よだかの片想いのレビュー・感想・評価
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雰囲気が湿っぽいけれど、そんなに悪くない
人間は複雑だ。相反する想いを抱えることもある。主人公アイコにとってそれは、見られたいという想いと見られると恥ずかしいという想いだ。
過去のエピソードから、アイコがなぜそうなったのかを紡ぐ物語は実に丁寧だ。
言い換えるならば、アイコというキャラクターのみに当てはまる特別さを構築しようとしている。
逆にいえば、アイコの気持ちに普遍性が少ないので、本当の意味で彼女を理解するのが難しくなる。
それが悪いわけではない。極端な話、物語とは多くの人に当てはまる普遍的なものか、オンリーワンのキャラクターを紡ぐか、の二通りしかないのだから。
しかし振り返ってみると、ついつい顔のアザのことに触れがちだが、別にアザなんてなくともこの物語が成立してしまうことに気付く。
つまり、容姿に多少のコンプレックスを抱いている人全てに当てはまる普遍性を有しているともとれるわけだ。
で、結局何が言いたいかというと、人間は一人一人考えていることは違うのだから相手の気持ちを完全に理解するのは難しいということだ。それが異性ともなれば、ほとんど何も分からないと言ってもいい。
自分の判断で相手の気持ちを決めつけ、間違った寄り添い方をしてしまう。
逆に、多くの人が「失言」だと思ったとしても、言われた本人にとっては嬉しい言葉かもしれない。
そして、仮に嬉しい言葉を言われたからといっても、その人が自分を理解しているとは限らないのだ。
やはりアザのことに目がいきがちだが、結局は、男と女のすれ違いに関する普通の恋愛映画だったように思える。
ものすごく面白いわけではないし、少々湿っぽい雰囲気であるが、作品としては悪くない。
薄らして眩しい輪郭を描く
2022年劇場鑑賞71本目 秀作 68点
品がある作品
松井玲奈のピュアで直向きに自分と向き合い他者と距離を置いて生きてきたキャラクターがよく伝わります。
些細なきっかけで他者の介入を認めどんどん沈んでいく遅咲きの青春をしっとりと描いていて、すごく心地いいし綺麗。
最後のダンスは映画でよくある締め方ですが、多分まだ当方の教養が乏しいんでしょうね、なんか毎回あ、踊り出したわで少しだけ萎えちゃうんですよね、笑
けど決してはっきりとした色味でなく、薄らとした印象だけど眩しく輪郭を描いているような今作は映画好きな邦画信者にはしっとりと心に届くような、そんな作品でした。
是非
アザがあるから感情移入しにくい...それこそがこのテーマかも
「偶然と想像」や「愛なのに」で中島歩が好きになり、お目当てで鑑賞。
監督曰く、飛坂役は中島歩しかいない、とオファーされたそう。
イケメンなんだけど、不器用で天然で、恋愛下手という役をとても自然に演じている。出演作品、全部おなじような役だけど、どれもはまり役である。
作品はというと、全体的によだかの星が意識された作品で、アザとよだか、鷹を意識したダンスなど、一貫性がたもたれていて観やすかった。
そして、松井玲奈の顔のアザ。松井玲奈は映画で観るのは初めてだったけれど、あんまり印象に残らなかった。なによりアザが気になってなかなか感情移入ができなかった。
しかし、それこそが、この作品のテーマだと感じた。自分の中で、いかに見た目が占める要素が大きいかと痛感したのが観終わった感想である。
脚本としては、お決まりで予想のできる展開ではあったが、テーマ性としては良い作品だった。
2023年劇場鑑賞20本目
全体に漂う雰囲気が良かった。疑心暗鬼や嫉妬や自己嫌悪がうまく伝わっ...
全体に漂う雰囲気が良かった。疑心暗鬼や嫉妬や自己嫌悪がうまく伝わってくる。相手(または自分)のずるさ、汚なさ、弱さも十分察知していても好きになっちゃったり、やっぱり嫌いになっちゃったり。世の中に二人だけしかいないわけじゃなく、ちゃんと見てくれている人やさりげない思いやりが優しかったりしたね。
コンプレックスと共に
コンプレックスと折り合いをつけながら、自分なりに生きていた主人公。
自分には強い人間に見え、自身を鑑みたときに何だかコンプレックスを隠したい気持ちになる自分が情けなくなる。
普通にいい映画ですよー
悩みへの多様な向き合い方
何らかのコンプレックスや悩みは誰もが持っていると思いますが、第一印象となる顔にコンプレックスがあるというのは、何より傷つく体験が多かったはずです。
それを感じさせない凛とした振る舞い、だけど恋愛となれば自信の無さや未熟な一面も出てしまう。そういう主人公を松井玲奈さんが演じられていて素晴らしかったです。
また、中島歩さんは他の作品でもそうですが、恋人に怒られたりする時の反応がものすごく親しみがわきます。
作品中にある「全てをさらけ出して受け入れてもらう必要はない」というのはまさにその通りで、打ち消すことも、乗り越えることも、共生することも良い。そんな選択肢の幅を感じさせたもらいました。
身近なものに例えたがる
顔にアザのある女が映画監督の男に恋する話。
よだかは名前ではなく比喩らしい。
あまり語らない、静かにしっとりとした流れの作品。やや物足りなさもある。
良い点
・立場による意識の違い
悪い点
とくになし
その他点
・色々な湖があるが
今なお燃え続けるよだかの星。
めちゃめちゃ好きです。予告からいいな~と思っていましたがしっかり上回ってくれてラストシーンは涙腺が緩みまくりました。見た目のコンプレックスを抱える女性に左側から光をあてた良作。
ストーリーはもちろんのこと、キャスティングが素晴らしい。言うことなしです。松井玲奈の雰囲気がアイコに本当にハマってました。そして青木柚がまた良い。告白のシーン男前でした。アイコの左側に惹かれた飛坂と内側に惹かれた原田。どうか原田の恋がいつか実を結びますように。
自分の半分を好きになれないアイコが自らの言葉を紡ぐことでその左側を受け入れてゆく。手術で綺麗になると夢のようなことを言われているのに何故か動揺する。そんな自分自身に困惑する。私は私を愛し始めたから。本当にここで予告の上手さが最大限発揮されている。名前を捨てなかったよだかは星になって今なお青く燃え続けているそうです。
受容の過程。
主人公の顔に生まれつきの痣と、ボディーイメージに対して。たくさん傷つきながらも、重要な他者との関わりや、経験の中で、受容していく過程を描いた物語。個人的には、研究室の男の子に対して、頑張って、アイコを落としてくれ~ってエールを送りたい。
可もなく不可もない作品だった感じ。
(not)HEROINEmoviesの2本目。
木竜麻生さん主演の1本目は自分好みで良かったけど、本作はあまり心に刺さらなかった感じ。
大学の研究員。生まれつき顔にアザがあるアイコ。
映画監督の飛坂。
アイコの大学の友達のミュウ。
この三人が軸となり展開するストーリー。
アイコに興味を持ち、彼女の映画を作りたくなった飛坂。
最初は映画化に躊躇していたアイコ。
飛坂の過去の作品に共感し映画化を承諾。
次第に彼に好意を抱いていくストーリー。
アイコ役の松井玲奈さん。
初めて観る女優さん。
いまいち特徴が無いんだけど独特の雰囲気を持った役者さんの印象。
キャラ的に影を持った役なので、他の作品を観たくなった感じ。
本作は恋愛映画の認識だったけど、ミュウのある事故を切っ掛けにしたアイコの成長物語だった印象。
アイコと飛坂のデートのシーンがなかなかリアル。
久し振りに手漕ぎボートに乗りたくなる(笑)
一緒に料理を作るシーンも良かった。
鑑賞中、「よだか」の意味が解りナイスなタイトルだと思った。
アイコの顔のアザ。化粧すれば隠せるだろっ!
って思いながらずっと鑑賞してました( ´∀`)
とてもいいもやもや感
独特な雰囲気がある。原作は島本理生なのか。安川監督はDressing upは観たことがあるが確かにこんなもやもやな感じはあったかも。もやもやはいい意味で。
もちろんもやもやは主人公の設定でもある。肉体的コンプレックを抱え、それが故に子供時代に一瞬だけ優越感を感じ、その光が常識的親切心から消えたりを経験し、そんなもやもやした思いを抱えて大人になった女性。それを松井玲奈が好演。かなり適した配役。凛としてまっすぐ、でも常識と非常識、好奇の目でも見られきた中でのプライド、そして人を見る目、など独特なキャラクターには会っていた。そして映画監督を中島歩のへなへなした日常性が包み込む。
もやもやはセリフがないところの空気感。もやもやというかふらふら、というか、そのキレぎわにパッと差し込む何か。部屋を漂うカメラの流れでふわっとキスに至るところや、撮影現場で主演女優がさっと入り込むところとか、そして最後の雲間の奥の光に手を向けて踊り出すところ。
痣は結局とることもできるし、化粧で隠すこともできることになった。でも痣と痣があるからこその視線というものをなくして生きていくことはないだろうそのもやもやした、でもその先に光がある感じで貫かれた映画だった。
「遅い初恋」を描いた傑作恋愛小説、という宣伝コピーをみて
別の方も書かれていましたが、30年の歴史を刻んだ「テアトル梅田」閉館の最後の封切作品ということで、特別な気持ちを持ってこの作品を観ました 劇場との別れのために
島本理生さんの作品は、北川景子さん、松本潤さんなどの主演作になるなど、女性の人気があり、この2作は豪華キャストで派手な宣伝がされていた 一方本作は公開劇場も少なく、これからの若いキャストを揃えていたが、予想に反して「傑作」で、松井玲奈さんが「遅い初恋」に心が揺らいでいく、その様が、初々しさ、儚さ、そして今まで生きてきた強さに、最後まで引きつけられました
目に見える形での障がいを描いていますが、逃げることなく生きてきたのに、「初恋」はその生きざまを揺るがしてしまうものなのですね
藤井美菜さんは「しゃぼん玉」でも溌溂とした女性でしたが、弱い面をみせながらも「いい先輩」でした 個人的には池田良さんのファンでして、脇の脇のような役も多いのですが、気になる作品の隅の方にいつもいる、キャスティングされることが多くなった方だと思います
アイドルグループから女優になろうとされる方も多く、近くでは川栄さんなど大化けする逸材もいますが、松井さんもとても楽しみです (9月29日 テアトル梅田にて鑑賞)
ヨダカ胸を張れ。
松井玲奈カッコいい。
SKEの人なんですね、知らんかった。
昔の写真見たら髪長いのばかり、、短い方がこの顔に合うと思う、首も長くて美しい。
昭和のイケ面、中島歩も最近お気に入り。
低い声と時々不誠実な感じの喋り方がおもろい。
さて原作未読ですが、たぶん原作が良い。
顔に痣がある女性の恋バナなんですが、彼女の視点から語られる痣との共存が新鮮です。
私は琵琶湖の学校のシーンがガツンと来ました。
あとは恋愛経験少な目の人にありがちな余裕の無さ、束縛、謎の自己否定で自滅、、。
最後のシーンは無駄に引っ張ったのが良くなかったと思う、なんか着地が緩くなった気がする。
宮沢賢治は凄いと思うけど、私は苦手です。
監督、キャストのトークイベント付き
「48グループ」マニアとしては観ておかなきゃ・・・!?勿論、「松井玲奈」だったら最高だったけどトークイベント付き上映回なので足を運んだ!
「よだか」=「夜鷹」、売春婦の恋愛話かと想って居たけど違ッていたね!?昨晩は移動で殆ど寝て居なかったので所々しか憶えていない・・・!?折角なので体調万全で観に往きたいものです。
監督、私の左隣に座っていただけませんか?
左頬に大きい青アザ(太田母斑)があるために恋愛に消極的な大学院生が出版社に勤める友人の企画した本がきっかけとなり、イケメンの映画監督と付き合うことになった話。
宮沢賢治の自責の念から太陽に向かって飛んで行って、燃え尽きて死んでしまう可哀想な醜いヨタカの話にちなんだ題名ですね。江戸時代の夜鷹(遊女)も侮蔑的な呼び名で、ちょっと差別的な題名の映画だなぁと思いました。小さい頃、母親に「早く寝ないと夜鷹が来るよ❗」ってよく言われたものです。(ウソです)
松井玲奈さんは美人だもんな~
全然ひねくれてないし、性格いいし。
それに意外と積極的でしたよ。
片想いは余裕で越えられていました。
猫は逃げたでも好演だった手島美優さんは今回もとても魅了的でした。
キム・ギドク監督作品に体当たり演技で出ていた藤井美菜さんもサンバカーニバルの衣装で大いに魅了してくれました。
青木柚君もチェリーボーイ的なあれがナイスでした。
「さかなのこ」では大タコをコンクリートに叩きつける一風変わった厳しいお父さん役だった三宅弘城さんがとても思い遣りのあるイイ教授の役で、ちょっと面食らいました。
中島歩さんはずっと一歩引いてアイコに接するような、腰がちょっと引けてる感じがよかったとおもいました、
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