ナイトメア・アリーのレビュー・感想・評価
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欲に溺れた男が迷い込んだ悪夢の小道
1940年代のアメリカを舞台に、デルトロならではの怪しく魅惑的で危険な世界観の中で、自らを過信し欲に溺れた愚かな男の姿の物語が、おぞましくも美しい悪夢のように描かれていました。
美術や舞台背景、衣装の一つ一つが素晴らしく、本作の世界観を作り上げています。特に前半のカーニバルの不思議で怪しく可笑しな空気感がとても魅力的。一見スタンは賢く器用で、一座の人間は危険で胡散臭いように感じますが、そう単純な話ではなく…。
そしてスタンが独り立ちしてからの、危ないと分かっていながら惹かれてしまう・やめられない、そんな中毒性のある危険な橋を渡る様は、俳優陣の完璧な演技と空気感も相まってとても見応えがあります。
読心術と名ばかりの詐欺師によるアメリカンドリームの成れの果ては、踏み込んではいけない悪夢の小道に誘われた結果のように見えました。
闇に落ちていく主人公が悲しい。
◇暗い映画だ。主人公のスタンが自分の中にある闇のままに落ちていく。だけど回りはスタンが道をはずさぬよう、闇に落ちないよう、何度も何度もたしなめてくれる。それは言葉だったりゲンコツだったりタロットだったりする。だけどスタンが自分で運命を変えていってしまうのが見ていて悲しい。ケイト・ブランシェットと出会った後半も、彼の恋人 ( 妻 ?) が何度もブレーキをかけてくれるのにスタンは落ちていく。原作小説がノワールだから見終わってから暗い気持ちになる。
◇アカデミー作品賞にノミネートされている。ストーリーは分かりやすくて、本命の『パワー~』の「なんじゃコリャ?」感はないけど暗すぎて2度見る気にならない。(『パワー~』のほうはもう一度見ようかなという気にはなったが結局見てない )
蛇足
アカデミー賞ってアメリカ映画を盛り上げるイベントだとずっと思ってたのに、何年か前に外国の作品が作品賞にノミネートされててビックリした。私は映画関係者じゃないから日本の作品が受賞しても別に嬉しいとは思わない。(『ドライブ・マイ・カー』は面白くて2度見た。ちょっと長いけど。)
なんとなく読めるオチ
ダークな寓話
1940年代のアメリカを舞台に、金と酒で身を滅ぼした一人の男が描かれる。
良くも悪くも万人受けしない作品かと。私は結構のめり込みましたが…。終始薄気味悪く鬱々としている。ジャンルはサスペンススリラーだけど、スリラーというほど怖くもない。そしてラストの展開は大体読めてしまう。やっぱりね、こう来たか〜って。
タロット占いとか、読心術とかそういった類のものが好きな人は引き込まれるはず。とはいえ、描かれるのは人間の本質だったり愚かさで。
スタンは何に怯えたいたのだろうか?何を望んでいたのだろうか?
本作で語られること、例えば父親の影響や読心術の話などは、私たちにも大きく関わることなので意外と学べることがある。
なんと言っても注目すべきはケイト・ブランシェット。彼女の妖艶さに加えた怪演っぷりには息を呑む。そして、ウィリアム・デフォーの凄さを改めて実感した。
ずっと引っかかっているのが、あの大富豪の老人の用心棒を演じた人誰だっけ?(エンドロール見過ごしました)。
めちゃくちゃ見る顔なんだけど、名前が出てこない、、、。知ってる人いれば教えてください🙏
業ですかね。
人間でいられるか、ギークになるのか
映像はかなりショッキングな連続なのですが、ストーリーは特にラスト20分くらいから落とし所は見える感じでした。
ただ、人間の業というかドロドロを上手く描写してこわいながらも惹かつけられました。
ただ、シェイプオブウォーターと同様、映像の色使いガ鉛色というか、閉塞感のある映像が続くのがどうにも個人的には抑圧感が強くて疲れました。
とても重厚な作りで見応えがあった。
美と栄光と破滅の超特急
初めてギレルモ・デル・トロの映画を観ました。ハッピーエンドではないですが、ストーリーはわかりやすく、「七つの大罪」をテーマに幻想的な世界観ですっかり没入してしまいました。
舞台は1939年のアメリカの田舎町。そこに流れ着いたのは主人公スタンは町のカーニバルで行われているショーをタダで観た見返りに後片付けの手伝いをさせられる。カーニバルの団長に気に入られたスタンはスタッフとして働くことになった。ある時、読心術を扱える老人ピートと出会い、彼の人生は大きく変わってゆく。
読心術を使った降霊術をスタンは金儲けしようと目論むのですが、絶対ロクな目に合わないなと思いました。そして、スタンの耳がある人物に銃で撃たれるシーンがありますが、結構グロかったです。自業自得かな、と思いましたが、最終的には思いもよらぬどん底になるとは思いませんでした。
かなり人間性の本質を突いている
手の内を明かして育ててくれた世界から、 強い言葉で脆い自分を隠す権力と金の世界へ
ブランシェットとルーニーの久々の共演を楽しみに見ました。時代背景も舞台設定も好みでした。
フリークスとか見世物とか悪夢に惹かれる気持ちがムクムクと出てきた。家族など身近な人への愛憎入り混じる感情や後ろめたさや過去を美化する心情、誰だって多かれ少なかれ覚えがあると思う。そんなことを考えながら見た。
職場は屋外で雨が降っても笑顔があってチョコを食べて本を読んで幸せなモリー、寒くて雪ばかりでも暖かい室内に居られるが幸せでないモリー。ルーニー・マーラ、ますます輝いていた。
鏡、煙草、ラジオ、本、占いカード、鍵、腕時計、お酒など小道具全部が効いていた。横にJesus、その真ん中のsから始まって縦にsavesとあったネオン「イエス(神)は助けてくれる」。最初は全部が灯っていたのに帰りはJesの部分だけ灯りが消えていた。何だろう?usavesとなるから「助けない」になった?多分。冒頭のギークの場面はかなりかなり苦手なので指の隙間を少し開けつつほぼ目隠ししてた。
フライヤーその他に「ショービジネス」の世界の話とあったけれどそんなんじゃなくて見世物稼業だ。だからこそ、その胡散臭さといかがわしさに私たちは惹かれる、貧しくても金持ちでも。
アンティークなミステリー
いささか長さを感じる150分
ある男の宿命を描くこの作品、デル・トロ監督特有の深みのある世界観は、それに見合う豪華キャストたちの濃厚で見応えのある演技に、デル・トロ映画のファンに限らず一定以上の満足度は感じられると思います。
ただ原作は古典作品であり、プロット的には意外性はなく150分はいささか長く感じます。特に、途中のジリジリした展開はやや飽きてしまう印象も否めないかな、と。
そういう意味では、逃げ場のない劇場鑑賞が望ましい1本とも言えるかもしれません。勿論、多くのシーンが全体的に暗く、深く、細かい造形で作り込まれている点においても、液晶画面ではそのコントラストを押さえきれないでしょう。
ま、サーチライトなので、Disney+でわりと早い時期に配信されるんじゃないかと思いますが…
オスカー候補だけど、まあまあ
宣伝にあるようなサスペンスとかノワールというようなイメージはありません。
「人生の絶望」といって肯定的に評価する人もいるかもしれませんが、話は遅いし盛り上がりやサスペンス、スリラーはなく、よく言えば淡々と悪く言えばダラダラしているので、退屈な映画といってよいでしょう。
個人的には何となく重厚で少し幻想的な画面なので結構好みです。
大まかなストーリーはわかりますが、「あの人なんなの?」「どうしてそうなるの?」「その話どう関係あるの?」みたような疑問がたくさん残ります。多分原作読めば微妙な心理とか描いているんでしょうが、映画では省略しているので結構???ですね。
とにかく2時間半かける作品ではない。1時間半で十分。
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