「極上の心理戦」ナイトメア・アリー トラヴィスさんの映画レビュー(感想・評価)
極上の心理戦
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来日したら行きたい場所は中野ブロードウェイと発言していた素敵なデル・トロ監督の最新作。
仕事も金もないスタンがカーニバル一座に拾われて読心術を武器に成り上がる。毎回、読心術を披露する場面での心地よい緊張感が堪りません。
そして肥大した野心で大勝負を仕掛けるスタン。彼の破滅する姿が観たい…といつしか激しく望み始める歪んだ自分がいました。自業自得や因果応報を理由に他人の破滅を正当化する歪んだ自分。
騙されることによって救われるのならスタンの言い分にも一理あると思えましたが、キンボール夫妻の選択を見せられ結果に対しての責任は負えないとも感じました。
興行(ぺてん)師と精神科医と大富豪による極上の心理戦をデルトロの美しいけど体温を感じられない画作りで堪能させて頂きました。
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