ナイトメア・アリーのレビュー・感想・評価
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人間でいられるか、ギークになるのか
映像はかなりショッキングな連続なのですが、ストーリーは特にラスト20分くらいから落とし所は見える感じでした。
ただ、人間の業というかドロドロを上手く描写してこわいながらも惹かつけられました。
ただ、シェイプオブウォーターと同様、映像の色使いガ鉛色というか、閉塞感のある映像が続くのがどうにも個人的には抑圧感が強くて疲れました。
とても重厚な作りで見応えがあった。
こう言う作品は、常に開幕5分以内に回答がある。これもそうだったことは見る皆んなが知っていること。
だから、如何にラストを演出するかと言うことになる。
それにしても、
この映画の鍵は、
アルコールと言う飲酒と絶対と言う言葉だ。
それを見事に崩壊させたのが、女だ。
その方法が、キスだ。
キス💋による間接飲酒をさせられた。
アル中は一滴💧の酒で、
スプリットしてしまう弱者なのだ。
巧妙に怨みを晴らすための道具に使われてしまった。
その怨みとは…
その果ては獣人となってしまう●●なのだ。
そんな決まり切ったラストを、
映画なんだから言葉ではなく映像で表現すべきではなかったか?
そんなことで★★★★+0.5でした。
美と栄光と破滅の超特急
初めてギレルモ・デル・トロの映画を観ました。ハッピーエンドではないですが、ストーリーはわかりやすく、「七つの大罪」をテーマに幻想的な世界観ですっかり没入してしまいました。
舞台は1939年のアメリカの田舎町。そこに流れ着いたのは主人公スタンは町のカーニバルで行われているショーをタダで観た見返りに後片付けの手伝いをさせられる。カーニバルの団長に気に入られたスタンはスタッフとして働くことになった。ある時、読心術を扱える老人ピートと出会い、彼の人生は大きく変わってゆく。
読心術を使った降霊術をスタンは金儲けしようと目論むのですが、絶対ロクな目に合わないなと思いました。そして、スタンの耳がある人物に銃で撃たれるシーンがありますが、結構グロかったです。自業自得かな、と思いましたが、最終的には思いもよらぬどん底になるとは思いませんでした。
現実に引き戻さないで
中盤までストーリーも怪しい雰囲気も最高なのよ。
でも、見世物小屋離れた時点で、なんか急に現実に戻されるというか…
急に展開がゆるく感じるというか…。
結局、怪しい雰囲気でワクワクゾクゾクしたいのよね。
かなり人間性の本質を突いている
てっきり怪物が襲いかかる映画と勘違いしていました。前半は淡々と進みますが、後半に事態が動きます。
金に欲がくらみ、麻痺していく姿がリアルです。
前半が面白くないのが惜しいです。とはいえ、総合的に作品に圧倒されました。
手の内を明かして育ててくれた世界から、 強い言葉で脆い自分を隠す権力と金の世界へ
ブランシェットとルーニーの久々の共演を楽しみに見ました。時代背景も舞台設定も好みでした。
フリークスとか見世物とか悪夢に惹かれる気持ちがムクムクと出てきた。家族など身近な人への愛憎入り混じる感情や後ろめたさや過去を美化する心情、誰だって多かれ少なかれ覚えがあると思う。そんなことを考えながら見た。
職場は屋外で雨が降っても笑顔があってチョコを食べて本を読んで幸せなモリー、寒くて雪ばかりでも暖かい室内に居られるが幸せでないモリー。ルーニー・マーラ、ますます輝いていた。
鏡、煙草、ラジオ、本、占いカード、鍵、腕時計、お酒など小道具全部が効いていた。横にJesus、その真ん中のsから始まって縦にsavesとあったネオン「イエス(神)は助けてくれる」。最初は全部が灯っていたのに帰りはJesの部分だけ灯りが消えていた。何だろう?usavesとなるから「助けない」になった?多分。冒頭のギークの場面はかなりかなり苦手なので指の隙間を少し開けつつほぼ目隠ししてた。
フライヤーその他に「ショービジネス」の世界の話とあったけれどそんなんじゃなくて見世物稼業だ。だからこそ、その胡散臭さといかがわしさに私たちは惹かれる、貧しくても金持ちでも。
アンティークなミステリー
序盤は静かに話が進み中盤からミステリーさが増す。
地味な展開だが中々物語は面白かった!
設定時代もアンティークでお洒落なヨーロッパって感じがいい。
ラストシーンは、あ!そういう事か!って感じで満足だった。
あまり時間の長さは感じないかも。
いささか長さを感じる150分
ある男の宿命を描くこの作品、デル・トロ監督特有の深みのある世界観は、それに見合う豪華キャストたちの濃厚で見応えのある演技に、デル・トロ映画のファンに限らず一定以上の満足度は感じられると思います。
ただ原作は古典作品であり、プロット的には意外性はなく150分はいささか長く感じます。特に、途中のジリジリした展開はやや飽きてしまう印象も否めないかな、と。
そういう意味では、逃げ場のない劇場鑑賞が望ましい1本とも言えるかもしれません。勿論、多くのシーンが全体的に暗く、深く、細かい造形で作り込まれている点においても、液晶画面ではそのコントラストを押さえきれないでしょう。
ま、サーチライトなので、Disney+でわりと早い時期に配信されるんじゃないかと思いますが…
オスカー候補だけど、まあまあ
宣伝にあるようなサスペンスとかノワールというようなイメージはありません。
「人生の絶望」といって肯定的に評価する人もいるかもしれませんが、話は遅いし盛り上がりやサスペンス、スリラーはなく、よく言えば淡々と悪く言えばダラダラしているので、退屈な映画といってよいでしょう。
個人的には何となく重厚で少し幻想的な画面なので結構好みです。
大まかなストーリーはわかりますが、「あの人なんなの?」「どうしてそうなるの?」「その話どう関係あるの?」みたような疑問がたくさん残ります。多分原作読めば微妙な心理とか描いているんでしょうが、映画では省略しているので結構???ですね。
とにかく2時間半かける作品ではない。1時間半で十分。
ブラッドリー・クーパーはじめ豪華キャストケイト・ブランシェットほか...
ブラッドリー・クーパーはじめ豪華キャストケイト・ブランシェットほか、トニ・コレット、ウィレム・デフォー、"ルーニー・マーラ"らが共演したサスペンススリラー。
ケイト・ブランシェットが恐ろしすぎる
とても素晴らしい映画だと思いました。「人間とは何か」「善悪とは何か」を鋭くえぐってきます。ペテン師のブラッドリー・クーパーの演技は格別なものがあります。終始重たい過去を背負いながら、それをひたすら隠しています。エンディングで彼が背負っているものが何かが明らかになります。それは私たち自身も多少なりとも持っている親に対するコンプレックスであり、憎悪であることが胸に突き刺さりました。
映画の雰囲気がガラッと変わるのは、やっぱりケイト・ブランシェットの登場からではないでしょうか。金髪で妖艶です。美しいのですが絶対に棘があるとわかっているのです。近づいてはいけないと思いつつも近づいてしまった男が最後には毒牙にかかり地獄に落ちます。
彼女は社会的地位は博士でありますが、本当の素顔はサイコパスと変わりません。人の心を揺さぶって、操作して、最後には破滅へと追い込む。とても恐ろしい存在でした。私たちの周りにも何食わぬ顔で恐ろしいことを平気でやってしまう人っています。そういう人が1番の悪人なのではないでしょうか。素晴らしい映画でした。
『運だぜ!アート』のluckygenderでした
ギレルモ流奇妙なアートとノワールが融合!独特の世界観を生み出した!!
1947年の映画『悪魔の住く町』の2度目の映画化ではあるが、監督を務めるのは、『ヘルボーイ』『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロとあって、ただで済むはずもない。
らしさ全開のアートセンスが所せましとあふれ出してくるような映画でありながら、ノワールの雰囲気もある。奇抜であるのに、ノワールという絶妙なバランスで描かれている。
コソ泥はコソ泥としか生きられないし、ペテン師もどう背伸びをして、どうインテリのように偽ったとしても、ペテン師としか生きられない。
そして振り出しに戻されてしまう。これは社会に出ても、周りに溶け込めず、疎外され、再び犯罪に手を染めてしまう。つまり犯罪者の再犯率が多い心理状況とも通じるものを感じる一方で、因果応報、カルマのような物語である。
少し『グレイテスト・ショーマン』に似ている部分もある。それは見世物小屋が題材とされているという、単純な部分だけで言うのではない。
『ジョニーは戦場へ行った』でも、自分のことをいっそ見世物として使ってほしいというセリフがあるように、社会から締め出された者たち、生きていけない者たちにとって、違法であっても、非人道的であっても、時にはそこが居場所となり、受け入れてくれることこそが、何よりも優しく感じられる瞬間があるということ。
差別だとか、非人道的だとか、騒ぐのは、いつも”そうではない者”たち。
しかし一方で、そういった者たちを限られたコミュニティ内で隔離してしまうことで、より社会格差を生み出してしまう負の連鎖でもある。いつの時代も引きずり続けている、なかなか考え深いテーマだ。
強烈に骨太な宿命の人間ドラマを満喫
仏教法話のような、因果応報の物語。デル・トロ監督は日本が好きなのかな。というのはジョークだが、ファンタジー満点の作品かと想像していたら、宿命への激流に飲み込まれる骨太の人間ドラマを満喫した。愛と欲望と、抗えぬ運命へ、様々な登場人物の思惑が主人公を破滅へ誘う、映画的な力技に感嘆した。
舞台背景はかつて寺山修司がモチーフとした見世物小屋を連想させる、混沌(カオス)の空間なのも、個人的にはご馳走だ。
カジュアルなSFホラーと思われがちな佇まいだが、しっかりした大人のドラマであることを理解してもらえれば良いのだが。
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