劇場公開日 2023年4月28日

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「絶対にコレジャナイ!」聖闘士星矢 The Beginning おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5絶対にコレジャナイ!

2023年4月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

予告から地雷臭はしていたのですが、原作漫画がどのように実写化されているのかが気になって鑑賞してきました。

ストーリーは、幼い頃に何者かに姉を連れ去られ、今は地下闘技場でのファイトで生活をつなぐ青年・星矢が、自分を襲う謎の集団から逃げるのに手を貸してくれた男・アルマンから、自身が内なるパワー・小宇宙(コスモ)を燃やして戦う聖闘士であり、女神アテナの生まれ変わりである女性・シエナを守る運命にあると知らされ、彼女をめぐる戦いに巻き込まれていくというもの。

女神アテナを守護するため、コスモを燃やし、聖衣を纏って戦う聖闘士という原作の設定を生かしながら、そこから新たな物語を紡ごうとする試みはよかったです。神話の物語やパワーに現代のテクノロジーでアプローチしようとする描写も、悪くなかったです。また、星矢に新田真剣佑くんを起用したり、「ペガサス幻想」をアレンジしてBGMに用いたりと、日本へのリスペクトを感じられたのも好印象です。

しかし、それらがストーリーにうまく落とし込めてなかったと感じます。端的に言えば、ストーリーがおもしろくないのです。おまけに展開が雑で、テンポも悪いので、話が頭に入って来ず、作品世界に浸れませんでした。例えば、序盤のカシオスとのバトルはなかなかよかったのですが、そもそもカシオスの設定を変えたことで、聖衣を手にするための戦いが存在しなくなり、聖衣の尊さやブロンズからの序列が軽んじられ、結果として世界観を著しく損なったように感じました。

バトルシーンも、VFXバリバリで迫力はあるし、演者のアクションもよくがんばっていたと思うのですが、今ひとつ響いてこないのはむしろ不思議でした。また、聖衣を纏うメリットもあまり感じられませんでしたし、その聖衣のデザインも致命的にダサくて、とても受け入れられませんでした。シックな色合いもペンダントからの変化も悪くないですが、せめて装着前には星座を象ったものであってほしかったし、装着後の圧倒的なパワーアップを感じさせてほしかったです。あと、なんといっても登場する聖闘士が少なすぎでした。

こんなことなら車田正美先生の原作をもっと忠実になぞってほしかったです。原作の魅力を理解していない人間が作るとこうなるという悪い見本のようで、残念でたまりませんでした。原作ファンとして、観たいものが観られなかったという不満の方が先に立ってしまい、つい辛辣なレビューとなってしまいました。それでも、もし続編があるなら絶対に観に行くので、今度こそファンが少しでも納得できるものをつくってほしいです。

キャストは、星矢役に新田真剣佑くんで、流暢な英語と鍛え上げた肉体が印象的でした。脇を固めるのは、マディソン・アイズマン、ファムケ・ヤンセン、ディエゴ・ディノコ、ショーン・ビーンらで、中でもマディソン・アイズマンはとてもキュートで素敵でした。

おじゃる
YOUさんのコメント
2023年5月3日

日本人側の悪い癖でスポンサーのハリウッドに忖度して「イエスイエス」(営業笑い)みたいな感じで話が進んだんじゃないかと推測しました。

YOU