劇場公開日 2022年3月25日

「欲に溺れた男が迷い込んだ悪夢の小道」ナイトメア・アリー まだまだぼのぼのさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5欲に溺れた男が迷い込んだ悪夢の小道

2022年3月25日
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1940年代のアメリカを舞台に、デルトロならではの怪しく魅惑的で危険な世界観の中で、自らを過信し欲に溺れた愚かな男の姿の物語が、おぞましくも美しい悪夢のように描かれていました。

美術や舞台背景、衣装の一つ一つが素晴らしく、本作の世界観を作り上げています。特に前半のカーニバルの不思議で怪しく可笑しな空気感がとても魅力的。一見スタンは賢く器用で、一座の人間は危険で胡散臭いように感じますが、そう単純な話ではなく…。
そしてスタンが独り立ちしてからの、危ないと分かっていながら惹かれてしまう・やめられない、そんな中毒性のある危険な橋を渡る様は、俳優陣の完璧な演技と空気感も相まってとても見応えがあります。

読心術と名ばかりの詐欺師によるアメリカンドリームの成れの果ては、踏み込んではいけない悪夢の小道に誘われた結果のように見えました。

まだまだぼのぼの