茶飲友達のレビュー・感想・評価
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今必要とされてる仕事かもね。
昔摘発された記事、ニュースは見た覚えがある。2013年頃実際にあった事件で、なかなか気の利いた奴らだなと思った、、、。
それでこの映画興味があったのです。
まあ映画だから色々脚色されてるわけだが、行き場や金のない老人が増えてる今、話にいちいち説得力がある。
演出も控えめでリアリティがあり、役者達も実にいそうな感じのキャスティング。ワークショップを経て出演してる老人達もいい感じ。
主催者の女性が擬似ファミリーを上手く作り上げた所が本件の面白さと悲劇の部分である。煎茶コースと玉露コース、よくできてるなぁ。
予定通り摘発がクライマックスな訳だが、ファミリー崩壊の様子が見どころだと思う。ピンチの時に人は内面が露呈するよね。
「人の寂しさで自分の寂しさを穴埋めするんじゃない」
ちょっと違ったかも知れないけどこの言葉は刺さった。
でも間違いなく今必要とされてる仕事である事はたしかで、おそらく違った形、名前でいまでも存在してるかも知れない。
反社組織の資金源とかにならなきゃいいなぁ。
薬を使いたくない意地
高齢者を対象にした売春グループの心暖まる作品。 本年度ベスト!
予告編が面白そうだったので鑑賞したけど予想外の良作に出会えた感じで満足度は高め!
売春行為で高齢者達に生きる希望を与えている感じで犯罪とは思えない表現方法が素晴らしかった。
風俗で働いていた佐々木マナが高齢者を対象にした売春組織「ティー・フレンド」を運営して行くストーリー。
運営側は皆、若い人だけど其々に事情がある人間ドラマが濃いめ。
それらのドラマ全てが見応えあり。
売春する高齢の女性達にも色んな事情があり作品に引き込まれる。
運営する佐々木マナが素晴らしい人格者って感じ。
周囲の人達を明るく元気にさせる感じが素晴らしい。
マナにも家庭であることがあり葛藤している姿に泣ける。
売春のシーンはかなり多め(笑)
エロさは一切感じなくホッコリする感じで微笑ましい(笑)
ラストは予想出来る感じなんだけど、岡本玲さんが演じるマナの迫真の演技に圧倒された。
本作は家族(ファミリー)がテーマでした( ´∀`)
テーマの良さと監督の力量
テーマが面白いなと思い、見たかった作品。
一見重そうなテーマが、どう描かれてるのかなと思ってましたが、長尺なのに破綻無く、うまく構成されていて(実際にあった事件に基づいているとの事で、どこまでが事実で、どこからが脚色なのかわかりませんが…)、監督の力量が凄いなと思いました。
主人公の子が醸し出す、ちょっとうさんくさい(笑)雰囲気から、徐々に本音が垣間見えていく過程が良いのと、主人公と親密になっていく、ティーガールのおばあちゃんの徐々に変わっていく様子の演技が素晴らしい。
最終的に摘発を受けて、主人公が作りあげた茶飲友達のシステムは破綻してしまうのですが、映画の最後の終わり方も良いです。
ただ、個人的にはティーガールのおばあちゃんが最後、母と娘のようなとてもいい関係を築いていたように見えたのに、主人公の女の子を裏切るような発言をしてシーンが終わるのが、ちょっと残念でした。
実際はどうだったのかわかりませんが、自分が主人公の女の子の立場だったら、ショックだろうな…
上映館がとても少ないのがもったいないと思うくらい、いい作品でした。
いくら年取っても初心者は若葉🔰
茶飲友達という言葉を初めてきいたのは中学2年の時だった。
隣のお兄ちゃんが嫁さんをもらった。
その嫁さんはちあきなおみ似のけっこう気さくな人で、
親がいなくなった隙に
ゆくゆくは茶飲友達になりましょうねと言って来たのだ。
妙に胸がざわざわしたので、覚えている。
そのひとも、若くしてパーキンソン病になって介護施設のデイユースに長くお世話になっていたが、70歳ちょうどで亡くなった。
さて、この映画。
餅屋は餅屋。
置屋は置屋だわ。
若者にこき使われる老人という設定がシャクにさわる。
煎茶コースに玉露コースもバカにしてる。
老人ホーム内の恋愛事情はかなり激しいものがあるらしい。無論、それなりのヒエラルキーは存在するわけだが。
全体に悪どさが前面に出ているので笑えない。せっかく渡辺哲を起用しているのにね。
さすがに超熟お姉さんたちは女優さんだけあって、枯れているようで枯れてない。綾小路きみまろに言わせると、女は83歳になるとアレを挟めなくなるとのことである。
万引きで一番哀れなのは、老人の万引きである。しかも半額シール付きおにぎり。ちょっとなんでも悪意的な演出だ。それにつけこんでスカウトする主人公も狡猾で悪すぎる。そんなんで、ファミリーだのきれい事言われてもねぇ。
主人公と母親の問題は「わたしのお母さん」のほうが深みがある。欲張り過ぎた。パン屋や職員の妊娠話もテーマからは外れているかな。岡本玲さんは好感度下げ下げ。
NPO法人が運営する老人ケアハウスが入居者を使ってデリへル闇営業する艶笑ドラマがむしろ観たかった。渡辺哲を主役にしたほうが泣けた。
「PLAN75」とは別の切り口
元気な高齢者の生き甲斐を描いた作品 。
高齢者の「生」をテーマにしたのがPLAN75なら、茶飲友達は高齢者の「性」をテーマにしていました。
PLAN75は「クローズアップ現代」で取り上げられることはあっても、茶飲友達は取り上げられないでしょう。
元気な高齢者が珍しくなくなったということはアッチの元気な高齢者がいても不思議ではない。
しかし高齢者が求めるものは「性」だけではない。というより、求めたいものの中のひとつが「性」なのでしょう。本当に求めているものは「人とのふれあい」なのでしょう。たとえ1時間だけの擬似的なことでも、心と身体のふれあいを求め、温もりを感じたい。「一人では死ぬのが寂しい」というのも少し分かる気もする。
「性」を題材にして実は「生」を考えさせる映画でした。
老人の甘え
なんとなく「老人の寂しさ」を癒やすために売買春もしかたない、慈善的な良い話的な雰囲気も漂いますが、たしかにそれは一理あるでしょう。
でもそれって老人だけの問題じゃない。
寂しいのは中年も若者も同じ。
暇と金が余った老人が、金で寂しさを解消する話です、つまり。
老いた母がいますが、年金の金額(月当たり20万以上もらってます)に文句を言うのを聞いていると、なんでこの世代って甘えてるんだろうとしみじみ思います。
では老人に搾取されている私達現役世代は、どうやって寂しさを解消すれば良いの?
時間(それくらい働かないと家族も養えません)も金もなくて、本当久しぶりに映画館に行けました。
ユーロスペースは老人たちでいっぱいでした。
カウンターでは前売りを何枚も買う老人がいました。
ああ、この人たちは暇も金もあるんだな、映画に出てた老人と一緒だな…
作品はそれなりに面白かったです。
でも世代間の格差を実感させ、対立を煽る映画かもしれません。
主人公を若い女性に変えたのは、それが目的?とすら勘ぐってしまいます。
うちらがこの町のセイフティネットなんだから。新しい当たり前つくっていこうね。
老人相手のデリヘル。キャストも老人。暗黙で本番ありの。70代の8割は性欲がまだあるというくらいなのだから、現実にあってもいいんじゃないか、そう思わされるほどに、幸せな関係を保つビジネスモデルだった。客もキャストも、運営する若者も使われる老人も。実際、世の中のデリヘルでさえスレスレなんだろうから、この映画の中の連中だって完全アウトではなくて、スレスレでグレーな世界。むしろ、ニーズをくみ取り、さらに雇用もうみ、ウィンウィンじゃないか、と擁護する気持ちにもなる。
付け加えれば、妖艶なベッドシーンも、さらけ出す裸体もない。むしろ、そのおかげで幅広い客層が鑑賞できると思えるので、いいことだと思う。エロ目的ではなく、純粋な社会問題の一片と思ってみてほしい映画だ。
老人の性を中心にしながら、命、生き方、親子、いろいろな問いかけがある。それぞれに、嘘と建前に飾られた偽物の親切と、苦しみと我慢に隠された真実の優しさがある。当然、偽物の親切はいともたやすくメッキが剥げるし、真実の優しさは強固で不動のものだ。それが顕れるのが、日常ではなく逆境の場面だというのが皮肉なのだが。それは、実社会でもそんなものだからしょうがないか。
マツコのした(しなかった)行為が犯罪であるならば、それは人間の生きる権利(死ぬ権利)への蹂躙ではないか、とさえ思う。それを犯罪として罰することよりも、そういう老人ばかりになってしまっている世の中の仕組みを変えることにこそ、政治はエネルギーを注いでくれとも思う。このさき、自分が老いていく時代が、この世界よりももっと世知辛いのが目に見えている以上、この映画のすべてが悲しくしか見えない。そして、そう思わせてくれることにはほのかな嬉しさしかない。(たぶん、いい映画を観たという気持ちなんだろうけど)。うまく説明のできない、なんだか、へんな感情になっている。
愛と売春の境界みたいな話は昔からあるけれど、高齢者対象の売春で、...
愛と売春の境界みたいな話は昔からあるけれど、高齢者対象の売春で、しかも売りも高齢者というのは、ちょっと奇抜。そこにファミリーとは何かという問題が、単身者の増加と家族の解体の文脈で描かれているのは時代を映し出している。
が、気持ちが理解され家族と言えるのかと思えた相手に裏切られるラストは、陳腐なストーリーだけど厳しい。利用されてたけれど必要だったという言葉も悲しい。
そして、本当の母親が家族だからとしゃしゃり出てくるラストシーンは脅威だ。その母親の表情が美しいだけ不気味。
名演小劇場の一階の椅子は立派で快適で、休館になるのは本当に残念。
意義ある作品、そして磯西真喜さんが素晴らしい!
出演されている俳優陣の素晴らしい演技を楽しめる1作です。
特に、磯西さんの演技が素晴らしかったです。多分舞台を中心にご活躍されていらっしゃる方なのではないでしょうか?
さて、本作。
想定と違っていたのは「家族」とは?というテーマが下地にあったことでした。ちょいとその辺りの描き方にチープ感がありました。お話の落とし所がよくある展開ということと、うーむ、そんなに簡単な話じゃないんじゃない?わかりにくいから家族なんじゃ?って思っちゃったからです。だから、家族とは?を描くにはちょっと無理があった気がします。
それよりも何よりもこの商売に従事する高齢者、利用する高齢者の「根っこ」を掘り下げて欲しかったと思います。なんともステレオタイプな人物描写ばかりで、どこか「私には起こり得ない世界」って見え方がしちゃいそうな気がします。清廉潔白最高!な日本では「必要悪」なんて絶対に認められないし、そもそも「必要悪」なんて言ったら最後な感じがします。
本作で描かれる「売春」は犯罪です。
けどね、手に入れなければならないことってあると思うんです。厚生省が認可していない薬や手術を高額で手に入れる人のように、例え違法行為でも支えがないと歩けない人がいると思うのです。そんなとっても重要な提言を本作はしているのではないでしょうか?本作に登場する高齢者たちは、きっと僕たちの明日のような気がします。誰にでも老いが来て、老いによる環境変化と人間という生き物のなんらかの欲求のせめぎ合いがあるはずです。
この方法を選択するしか埋められない状況があるという現実と、これからこの現実が多くの人の未来になること知り、どうすれば良いか?を多くの方々が考えなければならないのでは?と思うのです。そのためにも本作が多くの映画館で上映され多くの方に見ていただく必要性はある気がしますし、そこに本作の存在意義があると思うのです。
「必要悪」ってなんだろ?必要ならそれは果たして「悪」なのだろうか?
物語としては少々残念でしたが、製作された意義を讃えこの評点です。
正しいことが幸せなことではない
家族って、何?
その言葉を映像に込めた感が、すごい。
題材は、実際の事件を元に作られているようだが、そこに肉付けされたそれぞれの家族の形がリアル。
よく、こんなに刺さるセリフが書けるなと感心するぐらい心情を暴いている。
この組織化されたシステムを、売春と言う言葉で表すと汚らわしいもののように見えるけど、需要と供給のバランスだと思えば、悪くないシステムかも。
与える方も受ける方も、助けられてるから。下手なカウンセリングより、ずっと効果がでるかも。誰も傷ついてないし。
少し残念なのは、これらを運営しているのが若い世代で、本気で高齢者の気持ちを理解していたわけじゃないのかな。
ビジネスという切り口?
本気で考えてたのは、代表のマナだけかも。
自分の寂しさを他人の寂しさで紛らわすなって、警察の人言ってたけど、カウンセラーも福祉士もいるでしょ、そういう人。
不幸な家庭見ると、一人で抱え込んでいい人になりたがる支援者。
正しいことをしていれば、褒められて、間違ったやり方だと怒鳴られる。
何とかならないのかね、この国のそういう体質。
マナを取り囲む人が、最後には逃げていってしまったことが残念だけど、実際はどうなんだろ?
このビジネス、今もどこかで続いてるとしたら?
高齢者の性を嗤っている場合じゃない。
明日は我が身だし、何なら今、自分はパートナーと満足の行く関係作れてる?
自分の胸に手を置きたくなる映画でした。
家族とは?を問う秀作でした
切なさと、エロさ加減が秀逸のポスターに魅かれて
老人も若者も、多かれ少なかれ孤独を感じながら生きている。孤独とは?家族とは?身につまされる重いテーマでした。結局孤独と家族関係は切り離せないのだなと痛感しました。
途中まで楽しそうな疑似家族の雰囲気に、一種の憧れさえ感じてしまいましたが、そうは問屋は卸さじ。他人に孤独を解消してもらおうと依存しても、自分の心持ちを変えねば同じなのですね。青い鳥は自分の中にいるってことでしょうか。
「PLAN75」は架空の話だったのに対し、こちらは実際に起きた事件を題材にしているので、すっきりと解決はしませんが、より現実的に難題を突きつけられた気がします。直近に迫ってきた老後、さてさてどうしよう…。
岡本玲さんの迫真の演技は必見です。
茶柱入り玉露
茶飲友達=ティーフレンドという老人男性向けに老人女性を派遣するデリヘルの話。
セーフティネットだのファミリーだの新しいビジネスモデルだのと言いつつ、優しい言葉をかけて老人女性を勧誘する元風俗嬢の代表と、スタッフとして働く若者たち。
表面だけみるとまるで良いことをしている気にさせる気色の悪さと、本気でそう思っていそうなマナ。
まあ実際掬われている人もいるのだけれど…。
途中ちょっとズレたヌルい考えのスタッフの妊娠話しとかもあったけれど、ただでさえ長い尺に結構な尺を使っていてちょいダルいしパチンコ依存はもうちょい掬い上げる動きがあっても良かったのでは?な投げっぱなしで、これではのパン屋のフリの様な。
とはいえ、主人公はあくまでもマナであり、そこを踏まえて振り返るととても面白かった。
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