劇場公開日 2023年2月4日

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茶飲友達のレビュー・感想・評価

全42件中、21~40件目を表示

4.0寂しい心をどう埋めるかという普遍的課題

2023年3月22日
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この映画で描かれているのは高齢者の性だけではない。登場する若い人たちの抱える様々な心の虚しさをどう埋めるか、それらを新しいコロニーのようなグループに集約した、よくできた脚本である。国家や制度は最低限の保証はしても、それだけで人の心は満たせない。いわば民間の力で埋めるしかないが、それもどこまでできるか、どこまでやってよいかが問われる。主人公のしたことは法的には咎められるべきだが、ただそれだけでよいのかと考えさせられる。何をやっても心の虚しさを埋めることはできない、そういうものは一時のものに過ぎないと賢しらに言う人にはなりたくないものである。

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Boncompagno da Tacaoca

4.0高齢者の性

2023年3月22日
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鑑賞方法:映画館

感想が難しいですね。。誰の目線に共感するかで感想は変わってくるとは思うけど、とにかく面白かったです。
「風俗」の善悪はまず置いといて、老人でも性欲があるのは理解出来るし、同年代の女性にも需要があるのもわかる。
そして働いている側からすれば、お金が発生しているわけだから仕事な訳だし、遣り甲斐を感じそこを心地の良い居場所と思えるのは素敵な事だとも思います。
が。物語はそう単純には終わりません。とにかく揺さぶられました。
これ以上はネタバレになるのでぜひ劇場で!サブスク解禁されたらまた観たい!

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Hideking

4.0「ルールはルール」

2023年3月22日
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鑑賞方法:映画館

日本の課題をてんこ盛りに。
特に、まるで高齢者には性欲がないかのように扱われている問題や、人間は誰だってなんらか必要とされたいんだということ、誰も一人では死にたくないんだということなど、普段目を瞑ってきたことを白日の下にさらす…
そういう意味でとても真摯に向き合ってる映画だと思う。
「ルールはルール」という言葉の空虚さはそのまま日本という社会の空虚さに通じると思う。
問題提起として、とてもまっとう…

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ぱんちょ

2.5私には、ただ孤独を深掘りしただけの映画 そこに希望は見出だせない。

2023年3月21日
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鑑賞方法:映画館

どんなに歪みあっても、罵り合っても、離れ難いのが家族。

友達なんて所詮、自分たちの利害関係で繋がってるにすぎない。

家族が核家族化して更にお一人様が急増している現在、この先希望なんて有るのかしら?

岸田さん、あんな安っぽい育児支援で新生児が増えたら世話ないわ、まともな認可保育園だって足りてないんでしょ❓

給料だって増えないんから、家族のつくりようもないって。

この映画、全く希望が見えない、少なくとも私には。

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ちゆう

4.5やや不自然な点もあるものの、好印象。

2023年3月18日
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今年88本目(合計740本目/今月(2023年3月度)23本目)。

もともと1つの映画館だけで「細々と」やっていた作品が口コミなどでひろがって、今では大阪市でも見られるようになりました(それでもミニシアター中心)。

実際の事件をもとに作られた、いわゆる「高齢者売春」を扱う映画です。ただ、それは一見すると本筋であるように見えますが(公式サイト等)、実はサブになるのは「産む・産まないの選択権」「ギャンブル等依存症」、もっといえば「高齢者の孤独問題」(孤独でなく満足に生活していれば、今回のようなことにはならないことは明白)に論点があることはすぐにわかります。

 一応、PG12扱いなので「発言の一部において」やや不穏当かなと思う点もあるものの、描写「それ自体」に関しては配慮があります。

 この映画をどう解するかは難しく「売春行為は何が何でもダメだよ」という見方はおそらく表面上のものではなく「高齢者福祉がどうあるべきもなのか」、もっといえば「困っている人に対して(年齢を問わない)、福祉行政はどう接するべきなのか」という「福祉行政の在り方」が問題提起されているように思えます。これ自体は「福祉「行政」」といっても行政書士の資格持ちがどうこうできる範囲を超えてしまいますが、そのような「行政側の不作為」(ある事象について、何もしないことを「不作為」といいます。要は「棚上げ・先延ばし」と一緒)が論点・問題提起にあるのだろう、ということになります。

 採点に関しては下記が気になったので、4.7を4.5まで切り下げています。

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 (減点0.3/ストーリーが不自然な点がある)

 ・ この映画を実際に見ていただくとわかるのですが、この「茶飲友達」の組織に、妙なまでに法律に詳しい人がいます(少なくとも行政書士以上の資格持ちでないといえないようなセリフを出してくる人がいます)。この映画は先に述べた通り、「参考にしたもとの事案」がある事件ですが、そちらのニュースではそのようなことは書かれていないのですよね(当時の報道による)。

 ただ、そうした資格持ちがこうした「明らかな法律違反」に加担していれば、登録していればもちろん業務停止処分等、登録していなくても「いい加減にしろ」と言われるのは明白で、なぜに「妙に法律に詳しい人」が出てきたのかは謎です(登録者=開業者はもちろん、合格者でもこんな「明白に法律違反」と言えるものに加担することはないので)。
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yukispica

4.0高齢者風俗ではなく家族を問いかける

2023年3月12日
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鑑賞方法:映画館

ちょっと前に女性の友人(40歳代)がマッチングアプリをやっていたときがある。いいねのくるのが60代や70代ばかりで40歳代女性の婚活の厳しさを実感していると話していた。20年前の70歳代に比べると今の70歳代は元気なんだろうと思う。活動的だし、見た目も若々しい人が多い気がする。もちろん性欲もまだまだって人も多いんだろう。
本作は、高齢者向け風俗を描いているんだけど、違うものが見えてくる映画だった。高齢者の孤独、シングルマザーの苦悩、若い世代の運営サイドのチームワーク。高齢者の性というよりは、家族って何?というテーマを問いかけてくる。
寂しさを埋めるかのようにティーフレンドにハマる高齢男性たちの姿は、とても孤独で切なくなる。でも、同時に彼らがとても元気だってことに感嘆してしまう。「性欲は生きる力」ってセリフがすんなり入ってくる。
高齢者向けの風俗という視点が面白いと思っていたら現実に摘発された風俗だってことに驚いてしまう。やたらとリアリティがあるのもわかる。映画で出てきた売春行為は犯罪だ。でも、それで救われる人がいたことも確かだと思う。善悪、正しいかどうかだけでははかれないものが世の中にあるってことも考えさせられる。なかなか奥の深い映画だ。
主演の岡本玲がとてもいい演技だったことも付け加えておく。もっと他の映画も観てみたい。

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kenshuchu

5.0文句なしの良作

2023年3月10日
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鑑賞方法:映画館

邦画の力を見せつけるねぇ。

胸に刺さる鋭い日本語は痛く悲しく美しい。

気になりながらやっと観られた。

清々しい観覧後感に感謝。

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すったもんだだよ

4.0高齢者の売春クラブの話だと思っていたら それはある意味、単なるツー...

2023年3月9日
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高齢者の売春クラブの話だと思っていたら

それはある意味、単なるツールだった

簡単には言い表せないと思うほど

感じるものがあった

想像していたテーマとは少し違っていたが、

見て良かった

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jung

4.0ルールって一体なんのために?

2023年3月7日
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配偶者に先立たれたり、老人ホームに入れられたまま、子供は来てくれなかったりで、孤独なお年寄りが溢れる今の日本。茶飲み友達とは違うが、Facebookやmixiが根強く残っているのもどこかで寂しさを抱えている人々が多い証拠か。ラストで、主人公が「ルール、ルールって、ルールのお陰でひどい目にあってんじゃねーか、そんなルールってなんなんだよ」と叫ぶシーンがある。10年後我々はどうなっているのだろう。他人事ではない。

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M.Ooi

5.0凄い! 豊かな国のあり方のテーゼ?=高齢化の問題に一矢!

2023年3月4日
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知的

幸せ

高齢化社会の中で、
高齢者にとってのSEXとは?
SEXの実情、そして必要性?
監督の主張は?

と、思いながら映画が進むと

どこに、矛盾があるのか・・
倫理だけの問題だとすれば・・
映画を見た、みんなは
もう少し、本気で議論すべきことだよと
監督の提案だ!ときづき思います。

伏線で、スタッフが
シングルマザーになることを
決意する場面があります。
でも、そのためには風俗で働くと・・
国の補助(金銭補助)のくだりがあり
マナ(岡本玲さん)は、言います
「みんなで育てればいいじゃん」

この「みんな」とは、国民で!
と、いうことの比喩ですよね!

この映画のキーワードは
「みんなで、支える」

日本の国が
みんなで支え合って(人種、生い立ち、収入等など、すべて解き放つて)
生きていけるなら
(そこに国の予算を使えば)
少しは、まともな国になりそうです!

そこには、これまでの倫理や常識的は
不要ですね。

あと、万引き「半額のおにぎり」が
気になりました。

賞味期限切れ
年老いた女性 の比喩?かなと

でも、終盤でスタッフの1人が、
その、半額のおにぎりを、食べるシーンが
ワンカットはいってます。
「パリッと」と、
新鮮な海苔の音が耳に残ります。
(半額でも、まだまだ新鮮ですよ?)

終盤で、また半額のおにぎりが
出てきます。
松子さんの買い物袋の中に。

松子さんは、半額になったおにぎりに
哀れ、同情、してたのでしょうか?

人生、どんな時も
「パリッと」は、
残し、失わずに、持っていたいですね!

良い映画を見れました。

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SkyLock

4.0今必要とされてる仕事かもね。

2023年3月2日
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鑑賞方法:映画館

昔摘発された記事、ニュースは見た覚えがある。2013年頃実際にあった事件で、なかなか気の利いた奴らだなと思った、、、。

それでこの映画興味があったのです。

まあ映画だから色々脚色されてるわけだが、行き場や金のない老人が増えてる今、話にいちいち説得力がある。
演出も控えめでリアリティがあり、役者達も実にいそうな感じのキャスティング。ワークショップを経て出演してる老人達もいい感じ。
主催者の女性が擬似ファミリーを上手く作り上げた所が本件の面白さと悲劇の部分である。煎茶コースと玉露コース、よくできてるなぁ。
予定通り摘発がクライマックスな訳だが、ファミリー崩壊の様子が見どころだと思う。ピンチの時に人は内面が露呈するよね。

「人の寂しさで自分の寂しさを穴埋めするんじゃない」
ちょっと違ったかも知れないけどこの言葉は刺さった。
でも間違いなく今必要とされてる仕事である事はたしかで、おそらく違った形、名前でいまでも存在してるかも知れない。
反社組織の資金源とかにならなきゃいいなぁ。

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masayasama

3.5薬を使いたくない意地

2023年2月28日
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孤独な高齢者男性を顧客にした、シルバー世代の女性を集めた売春組織の物語。なんとも寓話とかにならず、再現ドラマのようなリアリティを持つストーリー。今年「観ておかねばならなかった」と思わせる一本かもしれない。

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t2law

4.0高齢者を対象にした売春グループの心暖まる作品。 本年度ベスト!

2023年2月25日
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予告編が面白そうだったので鑑賞したけど予想外の良作に出会えた感じで満足度は高め!
売春行為で高齢者達に生きる希望を与えている感じで犯罪とは思えない表現方法が素晴らしかった。

風俗で働いていた佐々木マナが高齢者を対象にした売春組織「ティー・フレンド」を運営して行くストーリー。
運営側は皆、若い人だけど其々に事情がある人間ドラマが濃いめ。
それらのドラマ全てが見応えあり。
売春する高齢の女性達にも色んな事情があり作品に引き込まれる。

運営する佐々木マナが素晴らしい人格者って感じ。
周囲の人達を明るく元気にさせる感じが素晴らしい。
マナにも家庭であることがあり葛藤している姿に泣ける。

売春のシーンはかなり多め(笑)
エロさは一切感じなくホッコリする感じで微笑ましい(笑)

ラストは予想出来る感じなんだけど、岡本玲さんが演じるマナの迫真の演技に圧倒された。

本作は家族(ファミリー)がテーマでした( ´∀`)

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イゲ

3.0いくら年取っても初心者は若葉🔰

2023年2月21日
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悲しい

怖い

茶飲友達という言葉を初めてきいたのは中学2年の時だった。
隣のお兄ちゃんが嫁さんをもらった。
その嫁さんはちあきなおみ似のけっこう気さくな人で、
親がいなくなった隙に
ゆくゆくは茶飲友達になりましょうねと言って来たのだ。
妙に胸がざわざわしたので、覚えている。
そのひとも、若くしてパーキンソン病になって介護施設のデイユースに長くお世話になっていたが、70歳ちょうどで亡くなった。

さて、この映画。
餅屋は餅屋。
置屋は置屋だわ。
若者にこき使われる老人という設定がシャクにさわる。
煎茶コースに玉露コースもバカにしてる。
老人ホーム内の恋愛事情はかなり激しいものがあるらしい。無論、それなりのヒエラルキーは存在するわけだが。
全体に悪どさが前面に出ているので笑えない。せっかく渡辺哲を起用しているのにね。
さすがに超熟お姉さんたちは女優さんだけあって、枯れているようで枯れてない。綾小路きみまろに言わせると、女は83歳になるとアレを挟めなくなるとのことである。
万引きで一番哀れなのは、老人の万引きである。しかも半額シール付きおにぎり。ちょっとなんでも悪意的な演出だ。それにつけこんでスカウトする主人公も狡猾で悪すぎる。そんなんで、ファミリーだのきれい事言われてもねぇ。
主人公と母親の問題は「わたしのお母さん」のほうが深みがある。欲張り過ぎた。パン屋や職員の妊娠話もテーマからは外れているかな。岡本玲さんは好感度下げ下げ。
NPO法人が運営する老人ケアハウスが入居者を使ってデリへル闇営業する艶笑ドラマがむしろ観たかった。渡辺哲を主役にしたほうが泣けた。

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カールⅢ世

4.0「PLAN75」とは別の切り口

2023年2月21日
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元気な高齢者の生き甲斐を描いた作品 。
高齢者の「生」をテーマにしたのがPLAN75なら、茶飲友達は高齢者の「性」をテーマにしていました。
PLAN75は「クローズアップ現代」で取り上げられることはあっても、茶飲友達は取り上げられないでしょう。
元気な高齢者が珍しくなくなったということはアッチの元気な高齢者がいても不思議ではない。
しかし高齢者が求めるものは「性」だけではない。というより、求めたいものの中のひとつが「性」なのでしょう。本当に求めているものは「人とのふれあい」なのでしょう。たとえ1時間だけの擬似的なことでも、心と身体のふれあいを求め、温もりを感じたい。「一人では死ぬのが寂しい」というのも少し分かる気もする。
「性」を題材にして実は「生」を考えさせる映画でした。

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クラピカ

3.5老人の甘え

2023年2月18日
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なんとなく「老人の寂しさ」を癒やすために売買春もしかたない、慈善的な良い話的な雰囲気も漂いますが、たしかにそれは一理あるでしょう。
でもそれって老人だけの問題じゃない。
寂しいのは中年も若者も同じ。
暇と金が余った老人が、金で寂しさを解消する話です、つまり。
老いた母がいますが、年金の金額(月当たり20万以上もらってます)に文句を言うのを聞いていると、なんでこの世代って甘えてるんだろうとしみじみ思います。
では老人に搾取されている私達現役世代は、どうやって寂しさを解消すれば良いの?

時間(それくらい働かないと家族も養えません)も金もなくて、本当久しぶりに映画館に行けました。
ユーロスペースは老人たちでいっぱいでした。
カウンターでは前売りを何枚も買う老人がいました。
ああ、この人たちは暇も金もあるんだな、映画に出てた老人と一緒だな…

作品はそれなりに面白かったです。
でも世代間の格差を実感させ、対立を煽る映画かもしれません。
主人公を若い女性に変えたのは、それが目的?とすら勘ぐってしまいます。

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mkt386

4.0うちらがこの町のセイフティネットなんだから。新しい当たり前つくっていこうね。

2023年2月18日
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鑑賞方法:映画館

老人相手のデリヘル。キャストも老人。暗黙で本番ありの。70代の8割は性欲がまだあるというくらいなのだから、現実にあってもいいんじゃないか、そう思わされるほどに、幸せな関係を保つビジネスモデルだった。客もキャストも、運営する若者も使われる老人も。実際、世の中のデリヘルでさえスレスレなんだろうから、この映画の中の連中だって完全アウトではなくて、スレスレでグレーな世界。むしろ、ニーズをくみ取り、さらに雇用もうみ、ウィンウィンじゃないか、と擁護する気持ちにもなる。
付け加えれば、妖艶なベッドシーンも、さらけ出す裸体もない。むしろ、そのおかげで幅広い客層が鑑賞できると思えるので、いいことだと思う。エロ目的ではなく、純粋な社会問題の一片と思ってみてほしい映画だ。
老人の性を中心にしながら、命、生き方、親子、いろいろな問いかけがある。それぞれに、嘘と建前に飾られた偽物の親切と、苦しみと我慢に隠された真実の優しさがある。当然、偽物の親切はいともたやすくメッキが剥げるし、真実の優しさは強固で不動のものだ。それが顕れるのが、日常ではなく逆境の場面だというのが皮肉なのだが。それは、実社会でもそんなものだからしょうがないか。
マツコのした(しなかった)行為が犯罪であるならば、それは人間の生きる権利(死ぬ権利)への蹂躙ではないか、とさえ思う。それを犯罪として罰することよりも、そういう老人ばかりになってしまっている世の中の仕組みを変えることにこそ、政治はエネルギーを注いでくれとも思う。このさき、自分が老いていく時代が、この世界よりももっと世知辛いのが目に見えている以上、この映画のすべてが悲しくしか見えない。そして、そう思わせてくれることにはほのかな嬉しさしかない。(たぶん、いい映画を観たという気持ちなんだろうけど)。うまく説明のできない、なんだか、へんな感情になっている。

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栗太郎

4.0 愛と売春の境界みたいな話は昔からあるけれど、高齢者対象の売春で、...

2023年2月17日
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 愛と売春の境界みたいな話は昔からあるけれど、高齢者対象の売春で、しかも売りも高齢者というのは、ちょっと奇抜。そこにファミリーとは何かという問題が、単身者の増加と家族の解体の文脈で描かれているのは時代を映し出している。
 が、気持ちが理解され家族と言えるのかと思えた相手に裏切られるラストは、陳腐なストーリーだけど厳しい。利用されてたけれど必要だったという言葉も悲しい。
 そして、本当の母親が家族だからとしゃしゃり出てくるラストシーンは脅威だ。その母親の表情が美しいだけ不気味。
 名演小劇場の一階の椅子は立派で快適で、休館になるのは本当に残念。

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えみり

4.0意義ある作品、そして磯西真喜さんが素晴らしい!

2023年2月14日
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出演されている俳優陣の素晴らしい演技を楽しめる1作です。
特に、磯西さんの演技が素晴らしかったです。多分舞台を中心にご活躍されていらっしゃる方なのではないでしょうか?

さて、本作。
想定と違っていたのは「家族」とは?というテーマが下地にあったことでした。ちょいとその辺りの描き方にチープ感がありました。お話の落とし所がよくある展開ということと、うーむ、そんなに簡単な話じゃないんじゃない?わかりにくいから家族なんじゃ?って思っちゃったからです。だから、家族とは?を描くにはちょっと無理があった気がします。

それよりも何よりもこの商売に従事する高齢者、利用する高齢者の「根っこ」を掘り下げて欲しかったと思います。なんともステレオタイプな人物描写ばかりで、どこか「私には起こり得ない世界」って見え方がしちゃいそうな気がします。清廉潔白最高!な日本では「必要悪」なんて絶対に認められないし、そもそも「必要悪」なんて言ったら最後な感じがします。

本作で描かれる「売春」は犯罪です。
けどね、手に入れなければならないことってあると思うんです。厚生省が認可していない薬や手術を高額で手に入れる人のように、例え違法行為でも支えがないと歩けない人がいると思うのです。そんなとっても重要な提言を本作はしているのではないでしょうか?本作に登場する高齢者たちは、きっと僕たちの明日のような気がします。誰にでも老いが来て、老いによる環境変化と人間という生き物のなんらかの欲求のせめぎ合いがあるはずです。

この方法を選択するしか埋められない状況があるという現実と、これからこの現実が多くの人の未来になること知り、どうすれば良いか?を多くの方々が考えなければならないのでは?と思うのです。そのためにも本作が多くの映画館で上映され多くの方に見ていただく必要性はある気がしますし、そこに本作の存在意義があると思うのです。

「必要悪」ってなんだろ?必要ならそれは果たして「悪」なのだろうか?

物語としては少々残念でしたが、製作された意義を讃えこの評点です。

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バリカタ

4.5家族とは?を問う秀作でした

2023年2月7日
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“高齢者を狙った売春を美化している”といった批判的なご意見もきっとあるでしょう。
しかし、この映画は、そういうことだけにとらわれて観るには、あまりにももったいない秀作だと思います。
売春斡旋グループ(これは事実)の若者たちの、不倫の末の妊娠や、車中で暮らす父親とのやりとりなどのエピソードが、いろんなかたちでグループのリーダー、マナが追い求める“ファミリー”に繋がっていくという映画の作りが実に見事。
グループ内の温かなつながりを実感できたパーティの余韻を独り味わうマナを、じんわりと包む不穏な予感。このシーンも印象的でしたね。
こんなに良く出来た映画が、なぜ東京で1館のみの公開なのかが、とっても不思議。

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キッチンナベ