劇場公開日 2021年11月27日

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「多くの方々に見ていただきたい作品です。」私は白鳥 バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0多くの方々に見ていただきたい作品です。

2021年11月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

さすがチューリップテレビ制作作品です。
「はりぼて」に続いての傑作です。

群れから離れたオオハクチョウと
一見エキセントリックで変わり者と言われそうな
澤江さん・・・二つの「異」が描かれる
「変わらぬ日常」の物語です。
そこで描かれるのは生きていること、生き抜くことの
素晴らしさであり、感謝であり、継続するからこそ
生まれる奇跡の存在なのです。

「一生懸命に【今】を生きていこう」

なんてメッセージが聞こえた気がしました。

チューリップテレビのカメラはさしずめ
定点カメラのようです。
(上映後のトークで多大なる工夫と努力の
結果であったことがわかりましたが(笑))
付かず離れず、一定の距離感を持って
オオハクチョウと澤江さんを3年にわたり追います。
そこには妙な使命感があるわけでもありませんし、
面白い映像を捉えたいという下心すらないです。
見守るのみです。淡々と見守った結果の作品です。

その距離感はまさに澤江さんとオオハクチョウの
距離感に他ならないのですね。ですから手垢に
まみれた映像なんてない、事実しかないのです。
それだけで上質なドキュメンタリーです。
そして、そこに映されるのは「生き抜く」という
努力の結果がもたらす混じりっ気のない
出来事(奇跡)なんですよね。

前述しましたが、その奇跡って、生き抜いていたら
味わえることなのかもしれません。
生きていればいいことある。きっとある。
大事なものに心血と愛情を注ぎ、
毎日を真摯に過ごしていたら、きっと。

真摯な撮影スタッフとカメラの前に
「変わらぬ日常=奇跡(が生まれる)」が
訪れたのかもしれませんね。

そんな素敵な一本です。
是非是非、老若男女多くの方々に
見ていただきたいです。

傑作。

バリカタ