劇場公開日 2021年12月17日

「【”雨の12月31日を待っている・・。”文通で育まれる恋心を描いた作品。構成を含めて、実に巧い恋物語である。ラストで明らかになった真実も、とても良いと思った作品でもある。】」雨とあなたの物語 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”雨の12月31日を待っている・・。”文通で育まれる恋心を描いた作品。構成を含めて、実に巧い恋物語である。ラストで明らかになった真実も、とても良いと思った作品でもある。】

2022年11月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■スマートフォンもSNSもなかった2003年の韓国。
 ソウルの予備校に通う2浪生・ヨンホ(カン・ハヌル)は当てもなく小学校時代に、運動会の際に転んだ自分に優しくハンカチを渡してくれたコン・ソヨンに手紙を出す。
 一方、釜山に住む古書店を営む母を手伝う、ソヒ(チョン・ユヒ)は姉のソヨンに届いた手紙を受け取った。
 ソヒは病気の姉に代わって、ある約束を条件にヨンホと手紙を交わし始める。

 ・ある約束
  1.質問をしない
  2.会いたいと言わない
  3、会いに来ない

  それに対し、ヨンホが応えた文章。
  ・もしも、12月31日に、雨が降ったら会おう・・。
  - けれども、何年も12月31日に雨は降らなくって・・。

 ・ヨンホと同じく2浪のスジン(カン・ソラ)が、彼に惹かれて行く姿も、とても良い。

<今作を観ると、人生は学歴だけではないんだな、と気付かされるし、大切な人とSNSではなく、手紙で遣り取りする姿が、とても新鮮に感じた作品。
 邦画で言えば、岩井俊二監督の「ラストレター」を思い出した作品である。
 ラストの捻りも、とても良いと思った作品でもある。>

NOBU