「『僕』よりはわかりやすい」君を愛したひとりの僕へ コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
『僕』よりはわかりやすい
根源的な「小説の映像化における難である説明セリフ先行」の問題は、『僕が愛した〜』と同じく存在します。
合っているのかどうか分からない理論説明が長すぎるものの、対話で説明する形をとっているだけ、まだ『僕が愛した~』より見やすかった。
またラストで「何が起きたか」が理解しやすい点で、フィルムとしての出来はこちらの方が好きかな。
あと、『僕が愛した~』は中学生みたいなプラトニックで構成されているが、こちらには少し性(セックス)の香りがあり、綺麗事の裏にある生臭さも描いていたのに好感を抱きました。
2本まとめて観る前提=2本で1作で作られているため、どっちが上とか言うことが不毛ではありますが。
主人公の声の宮沢くんに加えて、蒔田彩珠も棒気味で。
当てている本作のヒロインは、『おかえりモネ』のみーちゃんの陰っぷりに近いキャラなんだけども、声の演技指導的にあともうひと押し努力が欲しかった。
TVエヴァ『Fly Me To The Moon』みたいなエンドロールに吹いた。
どっちが先がいいかと、宣伝側がSNSで話題喚起をしていたが、「時間が合う方が先でいい」「ただし、間をおか当日か翌日くらいに2本とも観た方がいい」「1本観ただけじゃわからない」が私の感想と薦め方。
とはいえ、かなり設定厨が作ったようなSFテイストが強く、ジブリや新海誠作品が好きなような人みたいに、一般向けかというと違う。
また、いわゆるラノベ系のアニメ化というより、拗らせたセカイ系みたいなフィルムなので、アニメファン向けとも言えず、ターゲット客層が狭そうなことは言っておきたい。
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