ドント・ルック・アップのレビュー・感想・評価
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反骨精神でエスタブリッシュメントを笑い飛ばす
アメリカ映画にしては珍しく、権力者と大富豪を徹底的に茶化した作品である。それもそのはず、監督、脚本は「バイス」のアダム・マッケイだ。同監督の「マネー・ショート 華麗なる大逆転」もそうだったが、基本的にコメディ作家である。反骨精神がそこはかとなく感じられるが、エンタテインメントとして十分に成立する作品をうまいこと作っていた。本作品にも、反骨精神でエスタブリッシュメントを笑い飛ばす豪快さがある。 物理学は数式で記述される。相対性理論も量子力学も、論文の殆どが数式で埋め尽くされている。相対性理論を入門書から読んだことがあるが、初級から中級になると数式が増えていき、ローレンツ変換の数式を見たときは、自分には理解不能だということが理解できた。 天文学も物理学と同様に数式が重要な役割を果たす。主人公ランドール・ミンディ博士も、教え子のケイト・ディビアスキーが大発見をした彗星の動きについて、数式をもとにした解説をする。しかし難解すぎて一般人には理解できない。大統領にも首席補佐官にも理解できない。 そして、理論を緻密に積み上げてきた科学者よりも、なんとなくでしか理解できない大統領の方が圧倒的に立場が上だ。このギャップが本作品の面白さのコアになっている。世の中はいつでも、バカが利口を支配しているのだ。 数学をもっとやっておけばよかったと思うのは、大人になって暫くしてからだ。世の中を理解するためには、数字を紐解かねばならない。紐解くために必要なのが数式である。どの数字をどの数式に当てはめるとどんな結果が出るのか。全体像を浮かび上がらせるための数字を導き出すにはどうすればいいのか。グロスとネットの関係がわかれば国内総生産の中身も理解できるかもしれない。 しかし多くの人々は数学に精通していない。相対性理論を記述する数式の羅列を見ても何も理解できない。そして大抵は、理解できなくてもいいと思っている。学者が難しい話を始めると、理解しようとする前に遮って、簡単に説明してくれと言う。勢い、結果だけを伝えることになり、理論が置き去りにされる。学者にとって重要なのは結果を導き出す理論であり、元になったデータの確からしさである。 しかし人々は結果だけを求める。結果が間違っていたら学者を非難し、当たっていたら事態の対処に追われる。もし人々の殆どが数学に精通していたら、そうはならない。結果よりも理論に興味が注がれ、多くの人が結果についての蓋然性を自分で把握することが出来るだろう。しかし教育レベルが低すぎて、誰も理論を理解しようとしない。 地球温暖化について、どれだけの人が数式で記述できるだろうか。ほとんどの人が皆目見当がつかないだろうし、かくいう当方にもできない。北極の氷山が解けても海水面が上昇しないことはアルキメデスの法則で理解できるが、陸地の氷河や南極の氷が解けて海に流れ出したら、間違いなく海水面は上昇するだろう。それを数式で記述してみたい。温室効果ガスの増加と気温上昇の関係についても記述してみたい。本当なのか嘘なのか。やっぱり数学をもっとやっておけばよかった。 ディカプリオは世間知らずの学者を好演。ジェニファー・ローレンスは本作ではセクシーな役をケイト・ブランシェットに譲って、ひたすら天文学に励む正義感の強い学生を熱を込めて演じている。ローレンスの新しい一面が見えた気がする。メリル・ストリープはアホな大統領を楽しそうに演じていた。この人はもう名人だ。他の役者陣についても、作品の世界観がわかりやすいから、皆のびのびと演じているように見えた。アメリカのコメディ映画としては秀作。
「ブラックコメディ」と「おバカ映画」の絶妙なバランス感覚
「隕石衝突」と聞いて、最初は「アルマゲドン」のコメディ版かと思った。
でも違った。
「隕石衝突」は「温暖化」のメタファーで、
キレたジェニファーローレンスがネットで茶化されるのは、グレタさんなんだな。
そう考えると、「隕石」という「人類存亡の危機」でも、「政治的左右の対立」から逃れられない、というのは、ますます「温暖化を巡る現状」に一致する。
(赤い帽子の隕石否定派なんて、トランプ支持者を茶化してるでしょ。)
そんな真面目なテーマを扱い「コントかよ?」という展開に驚きつつ、「おバカ映画」まで堕ちない、という絶妙なバランス感覚は、数々のおバカ映画を作り、さらに真面目な映画でオスカー候補にもなった、マッケイ監督ならではだろう。
シニカルなキャスティングと過程を楽しむ映画
ディカプリオがチェックシャツとメガネの科学者!?似合わんと思ったらぴったりでした笑
映画ファンはキャストだけでもお腹いっぱい
ティモシーシャラメはいつ出るんだ?キャストにいなかったっけ?と思った頃に登場
後半からの登場であの存在感よ
呪術廻戦の虎杖も推してるジェニファーローレンスはやっぱりイイね!
過程はとてもシニカルで終始にやにやして観ていたが、
最後の最後まで落ちが予想できず。
鑑賞直後は、不謹慎にももう少し派手な絵が見たいと思ってしまった。
が、数時間後。アダムマッケイ作品は今回初めて観たし、期待してた方向性がちと違うのでは?コメディの最後としてはあれくらいのふふって感じのオチでいいのかもと思い直した。
観た後にあれこれ人と話したくなる映画なのは確か。
皆さんはあの結末はどう思いました?
結末をどうこう言う映画ではないのかもしれませんが。
人は信じたいものを信じる、その絶望を延々いじり倒す凶悪さは『日本沈没』よりも遥かに痛烈。レオ様の最高傑作に突然躍り出た爽快感がハンパないSFコメディ
大学院生のケイトはすばる天文台で天体観測中に新しい彗星を発見、ミンディ教授以下の観測チームは世紀の発見に狂喜するが、ミンディ教授が軌道を計算するとその彗星が地球に衝突する可能性があることが判明、残された時間は半年余り。一刻も早く世界中に知らせようとオグルソープ教授の協力を得てホワイトハウスを訪れるが、オーリアン大統領はスキャンダルの渦中にあり地球の危機どころではなかった・・・というツカミから疾走する社会風刺コメディ。 人類滅亡の危機がそこまで迫っているという余りにも突拍子もない兆候が絶望的過ぎて誰も信じてくれないという焦燥を延々こする序盤。眉間に深い皺を寄せて奔走するミンディ教授を演じているのがでっぷり太ったレオナルド・ディカプリオ、彼と行動を共にするケイトを演じているのが鼻ピアスのジェニファー・ローレンスというもうこれ以上ないレベルの見事なタッグの熱演が大爆笑。そこに立ちはだかるオーリアン大統領、首席補佐官のジェイソン、人気番組“デイリー・リップ”の人気キャスターのブリーといったクセしかない強烈なキャラクターをメリル・ストリープ、ジョナ・ヒル、ケイト・ブランシェットといった豪華スターが軽妙に演じているので緩急入り乱れる様々なギャグの応酬が腹筋に過大な負荷をかけてきます。中盤以降はいよいよ危機に立ち向かおうとする人類に知らされる彗星の正体、暗躍する大企業の陰謀といった燃料が投下されていよいよ物語は更に加速し、ブチ込まれるギャグもどんどんとエゲツなさを増していきます。 要するに、“人はただ自分が信じたいものを信じるのであってエビデンスの有無は全くもってどうでもよい“と言う全世界で疫病のように蔓延する風潮を、トランプ政権下での数々の愚行やGAFAの台頭をはじめとする様々な現実を巧みにフィクションに取り込んでこれでもかと皮肉り倒して観客をキリキリ舞いさせた後に壮大かつ元も子もないオチに突き落とします。この辺の意地の悪い凶悪さは『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』辺りと通じるものがあり、実録ドラマでは抑制が効いているアダム・マッケイの底意地の悪いハイセンスなシャレが解き放たれた感あり、これ以上ないくらいの爽快感が終幕に漂います。 アダム・マッケイ作品なので尻尾の先までシャレが詰まっているのをご存知ない方が多いのか、ただでさえ少ない40名程度の観客のうち、4、5名がエンドロールの最中に退席。残念ながら彼らは本作のホントのオチを知らずに帰宅してしまったわけで他人ながら気の毒でなりません。本作に限らず客電が落ちてから点くまでが映画、メンドくさいとは思いますが、トイレはこれでもかというくらい繰り返し上映前に行っておいた方がいいと思います。
お花畑の中心で危機を叫ぶ
大学院生と大学教授が6ヵ月と14日後に地球に衝突する彗星をみつけるが、政府も社会も真剣に向き合わず困惑する話。 彗星をみつけて喜んだのも束の間、何度計算してもその彗星が太平洋に落下することが判明し、ホワイトハウスに報告しにいくも…というストーリー。 自身のスキャンダルへの対処に躍起でまともに話を聞こうともせず静観して精査すると宣うゲス~いアメリカ大統領に始まり、恐怖の大王的なものだろう?ぐらいの扱いであしらうゴシップTVショーとか、ちょっと下品でブラックなコメディで展開していく。 お約束のI Don't Want To Miss A Thingな流れになるのかと思いきやそこはやっぱりブラックコメディだったりと、なかなか風刺がきいていて面白かったけど、それ一辺倒だから中盤以降飽きてしまって少々冗長気味。 そこそこ潔いラストの展開はなかなか良かったかな。
ふざけた映画だ。圧縮したら現在の姿かも
( ^ω^ ) Netflixで2021年12月24日から配信するそうだ。 なにも映画館で入場料を払って見る様な映画ではない。 そう、少し待てばネット配信されるのだから。 そんな戯けた映画だ。 現在自身が、真実よりも話題性だけ、金勘定を優先にしたメディア社会に出来上がった。 そんな社会が終焉する時、 私は何をするか? ふと、考えさせられる。 映像では幾通りもの回答が映し出され、 ストーリーでエンディングの後も あるので見逃さないように(ᵔᴥᵔ)
何かを入れ忘れた?
アダム・マッケイ × レオナルド・ディカプリオ × ジェニファー・ローレンス‼︎ . 地球に衝突する彗星を発見した天文学者・ディカプリオと教え子・ローレンスが地球/人類を救うために奔走するちょっぴりシリアスなドタバタ。 . メリル・ストリープのどアホな大統領やら、ケイト・ブランシェットの性欲に忠実なテレビ司会者やら、ご本人のまんまのアリアナ・グランデやら、紅組の脇は超強力だった。 . しかし、大統領の息子で補佐官のジョナ・ヒルはさらにどアホだったし、「ビル・ゲイツ」ライクなマーク・ライランスは人類の一番の敵だったし、登場に驚いたティモシー・シャラメはローレンスといい仲になってしまうし、白組も負けていなかった。 . シビア&シニカルなエンディングも悪くないんだけどなぁ。 . 何故かブラックなユーモアも感動も自分には足りなかった。 . . 実は観始めてすぐ、臨終の床で観ようと思っているラース・フォン・トリアーの「メランコリア」を思った。これがダメだったのかもしれない。 . 地球を道連れにするかの如く安らかに惑星の到来を迎えるキルスティン・ダンストの姿を思うことがある。衝突の瞬間に逝けたらと思っている。
シリアス過ぎないけど考えさせられる
netflixの当たり作。 劇場で観られてよかったです。 有名俳優さんがたくさん。 演技もストーリーも良かった。 変に救われる話だったらがっかりだったけど。 納得の結末でした。 実際、自分ならどうするのかなと思いながら観てました。
アダム・マッケイの作品ということを認識したうえで見る人には面白いと思えるかも
少なくとも、NETFLIXとSF映画の親和性は低いと思っている自分には合わなかった。 そもそも、コメディって人々の日常生活から生まれる笑いなのに彗星衝突〜人類滅亡なんて荒唐無稽が過ぎて、笑いにすら持って行けてない。 アメリカ人の感性ではこれでもウケるのか? メリル・ストリープのヌードはブラックジョーク? オールスターキャストで話題作りは上手くいったかも知れないが、わざわざ劇場で見るほどの内容かは疑問。 NETFLIXユーザーなら自宅で流し見で充分かな。
「お楽しみ」はラストに2回あるので注意/200本見てよかった映画など
---- 2021 12/15 誤字脱字を修正 ---- 今年201本目(合計265本目)。 いつもは行かないシアタス心斎橋さんですが、放映されている場所が極端に少ないためここへ。 序盤こそ天文や物理、数学に関してマニアックな内容が出てきますが、それは前半だけで(一部説明不足なものは補足を後ろに入れてます)、後は他の方も書かれている通りブラックコメディという分類になるのでしょう(天文(宇宙)のお話は全体にわたってのテーマですが、内容的に理解が必要なのは最初の10分程度と中盤~ラストにわたってのごく一部だけであり、全体に流れるテーマではあるとはいえ、それを前提にする作りになっていない)。 まぁ実際の大統領の名前を出すと問題になるのでそこは架空名になってますが、まるでやる気がない(中間選挙に夢中)な大統領が興味を全然示さず問題がどんどん先送りにされるかと思えば、感情を察知してAIのように動くスマホを開発したという企業が、(彗星に含まれるレアアース目当てに)色々ちょっかいを出してきたりと、なかなかひねりが入っています。 この映画自体は実はネットフリックス契約者ならあと2週間もすればそこで見られるのですが(もちろん契約しているのが前提)、ネットフリックスで見る映画というより映画館でぜひ…というところです(ただ、放映している映画館が極端に少ないのが残念)。 お話のストーリーもブラックな展開が多く、「ある意味で」エンディングまで理不尽な展開が続くのですが、それも込みなのでしょう。極端に意味不明でもないですし、延々と140分近く天文(宇宙)の話だけで持たせようとすると日本でもどこでもなかなか厳しいので(天文教育に力を入れている国というのはほぼない)、そういうお話をまぜてその系統のストーリーにするのは仕方がないのでは…と思います。 ネタバレというネタバレはあるのですが、結構多数にわたる上に、うっかり書くとネタバレが連鎖してしまいかねないのであまり書かないほうが良いのかな…。 公開されているように、ネットフリックスで公開予定(のものを、一部の映画館では先行上映している)の映画とは思えないほど豪華なキャスティングになっているし、ストーリーの展開も今時(2020~2021、もうすぐ2022年)にありがちなテーマ(スマホの件などは最たる例だし、レアアースの取り合いも日本も無関係ではない)を色々入れているのは良いのでは…と思います。 確かに内容的にブラックジョークというかブラックストーリーという色合いが強く、エンディングまでかなりブラック(救われる人が少ない)というタイプなのですが、それ込みで見ても今週は本命~準本命に来そうな気がします(やっている映画館が少ないのが残念)。 採点にあたっては、特に差し引く要素はないのでフルスコアにしています。 また最初に書いたとおり、最後のエンディングクレジット時の「お楽しみ」は2回ありますので(主要な方のクレジット表示のあと1回、全体が終わってから1回の、合計2回)注意です。 ---------------------------------------- ▼ 映画内で必要な知識 オールトの雲: 私たちの住む太陽系の、冥王星をはるかに超えた場所に、太陽系を取り囲む(環上に囲む)とされる天体群(大半は小惑星)のことです。 ただ、実際には存在は証明されておらず、太陽系の成り立ちから「あると考えるのが妥当」という考え方でこの名前もついていますが(オールトはオランダの天文学者)、存在するかどうかは天文学上未解決問題です。 ガウス法: ここでは、数値計算をコンピュータ等でやらせた場合の誤差を補正する方法をいいます(コンピュータで数値計算をやる以上、誤差は必ず出ますので、それを補正するというのは絶対に必要で、その手法の一つがガウス法です)。 ---------------------------------------- ---------------------------------------- ▼ 2021年に200本以上見てよかったなと思える映画(VODや2020年からのリバイバル放映を除く) ・ プリテンダーズ: ミニシアター中心ですが「適正なSNSの使い方」などに焦点があてられている一方、いわゆるシスターフッド映画にも分類でき、内容もよく練られているところがあります。今年はまだあと20日ほどありますが、2021年にベスト5までつけるとすれば、本作品が1位か2位かに入るのではないか…と思います。 ・ 王の願い・ハングルの始まり: ハングルは李氏朝鮮の世宗大王が作ったことは間違いありませんが、単独で作ったのか他に協力者がいたのか等、(韓国国内でも)未解決な問題があります。本作品は「こういう解釈もあり?」という一つの仮説で作られた映画で、それが正しいとは断定できませんが(そもそも未解決問題)、明らかに「支離滅裂な説」でもないですし、内容としてもとてもよく練られていたなという印象です。 ・ チャサンオボ: これもまた韓国映画。ポスターを見ると「魚介類を扱った映画なのかな」と思いきやそれはトラップ。当時の韓国(李氏朝鮮、19世紀)の身分差別や過酷な税の取り立てなども描いた内容で、さらに「大学」や「論語」、漢詩をたしなむシーンなど、実に多彩な学術的な内容を含んでおり、やはり推せるのかな…という気がします。 ・ サンドラの小さな家: 2021年6月終わり時点での「上半期の良かった映画」にも書いた内容の再掲になりますが、DV夫から逃れて小さな夢をかなえるために色々な人の助けを借りながら自分の夢をかなえていく姿がとても好印象です。 ・ 最後の決闘裁判: 百年戦争の中の一つの出来事を描く実話映画。当時は女性の身分も低く、舞台となるフランスでさえ男女同権という単語すら存在しなかった時代に女性が声をあげたという実話ベースの物語は好印象です。 ・ ベイビーわるきゅーれ: 新人~10作品くらいの新人監督さんの映画で、決して放映されている映画館は多くはなかったものの、「低予算だからといって妥協しない」という点はかなり印象に残りました(出演者の方も言われているように、スタントマン・スタントウーマンという表現の差をなくし、「スタントパフォーマー」という表現を確立させていきたい、という意見にも賛同できるところもあります) ・ アイの歌声を聞かせて: アニメ作品として推すなら、本作品か7月かの俳句の映画(名前忘れた…)が入ってくるかなと思います。「秘密は最後に明かされるんだよ」という予告通り、エンディングは意外な展開になります。AIとの共存というのは近いうちにやってくるのであり、それを「先取り」して数学・コンピュータサイエンス的にも妥当な描写がされていること、また、考えさせる点が多い(人とAIは共存していけるか、等)ことなど考えると、「アニメ枠」としてはこちら(か、俳句の映画)になるかなと思います。 ----------------------------------------
【地球存亡の危機に瀕しても、現実を直視しない現代のSNS社会に生きる人々をアイロニック且つシニカルに描いたブラックコメディ。豪華俳優陣にもビックリな作品である。】
ー 巨大彗星が六か月後に地球に衝突することを見つけた、ランドール博士(レオナルド・ディカプリオ)と教え子ケイト(ジェニファー・ローレンス)は、慌てて、NASAに連絡しオグルソープ博士(ロブ・モーガン)の助力で、大統領(メリル・ストリープ)と会うことになるが・・。-
◆感想
・地球存亡の危機の時に、大統領は次期選挙の事しか頭になく、TVのニュースキャスター(ケイト・ブランシェット)はゴシップネタの一つとしてしか、扱わない姿。
いやあ、アイロニックだなあ。視聴率至上主義。地球存亡より、自分の選挙が大事な大統領・・。
・唖然とする、ランドール博士とケイトの姿が、妙にオカシイ。というか、出演者の皆さま、どこかオカシイ人ばかりである。
- アダム・マッケイ監督のお得意技、炸裂か・・。いやあ、やや、手ぬるいなあ・・。-
・変なスマホ会社のCEOが、彗星にはレアアースが沢山ある・・、と言い出した事から、更にこじれる展開。で、政府やスマホ会社CEOのやることなす事、失敗ばかり・・。
- 何か、どこぞの国を揶揄しているとしか思えないなあ。-
<超豪華俳優陣(一体、出演料、総額幾ら何だ!NETFLIX。金ならあるぞ、NETFLIX!)に、期待して劇場に足を運んだが、期待値より、やや斜め下のレベルの出来だったと思ってしまった作品。
それは、物語があちこちに飛んで、ストレートに物語に没入出来なかったからである。
だが、ラストシーンを含め、シニカルでアイロニックなコメディとしては、面白かった作品である。>
【笑えるけど、笑えない気がするアルゴリズムとオチ】
巨大彗星と現状をインプットしたら、アルゴリズムは、あんなオチを導き出しましたって作品だ😁
パラドックスだ😁
このブラックSFコメディは、笑い飛ばして、そして、よく考えて、更に、ふと自分の周りを見渡して、改めて怖さを感じる作品だ。
かなり良く出来ていると思う。
さて、「ドント・ルック・アップ」、豪華キャスト揃い踏みって感じなんだけれども、この作品を観たアメリカの政治家は、どんなふうに感じるのだろうか😁
何が悪いんだろう…だろうか?
いやいや、自分は違うとか😁
トランプや取り巻きは前者だろうと思うけれども、専門的な知識や専門性が必要な分野でも素人同然の閣僚が任命されるような世界は、どの国も、こんなものかもしれない。
日本も然り。
特に、安倍晋三や菅義偉政権は、そんなんだらけじゃなかっただろうか。
(以下ネタバレ)
さて、BASHのCEOが言う、”アルゴリズム”。
過去に経験のないことを、統計と称して算出してみたところで、不足の事態は必ず起こるのだ。
金融危機で経験したじゃないか。
たくさんロケットを打ち上げたところで、予定通り打ち上がらないものが予想を上回ることはある。
それに、打ち上げ予定は、今も昔も、よく気象に左右されるくらい不安定じゃないか。
宇宙空間の彗星上の作業なんて誰もがやったことはないじゃないか。
欲をかいて導き出した確率の問題じゃあるまい。
自分の息子を忘れて取り残してしまったことは、きっと、不測の事態じゃなくて、アルゴリズムが出した正答だ。
生き残った先で、皆食われるのも、不測の事態じゃなくて、アルゴリズムが導き出した正答だ。
こうして人間は滅びの道を選択しているのかもしれない。
これもアルゴリズムの導き出した答えかもしれない。
さて、周りを見渡してみたら、政治や企業だけじゃなくて、マーケティングやSNSのアルゴリズムに左右されて生きている僕たちも同様じゃないか。
※ ところで、アリアナ・グランデまでちょっとバカな役こなして、思ったより、小ちゃいとか言われて、それマジな話じゃんみたいな…。
面白かったーー。
人間の愚かな部分を分かりやすく描いてくれましたねb 配信開始が12...
人間の愚かな部分を分かりやすく描いてくれましたねb
配信開始が12/24からってのも良いと思います笑
地球滅亡ってなったら自分だったら何すっかなぁ
ブラックコメディの傑作。ベタなSFと思うとガッカリするので気をつけて。
ベタなSF映画と思って見るとガッカリです。天文学者の大活躍や宇宙船、彗星の爆発とかベタなSFではありません。ブラックコメディとして見ると面白くて傑作です。メリル・ストリープ演じるゲス大統領に地球の命運が託されてしまい、てんやわんや。コロナ前の2019年に企画が立ち上がったらしいのですが、コロナで浮き彫りになったアメリカの分断のシーンがあります。アメリカ社会に詳しい人からみると、アメリカ社会の分断は昔からある問題なのかもしれません。クソ大統領のメリル・ストリープと陽気なニュースキャスターのケイト・ブランシェット。この2人に振り回される天文学者のデカプリオが可愛そうなんだけど面白いです。他にもすごく豪華な俳優が多数出演らしいのですが、私はこの3人しか知りません。アメリカ映画定番の家族の再生の場面もなかなか良いです。 エンドロール後の映像が有りますからすぐ席をたたない方が良いです。今回のサービス映像は面白かったです。 とはいえ私はこのオマケ映像方式が大嫌いで、誰がこんなアホなことを始めたんだと見るたびに思うヨ。 Netflixで2021/12/24(火)から配信ですが、ぜひ映画館で見てほしい。 12/14 (火)☂️→☁️ 再鑑賞追記 メリル・ストリープがホント楽しそうで見てる方も楽しくなった。 きょう15時ごろTBSラジオで町山智浩さんが本作を紹介しててまた見ることにした。ラジオでは日テレ? の『日本沈没』もコメディにすれば傑作になったかもしれないと言っていて共感した。( 最終回、小栗旬が乗ってるから飛行機は無事に決まってるワイと分かっていても、杏ちゃんの演技には釘づけになったヨ) 。私はアメリカが嫌いなんだが、今回のような作品を見るとアメリカ文化ってすごいなと思って憧れてしまうよ。 12/22(水)晴☀️3度目鑑賞追記 3回見ていて言うのもなんだが3回見るほどの映画ではない。最初のレビューで映画館で見てほしいと書いたが、Netflixで充分という意見もうなずける。(私はNetflix見れないので映画館)。だけど大画面で見ると、すばる望遠鏡🔭やロケット🚀、彗星☄️、大群衆はヤッパシ大迫力。メリル・ストリープを見にいったんだが最高。大統領に見えてきた。(アホ大統領だが)。最初のレビューでオマケ映像が大嫌いと書いたが、今回のは何度見ても笑ってしまう。面白い。12/24(金)Netflix配信後も映画館で見られるようです。 2021/12/10 (金) city1 . .12/14 (火) city1 . .12/22 (水) city1
評価なんてどうでもいい❗️稀有な映画体験を是非ご自身で‼️
私はいったい、何を見ているのか? そんな命題が浮かぶというか、なんとも言いようのない不可思議な映画です。 そしてメチャクチャ面白い映画。 もうほとんど内容は憶えていないのですが、空からカエルが降ってくる映画がありました(たぶん、マグノリア)。私の個人的な体験のなかでは、あの時受けた印象と似たような感覚でとても愉快に混乱してます。 以下、混乱したまま頭に浮かんだ言葉を名詞とか文章などに整理できないまま羅列します。 コメディ SF(2万7千年以上先まで行っちゃうなんて❗️) 最新テクノロジーへの過信 権力者の驕り エスタブリッシュメントへの皮肉や風刺 パニック メランコリアのような人間の力の及ばないことへの厳かな諦め 欲望 陰謀 ヒューマンドラマ 見たくない現実を見ようとしない人間性(ある意味率直で正直) 贅沢すぎる俳優陣 あと、歌も素晴らしい❗️ ミンデイ博士もケイトも、『私はいったい、何と闘っているのか』(予告編でやってました)状態から抜け出せず、結局なにも達成できない。 でもなぜかそのもどかしさよりも共感性のほうが強く残るのです。 すべての要素がテーマというほど強く描かれていないのに、トータルの印象は異常に強くて、濃い。 何が良かったのか、よく分からないのに、こんな愉快な映画体験ができたことに感謝です(きっと何かしら快楽中枢を刺激する作用が起きてる)。 終映時間は夜の9時半を過ぎるというのに、女性のお客様、20代から30代と思われる方が多かったです。 レオさまとシャラメさまのおかげでしょうか。 理由はともかく、映画興行が盛り上がるのはとても嬉しいです。 製作関係、興行関係、鑑賞者(普段あまり映画館で見ていない方も含めて)、あらゆる方にお礼が言いたくなりました。 ありがとうございます。
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