恐怖の報酬(1977)のレビュー・感想・評価
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この映画とあの映画
あの映画とはスターウォーズのことなんですが、この二つの映画の間が、こうしたスペクタクル映画のむかしと今の分岐点なんだと思う。
少し辛口なことを言うと、ノーカット版とか言ってますけど、この映画は説明がやや冗長。
やっぱり、スターウォーズはテンポ良いですよ。
ただ、アクションなしで、手に汗握らされるのは、この映画の真骨頂で、大したもんだなって思います。
吊り橋をトラックで渡るシーンは2度もあって、えーっ、またかー!って。
きっと、後方の方はダメなんだろうなと思わせて、実はサバイバルしてて。
その後、大木を爆破して、いよいよ大円団かと思わせといて、あっけなくドーン…って不条理も、やっぱりリメイクだけあって、レトロだなって、ちょっとニヤリとさせてもらいました。
最後のアメリカからのマフィアが登場するシーンもレトロ。
でも、息を飲んだし、ロイシャイダーも、若いんだか若くないんだか、分かんなかったなとか、いろいろ感慨深く見せてもらいました。
凄みのある映像
前の印象より良かった
公開の時もみた 触れ込みの割にいまいちだった印象があったけど今回は面白かった 前半あくび3回出た つかみがだらだらしてるのは昔の映画だからしょうがないか 今は何事もスピード大事 観客も面白くなるまで待ってくれません
たしかに
面白かった‼️
1977年の作品だってのに、昔の映画にありがちな“昔観た時には凄いと思ったけど、今見返してみると大したことないな〜感”が全く無かった。それどころか後半はずっと手に汗握りっぱなし(≧∀≦)すごい!!
昔公開された時がどの部分を30分カットされたのかわからないけど、今回観たオリジナル完全版は間違いなくこれで1作品として完結してるからどこを削られても“あれあれ??”となってしまうこと必須😅当時なんでそんなことしちゃったのかしら?
全編通してだいぶ言葉少なめな作品。特に前半は動きも助けない中セリフも少なくてなんとなく睡魔が訪れたりする^^;けど、そこを乗り越えるとジェットコースター級のドキドキが待っている💓
ドキドキ部分だけでなくストーリー自体も“因果応報”とか“人生そんなに甘くない”仕立てになっていて良か良か。
もう2度とできないであろう 常軌を逸した奇跡のフィルム
文句のつけようもありません。
だってねぇ。
パラマウントとユニバーサルと言う2大メジャー映画会社が2,000万ドルものお金を出したという。
これは当時のフリードキン監督がフレンチコネクションでアカデミー賞5部門も受賞し、エクソシストで世界中にオカルトブームを巻き起こし、当時の歴代興行成績でも、トップ3 (ちなみに1位がスピルバーグのジョーズ 2位がコッポラのゴッドファーザー ) の監督なんだから。
今、こんな凄い監督がいるだろうか?
それくらい期待されていた新作なんだから、そりゃもう贅沢に予算も期間もかけて作られた訳です。
出来上がった脚本を読んで、是非出演したいと言ったスティーブ・マックイーンでさえロケ地や制作にちょっと口出ししために監督が激怒し一蹴され、おかげで他の出演者のキャスティングにまで影響したそうです。
脚本作りに行き詰まった際、参考にした「戦場にかける橋」のデビッドリーン監督をわざわざ訪ねて「今撮り直すとしたらセリフの三分の1はカットする」と言う言葉をヒントに、大幅に脚本から無駄な台詞をギリギリまで削るなどしてほとんど台詞のない絵だけでも観客を納得させる色褪せることのない名場面の連続を、そして映画を完成させたのでした。
あの「吊り橋」だけで2回も作り直し、300万ドルもかかり、リハーサルと本番だけで5回もトラックが落ちたらしい…。
ところが公開前の一ヶ月前に、その後の映画を一変させる問題作が公開される。
それがジョージルーカスのスターウォーズ。
今現在も続くVFX映画の元祖の作品で興行成績でも圧倒的でありました。
不幸にも単なる名作のリメイク作品と見なされ、評論家からはこきおろされ、お金をかけたわりには興行成績も伸び悩んだために…映画会社はタイトルを変え、前半とラストを大幅にカットし、全く別の作品として、流通させたのです。
そんなこんなで、日本では映画公開から割合早めにテレビでも放送されました。結構おじさん世代ではこの短縮版を見ていて子供の頃に衝撃を受けた人も多いのです。
( 自分がまさにそれです。)
今回、40年ぶりに監督の執念で完全版がデジタルリマスターされ日本のスクリーンでも見れることとなり、まさに幸せの極みなのでした。
「本物」だけ持つヒリヒリするような緊迫感と人間ドラマを是非ともできるだけ多くの人に堪能体感して欲しいと思います。
そしてこの映画がこれから映像制作を目指す人達の目に少しでも多く触れられんことを。
この映画がこれからの映画界にとっても良い影響を与え続け、名作が生まれることを切に願ってやみません。
南米の先住民の神は生贄を求める
冒頭、タイトルバックにマヤ文明の神様のようなレリーフが映る。原題はSorcerer。ニュアンスが難しいのだが、単なる魔法使い(wizard、女性形がwitch)よりも不吉なイメージ、そして占い師のような意味もある。
そして、この神様が、後から出てくるトラックのフロントフェイス(2台のうちポスターになっているほう)にそっくりなのである。
南米の先住民の神は生贄を求めるという…
これから始まる物語に、そんな不気味な陰を落とすオープニングだ。
南米の山奥、油田近くの村に住む、ヨーロッパやアメリカから流れ着いた殺し屋、テロリスト、強盗、破産した銀行家など、スネに傷ある男たち。彼らは一発逆転を狙い、高額報酬と引き換えにニトログリセリンをトラックで運ぶ仕事を引き受ける。
映画は始め、彼ら4人が、いかにして南米の山奥に住むことになったのかを描く。
誰もが法律や社会正義に反する行為に手を染めていて、映画は序盤、クライムサスペンスの様相を見せる。
本作は、とにかく終始、緊張感に満ち溢れている。そして後半、トラックに乗ってから、緊張感はさらにギアを上げる。
輸送ルートは南米の密林だ。
ポスターになっている壊れそうな橋のほか、崩れそうなガケ、豪雨、道を塞ぐ倒木、果ては武装したゲリラなど、ロールプレイングゲームのごとく、様々な障害が休む間も無く押し寄せる。
演出は説明的な場面やセリフを削ぎ落としたハードボイルドタッチ。しかし、クローズアップを多用し、画面は雄弁に、登場人物の苦悩や迷いを伝えている。陰影を強調したカメラも効果的だ。
さらに泥、雨、生い茂る木々、汗、巨大トラックの車体のきしみ、エンジン音、そして荷台のニトログリセリンなど。
すべてが匂い立つほどの臨場感を感じさせている。
加えて構図が見事で、絵になるショットが多く、見惚れる。
今回、観直して気付いたのは(前のバージョンとの差異かどうかはわかりませんが)、トラックを大事に撮ってるなあ、ということ。
登場人物に継ぐ役者と言っていいんじゃないかな。
出発前の整備の場面をていねいに描いているのもそうだし、その後、整備が完了し、出発前に、逆光でトラックを正面から捉えたショットなんか、「この人がこれから活躍しますよ」という感じで心が躍る。
ストーリーは登場人物たちに無情。まったく容赦しない。観ているほうの喉はカラカラに、凝視し過ぎて眼球まで渇く、それほどの超一級のサスペンス。マスターピースと言っていいでしょう。
訓戒
橋のシーンが圧巻だった。
狂気と執念を感じたカットだった…。
当時はCGなんてものは無いはずなので、あれら全ては「現実」なのだ。
「豪雨の中、強風に煽られ揺れる橋の上で斜めに傾く大型トラック」
これを描くのではなく、どうにかして具現化し出現させていたのだ。畏怖も敬意も抱く所業なのである。
脚本も結構深く…後にトラックを運転する4人をあんなにも丁寧描いていたとは思わなかった。それぞれに何かに追われ、行き着いた貧民街。生きる為に辿り着いたその場所から、今度は抜け出す為に命がけの仕事を請け負う。
人の業というか、運命の皮肉というか、何というか…聖書の第何節とかに載ってそうな話だった。当時の傾向なんて知らないので、こういった脚本が異端なのか先端なのか分からんが、見応えはあって…シェークスピアの戯曲を観てるかのようであった。
恐怖の報酬ってのは、邦題なんだけど、その報酬は、苦難に抗う命の充実感と、死という名の安息であった。
…なんか粛々とした終幕だったなぁ。
迫力半端ない
CG一切なし、迫力半端ない。
爆発のシーンとかすごすぎる。
橋渡るシーンの緊迫感すごい。
CGが当たり前の今の時代では決して描くことができないシーンがいっぱい。
全員悪いやつなのに、感情が移入してしまって、死んじゃう時、泣けてきた。
見てよかった。
映画とはこれだ!
ストーリーはシンプルだが映像と音響に圧倒される。四人の男たちの薄汚い顔。まさに地の果てを思わせる南米の村。地獄としか形容できないジャングル。男たちの焦燥感が手に取るよう。やがて饐えた汗の匂いまで漂ってくる。
頭から離れないのが手負いの野獣のような二台のオンボロトラックの造形。クライマックスの吊り橋では苦痛の唸りを上げている。まるで生きているようだ。生きている?そう、この二台が死ねば男たちの命もない。
タンジェリンドリームの不穏なサントラが耳から離れない。
フリードキンの映画はどれも麻薬的で中毒性あり。地上波短縮版しか知らなかったが、オリジナルはこれほど凄い傑作だったのだな。
クルーゾーの1953年度版は名作だが又別の作品という印象。時代背景が違うとこれほど印象が変わるのか。
ロイ・シャイダー以下四人の男優が素晴らしい。
フィルムに刻み込め!
こういう傑作をフィルムに刻み込んだ人々の満足感に思いを馳せる。
大きなトラックが軋む木造の橋を渡る。断崖絶壁にタイヤ半分はみ出しながらゆっくりと進む。一歩間違えればスタントもカメラも、映画そのもの以上の大惨事に見舞われるだろう。いったいどうやって撮影をしたのだろうか。驚嘆、瞠目の連続。
二人一組でニトロを運ぶ男たちの間には、はじめは信頼関係などないのだが、撮影スタッフたちの間にはそれがないとこの撮影は成り立たないのではないだろうか。
非常に大がかりな、大きな現場仕事をやり遂げた彼らの達成感は想像に難くない。映画の撮影=土木工事のような作品は、今は望むべくもないのだろうが、これぞ「現場」と呼ぶにふさわしい。
大爆発!男の臭い。血、血、血。もしかしたら、映画に必要なのは「ダイナマイトと男」だけなのかも知れない。
子供のころテレビで「ナバロンの要塞」を観たときのハラハラドキドキ感が胸によみがえった。こうした作品を通して、子供には映画の楽しさ、面白さを伝えたい。
犯罪者が活躍する映画は教育に良くない?
多国籍企業の非道に気付くものの見方を教えることこそが教育というものなのだ。
緊張する映像。
本当に公開時期が悪かった
様々なキャラが出てきて色々な言葉を話していたが、前半はイマイチ捉えにくかったものの、4人になり、2手に別れニトロを届けに行くシーンからはかなり作り込まれたキャラクター設定であった。死んでしまうシーンはかなり感情移入できた。また、ホラー映画でもなんでもないのに、かなりの緊張感があった。それは音楽などが自然に溶け込んでいたためだと思う。
鑑賞後の後味の悪さもこの映画の評価するポイントでもあるし、観ててかなり上質な映画であった。
これは1977年にユニバーサルとパラマウントの共同出資のものの、スターウォーズに客を取られたり、大幅なカットなど不遇を受け今回満を期してオリジナル版が日本初公開となった。この作品を多くの人に観てもらいたい。
後半の緊張感
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