雨とあなたの物語のレビュー・感想・評価
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素敵な映画
好みの問題かもしれないけど、タイトルが素敵ですよね。
実際とても素敵な映画でした。
まず、映像が素敵だと思いました。
切り抜いたら美しい絵になるんじゃないかと思うシーンが、沢山有るんですよね。
そう、ヨンホが傘に描いた絵の様に美しい情景が。
それで、この映画を一言で言うなら、初恋の人をただひたすらに待つ話。
初恋って、恋愛の中でも純粋な思いが強いじゃないですか。
その純粋さも、素敵だと思う要素になっていると思うんです。
そして、カン・ソラさんが演じたスジン、明るくて積極的。
だけど、時折寂しさを見せるの。
彼女、ヨンホの横にいながらにして、彼の事を待っている状態なんですよね。
そんな彼女がヨンホから傘をプレゼントされたシーン。
八年前の思いが込み上げて来たんでしょうね、切なさもあるけど、美しかった。
それから、最後の終わり方。
公園に車のライトが入って来たところで終わり、想像を掻き立てられますね。
そして、その後に更に想像を膨らませる事が出来るワンシーンが。
美しいストーリーと美しいシーンの数々、素敵な映画だと思います。
手紙で気持ちを伝えることの大切さ
今年207本目(合計271本目)。
※投稿が遅れていますが、調査に時間がかかったためです。
さて、こちらの作品。今では当たり前のスマホやインターネットがおよそないような、せいぜいいわゆる旧世代の携帯電話(折り畳み式携帯)が日本や韓国であったころのお話です。
この関係で、郵便(文通)によるやり取りも多く描かれます。
日本と韓国では「雨」に関する感情というか、価値観というか、それに対する考え方って似ているところも違うところもあるようです(映画内では詳しく描かれていますが…)。
ただそこは隣国という事情もあるので「多少違うがまったく異なる点はない」程度です。
また、最初に「これは待つことにまつわる物語」と表示されるように、同時に「待つこと」に関しても焦点があてられます。1か月や2か月ではなく、数年単位というお話なので、いかに「待つこと」が辛抱強く求められるのか、そしてそのあと何が得られるのか(ここはネタバレになるので回避)という点は、さすが恋愛もの韓国映画という感じで一ひねりも二ひねりも加えられているなぁという印象です。
単純に恋愛映画という分野になると思うので、考察はしにくい(というか、無理?)のですが、下記のようにしました。
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(減点0.2) 上記の通り、この物語は「郵便」による意思疎通、換言すれば、文通が一つのキーワードとなります。今と違いSNSやLINEもないので、本当にポストに手紙を投函するというようなお話です(その点では、「ヴァイオレット~」と似たところもある)。
ところが、この「郵便ポスト」は何度も登場する割に、日本語訳が何もないんですよね…。
ポストへの投函口は2つあるので、日本だと「大型郵便/手紙・はがきなど」というようになるのですが、国が違いますから、例えば「市外/市内」だったり「速達/一般」というようになっている可能性もあり(そして、「この郵便物は市外へ届けてくださいね?」って配達員(たまたまポストにいた)に尋ねるシーンもある)、やや不親切かな…とは思えます。
※ これに限らず、街の看板の翻訳漏れは結構ありますが(ちゃんと出る場所もある)、この部分、つまり「「文通をテーマにする物語」である以上、郵便関係の翻訳漏れ」は結構まずいかな…という印象です(何とでも解釈が可能になり理解が困難になってしまう)。
(減点0.1) 物語の中盤あたりで「誕生日が12月31日で、年があけるとすぐに2歳になるから…」という表現が出ます。要はここって数え年の考え方です(日本では満年齢を採用)。日本でも数え年の文化は残っていますが、いわゆる「厄払い」などに残るのみではないか…と思えます。
この点は、日本でも風習としてある程度残っているので推測は可能ですが、その範囲も少ないですし、その「残る部分」がこういったある種特殊なところになりますので、見る方の年齢層によっては「何をいっているかわからない」という可能性はあるように思えます(私が見たときは女性の方が圧倒的に多かったのですが、20代の方と60代の方とでは、この点に関して理解の差が生じるのは容易に推知できる)。
(減点なし/判断不能) このストーリーでは「56」という語がなぜか登場します。小学校の算数の授業で「4と8と14の最小公倍数は何か」という問題を出されて答えられなくて「廊下に立ってろ」というシーンがあり、10年ごしくらいか(主人公たちは、(数え年の件を度外視しても)18~20なので、これらの小学校シーンが10歳(日本では小学4年程度)としても、10年くらいの差がある)に、「あの問題の答えは56なんだよ」というシーンが登場します。
ただ、この映画のストーリーとして「小学校の思い出」というのは大きなファクターになりますが(詳細はネタバレになるので回避)、「算数の問題の答えとなる「56」」を10年越しに言ってくるということは、韓国国内では「56」という数には何か特別な意味があるのか…と色々調べたのですが(大阪市立図書館など)、特にないようです。
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お姉さんの気持ちを考えてしまった
姉宛に届いた手紙に妹が返事することで文通が始まってしまう設定は、岩井俊二監督の「ラストレター」を連想してしまう。本作はそれよりもしかけが多い感じ。
ゆったりした感じで話が展開するので序盤は若干退屈だったりする。浪人時代と現在を演じるのが同じ俳優なので場面の切り替わりが少しわかりづらいのも難点。浪人時代の同級生との絡みはかなり時間が割かれているのに中途半端な印象だ。さらに、古書店に入り浸っている男性との絡みなんかは必要だったのかな?と思えるくらい話の本筋に影響がない。
でも、ラストの公園のシーンと、エンドロール後の映像でいろいろとスッキリしたから全体的な印象は悪くない。雰囲気で押し切られてしまった。
あと、韓国的だなと感じた描写が2つ。大晦日に雨が降るのは確率が低いかなと思っていたが日本と北緯が違うから雨ではなく雪になるってことなんだな。そして小学校のチーム分けは紅白ではなく青白なんだってこと。すごく新鮮だった。
『ラストレター』みたいなお話だと油断してたら盛大に足元を掬われるので要注意!ポスタービジュアルとは全く異なる複雑な余韻を残す凶悪なのに美しくて優しい問題作
舞台は2003年のソウル。2浪目を迎えたヨンホは同じ2浪生で勝ち気な女子スジンと予備校で出会う。強引なスジンに誘われるがままに友達以上恋人未満のような微妙な関係になる2人だったが、ヨンホには小学校の時に転校してしまったソヨンという忘れがたい女の子がいた。同級生のつてで転校先の釜山の住所を突き止めたヨンホは思い切って手紙を送るが、実はソヨンは重い病気で入院中であり手紙を受け取ったソヨンの妹ソヒは姉に代わってヨンホに“質問しない、会いたいと言わない、会いに来ない“という条件をつけて文通を始める。文通を続ける中でヨンホの想いはどんどんと膨らみ、ソヨンに会いたい気持ちを抑えられず苦肉の策として“大晦日の日に雨が降ったら会おう“と提案をするが、待ちに待った大晦日は快晴で・・・。
という岩井俊二監督の『ラストレター』や新海誠監督の『言の葉の庭』みたいなあらすじかなと観る前に勘繰っていて、実際なんだかそんな感じのストーリーが始まるのですが、登場人物の誰にもうっかり感情移入できない微かな違和感がずっと漂っていてかなり戸惑いました。そんな不協和音も気にならなくなり2003年と2011年の間を自在に行ったり来たりしながら展開するいかにも韓流らしいキラキラした物語に身を委ねているとものすごくさりげなくかつ軽やかに卓袱台がパタンとひっくり返されて、さすがに“オーマイガー・・・”と普段全く口にすることのない言葉が喉から転がり出てきました。よくもまあこんな凶悪で美しい話を思いついたなと呆気に取られると同時に果たしてこれは美しいのか、一番残酷じゃないのかと様々な疑問符が脳内を駆け巡りました。それくらい複雑な余韻を残す問題作です。じゃあダメなのかというと全然そんなことはなくて、ラブストーリーが大好きな人にこそ観て欲しい。メインストーリーの周りに散りばめられていた様々な人々が織りなす痛烈な喜怒哀楽が甘味をこれでもかと引き立てています。
個人的に胸を打たれたのが自分勝手なタイミングでヨンホを振り回すスジンの存在。自分の気持ちに忠実でマイペース、一途な思いを忘れないヨンホに付かず離れず寄り添いながら深い悲しみを湛えた瞳をきらりと輝かせるカン・ソラの絶妙な演技、メインストーリーがどこかに飛んでいってしまいそうな圧倒的な存在感にすっかり心を奪われました。
ちなみに一番厄介なのはこのポスタービジュアル。こんなシーンどこにもないです。あと鑑賞特典としてヨンホを演じたカン・ハヌルの生写真をもらいました。レトロすぎて逆に新鮮でした。
韓国鉄板ラブストーリー
ドラマ程のレベルは2時間では流石の韓国も出せなかったが、それに近い内容で映画に。あのお得意の韓流音楽に哀しげな演出は流石です。
ラストにかけて畳みかけるように切なさが増します。
終始なんか温かくゆったり観れる映画でした。
平均点が高いラブストーリーかな。
韓流好きなら皆んな普通に楽しめるはず!
韓流ドラマファンにお薦めします。
全編通してゆっくり時が流れていく映画だったのに なぜか、 ひととき...
全編通してゆっくり時が流れていく映画だったのに
なぜか、
ひとときも気を抜かずに全力で見てました。
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