「わかる年齢になってきた」茶飲友達 dagger oneさんの映画レビュー(感想・評価)
わかる年齢になってきた
暇を持て余して暇つぶしになる映画を探していた。おもしろいタイトルに惹かれて何となく鑑賞してみたのだが…。
暇つぶしでは片付けられない内容だった。高齢者売春という実話にもとづいた内容なのだが、「買う側」の年齢にどんどん近づく自分に重ね合わせていたからだと思う。
若い人には気持ち悪く映るかも知れない。爺さんと婆さんの性行為なんて…。
人生100年時代などと言われるようになって久しいが、心臓が動いて呼吸しているだけでは意味がない。高齢者だって温もりがほしいはず。だが、ドンファンでもなければ相手をしてくれる人なんていない。自分ならどうするんだろう?と自問自答してみたが、答えは見つからなかった。いや、怖くて見つけようとしなかったのかも知れない。
陽のあたらない場所に追いやられていく高齢者たち。いつか自分も同じ道を辿ることも知らず嘲笑する若者たち。この国の少子高齢化と人口減少に歯止めはきかず、いつか立場が逆転する日が来る…。
思い返してほしい。芸能界での性スキャンダルの多さを。毎年誰かが画面紙面を賑わしている。一般人とて同じなはずだ。むしろ文春のようなハイエナがいない分ハードルは低いだろう。
それにしても役者さんって大変だ。高齢で売春、買春の役を演じるってどういう心境なんだろう?顔を知っている役者さんは二人だけなのだが、名前までは知らなかった。松子役の方も文字通り体当たりの演技が素晴らしかった。
若さだけの自由と高齢者の孤独なんて紙一重だなって思った。
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