「若い人が観たほうが良いかも」茶飲友達 aliasさんの映画レビュー(感想・評価)
若い人が観たほうが良いかも
序盤から中盤にかけては、
①孤独な老人が救われるなら、ある程度は法律や規則に反しても仕方ない
②たとえ血のつながりはなくても心で家族のようにつながることはできる
という二つのテーマを軸に進んで行きます。
色々と問題がありながらも、すべてが上手く行きそうになったところで終盤になるのですが、そこでこの作品は何を思ったのか、終盤からラストにかけて今まで積み上げてきた話を全部ひっくり返してしまいます。
そして、最終的には
①たとえ孤独な老人が救われようとも、法律や規則に反するのは絶対駄目
②どんなに心でつながっていても所詮は赤の他人で簡単に裏切られる、最後に頼れるのは血のつながった家族
というかたちで終わってしまいます。
感想としては、中盤までは興味深く観れましたが、最終的に孤独な年寄りには救いがなく、また人と人とのつながりを否定するような終わらせ方にした監督の意図が理解できず、とても残念に思いました。
私の勝手な想像ですが、作り手としては、あのままハッピーエンドにしたら売春を肯定している作品と思われるのを恐れたのではないでしょうか?だとしたら、例えばの話ですが、「主人公が身代わりになって単独犯として捕まり、売春組織は無くなってしまうけど、組織にいた人達のつながりは守られ、皆で新たに法に触れない別な商売を始める」とかにした方が観客はスッキリしたのではないでしょうか?
作品の評価という点では、役者さんは皆さん頑張っていたと思いますが、私は否定だけしておいて、救いを描かない作品は好みではないので評価を3としました。
追記>
お年寄りが観ても救われることはないので、むしろ若い人が観た方が、お年寄りに対する接し方や自分がどう歳を取って行くかを考えるきっかけとなるのではと思います。あと、お年寄りのベッドシーンはあんなに多くなくても、他にも演出の方法はあるだろうと思いました。