「ジェイクという配役」THE GUILTY ギルティ せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
ジェイクという配役
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緊急通報センターに女性から「殺される」との通報があり、その女性をなんとか助けようと暴走する主人公の話。
デンマーク版を見ていたのでどんでん返しを楽しむのではなくて、主人公の行動をわりと冷静に見れたり、逆に電話の向こうの人達のバックグラウンドを想像出来て面白い。
序盤の主人公の通報者への対応で、通報者を公平な視点で見れてない(特に男性と女性への自分の固定的な価値観で対応している)ことが提示されてる。この時点で主人公はちょっと信用出来ないことは読み取れるし、そこにジェイクという配役なんて、オチを知らない人でももう既に怪しいのよ(笑)
さらに、主人公は1度自分がこうだと思えばその思い込みだけで突っ走っているので、この通話だけというシチュエーションが上手く効いてくる。電話の相手の返答をよくよく聞くとあんまりハッキリした答えをしてないのに、客観的に見ることをせず自分の想像する状況と勝手に結び付けてる。
さらに私は作品をリメイクするなら何かリメイクする意義があった方が良いと思ってるんだけど、今作ちゃんとアメリカ版になってたと思う。主人公がアメリカの警官ってなると、絶対黒人射殺事件が頭には浮かぶ。
これは私の勝手な推測だけど、息子が「お父さんを連れてっちゃうから警官は嫌い」と言っていたり、明らかに生活に困っている状況から、あの電話の父親は恐らく黒人の人だと思う。そして過去の逮捕歴も冤罪または白人よりも重くされた罪の可能性はかなりあると思う。主人公が殺した少年もきっと黒人の子だろうね。
ただ、最後の主人公への救い(?)の描写がちょっとハリウッド的すぎるかなって。もっとスパン!って終わって欲しかった。
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