「安彦監督大変お疲れ様でした」機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
安彦監督大変お疲れ様でした
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勿論、今後も何かの形で関わる事、又はやはりもう一本撮ろうと思うことも可能性として、ないことはないと信じていることも付け加える
そもそものテレビ版のいわゆる"鬼っ子"回をクローズアップしたこと自体の否定的論評も相俟って、ハッキリと今作の罵倒的評価を下すレビュアー達の感想を覧るに付け、心が冷えていくことをどうやって防ぐかに始終している自分がいる
ネット社会の弊害をこうして目の当たりにして、こんなに"分断"という舞台を作るのが果たして楽しいのか、心が痩せてしまう
今作品の最大のキモは、ガンダムが生身の人間を"踏み潰す"という、凡そロボットアニメでは演出を避けるシーンを逃げずに盛り込んだ事である。それは"天安門事件"の戦車のシーンを否が応でも思い出してしまうショッキングなシーンとオーバーラップしてしまい、人間という生物が、如何に簡単に虫の様に潰せてしまう程か弱いのだということを表現することに監督は自身の戦争体験から、現代社会に投げ掛けるテーマ性の帯びた作品としての作劇なのであろう。"ガンダム"はあくまでそれを演出する為の"手段"であり、纏うことでより多くの観客に訴える事の出来るコンテンツに過ぎない。
勿論、それだけでなく、デフォルメの強い安彦琉のコメディ演出や昭和時代の演出手法は好き嫌いの分れる所であるが、それを含めて監督としての色を包括的に評価すべきことであり、自分と合わないからこき下ろしていいんだという偏った意見を表明すべきではないと改めて強く決意する内容である
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