「1stの作画崩壊の鎮魂果たす」機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 bluewaveskyさんの映画レビュー(感想・評価)
1stの作画崩壊の鎮魂果たす
ガンダムごっこで、『ドムは装甲が厚いから今のはやられてない』というやりとりの小競り合いをしていた世代だが、ここでの星が伸びてないので『ククルス・ドアンの島』は上手くいかなかったのかなと思っていたが、いざ鑑賞してみると見応えある作品となっていた。
子供達が多く出てきてジブリのようとの一部批判があるが、リアルでは東欧で戦争が泥沼化している時節柄、意図した訳ではないでしょうが反戦のメッセージとなっていて、これはこれで良かったと思う。1st世代にとってホワイトベースの面々の見せ場が一通り入っているのも好感を持った。
ラストのドアンのザクをアムロのガンダムが葬るストーリーは、1stの15話を踏襲していた。制作時に安彦監督が病欠で有名な作画が崩壊したシーンだが、本作はこれが答えだとばかりそれを払拭した写実的なシーンとなっており、富野由悠季監督と共に全共闘時代とアニメ初期の戦場のような厳しい現場を駆け抜けた安彦監督の鎮魂の目的は果たしていると感じた。純然な1stの制作者が首班のガンダムが事実上最後となると、1st世代にとって少し寂しい。
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