美術館のために購入?って、なんだかな〜、とも。
 ともあれ、世界を股にかけたこの「騒動」で今日、「日本国」のプレゼンスのなさを改めて知らされました。
 ちょっとあざといけど小気味好い、パーカッションだけのBGM、好きでした。

Kumiko21