ドント・ルック・アップのレビュー・感想・評価
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笑えるけれど笑えないシニカルコメディ。多分、現実味がありすぎるから
巨大隕石による人類滅亡を巡る奮闘を描く本作。
シニカルでブラックなジョークをふんだんに盛り込みながらも、人間の闇の部分や本質的な部分を描いている作品だと思う。
笑えるところももちろんあったが、心の奥からは、どうしても笑えないと感じていた。
このシニカルでブラックな映画が、この世界をある意味忠実に描いているように感じたからだ。
資本主義、政治、真実、嘘、本音、建前、正義、偽善、善意、悪、無意識、平和、闘争、愛、我執、欲望、無関心、etc、etc。
あらゆるものが絡み合い、ぼくたちの世界は出来上がっている。
そんなことを感じさせるような、面白くて笑えるけれど、どこか恐ろしい映画だった。
あなたの信じる世界の『真実』も、この映画の中にあっただろうか?
シリアス?コメディ?超シリアス!
前知識なく、ディカプリオ出演作なので見た。冒頭はジェニファー・ローレンスや、メリル・ストリープ、ケイト・ブランシェット、マーク・ライアンス、ジョナ・ヒルなど豪華出演陣なので、隕石衝突の地球滅亡危機を描いたシリアスな映画と思っていたら、めちゃくちゃアメリカンな下らないおふざけ満載で、遅々として、危機回避にストーリーが進まず、かなりイライラ、ディカプリオもカッコ悪いし。いや、これコメディなんだと、思い直し、見ていると、あれ?これ、まんまトランプ政権のSNSを駆使して他者を誹謗中傷、排斥して自らを正当化する姿勢や、国益優先するため、先進国の歩調が合わない現在の環境問題を思いっきり揶揄してるなと気付く。そうか、バイスや、マネー・ショートを撮ったアダム・マッケイだったかと納得。映画の結末のようになる前に、今対処しなきゃ、いけないと強く思う。
お金をかけたブラックユーモア
カラフルな文字で彩られたタイトルロールはわくわくさせた。
切り替わりの速いカットで滑り出しがいい。
とんとん拍子で進み気分もあがる。
が、じょじょにたわごと感が増していく。
コメディなのはわかるけれど、笑いの質がアイロニカル。描写も狂騒的でエゴイスティック。そのブラックユーモアがリアルな肌感のある監督のタッチと不協和してくる。
票取りだけの大統領や、マザコンの首席補佐官や、非科学的なインフルエンサーに地球の運命を託す展開にじょじょに嫌気がさしてくる感じ。
総じてまともじゃない側の人物描写がやりすぎ。
かれらと、まともな人物との落差が興醒めにつながっていた。と思われる
ただし。
お金のかけ方がものすごい。
こんな(と言ったらなんだが)話を語るのにとんでもないキャストと物量が投じられている。
さらに挿入されるイメージ/点景がVivid。
マネーショートでも感じたが、多種多様な「実際の映像」的な画を、矢継ぎ早に挿入して、ハッとさせる。アダムマッケイ監督の得意技だと思った。
筒井康隆みたいなスラップスティックな終末の話を、ばけものみたいな予算で映画にした──という様相だが、終末は愛する人と過ごしたいというエモーショナルな値と、ブラックユーモアで押し切る値が、同時に描かれていて困惑した。
結果として(個人的には)スベっている気がするが贅沢なキャストとボリュームに圧倒されたのは確かだった。
好かれ役も憎まれ役も全員上手。
個人的にいちばんよかったのはシャラメが出てくるところ。
スーパーのレジで腐っているケイトのまえにあらわれたボーダーの輩っぽい風情がすげえかっこよかった。男臭いキャラクタを見たことがないせいだろうか、この映画のシャラメは純情で男子っぽくてシンプルに魅力的だった。(万引犯だけどね。)
壮大な話。
たとえスベっているにしても、こんなもんつくれるのはアメリカ映画だけである。
じぶんの国に世界的スターが山ほど居る。役名「ライリービーナ」のライブシーンがわりと長くとってあるけれど、演じているのはアリアナグランデ。博士ディカプリオに研究生ローレンス。大統領はメリルストリープ。いつになく淫奔なブランシェット。体重もどしたジョナヒル。
見知った大スターが役を演じる楽しさ。地球の危機をアメリカだけが対処するAmerica Firstな展開さえ、違和感はまったくない。
米映画を見て、しばしば『戦後世代ではないし、もはや戦後でもないが、率直に言って、よくもまあこんな映画をつくる国と戦争をやったもんだ──と思った。』と評することがあるが、これもそんなことを思った。
投じられた物量に圧倒され、それが主観的な感想に勝ってしまう──という感じ。そもそも加入者のとある晩を楽しく過ごさせるネットフリックス映画として、なんの不満がありますか、てな映画だった。
とても一貫して皮肉ってるのが笑える。
テンポの良い、面白可笑しくシュルレアリスム。
みんないつか死ぬ、これがほんとの話。それだけが生けるものに与えられた平等。
それをこれだけコメディーにできてることが凄い。このテーマで全く真剣じゃない。監督の皮肉がマジで凄い。
あなたは、最後に誰と過ごしたい?隠し事なしで終わりたいですか?
教授たちが感謝しながら終わりを迎えたのがとても良かった。どんな時も感謝しながら穏やかに生きたい。
どこまでいっても人間はこんなに馬鹿なら、こんな死に方がいいなぁ。
メリルの最後はウケた。こういうのがお決まりパターンを最大に活かしてるやり方だと思う。特権階級気取りのクズ息子は孤独に苦しみながら死んでいくという皮肉。本当凄いゎ。
クリスマスに観れてよかった。家族に感謝。
ブラック度がアルマゲドンな秀作コメディ
コメットさん
もっとおバカ映画なのかと思っていたら、結構怖い映画だった。最近やたら耳にする“想定外”なるコメントがあるが、それもあくまで地球の範囲内(地球温暖化も含めて)で、大気圏の外のことにまでは意識が及ばない。この映画の基調はスラップスティックなのかもしれないが、巨大彗星の衝突というのはあり得ないことではない。現実にこのような事態に直面した時、回避する手段があるんだろうかと心配になった。
個人的には、国家プロジェクトとか民衆の暴動とかの大層な話に発展させず、地球の運命を左右する大発見が俗世間によってのらりくらりと矮小化される様に徹した方がよりシニカルだったように思う。時折インサートされる自然界の営みの映像は、人間の愚かしさとの対比を際立たせている。
30歳超えのジェニファー・ローレンスが、大学院生を演じて違和感がないのはさすが。
エンドロール明けの大統領補佐官のひょっこりはんは、どう考えても2万年後のシークエンスの方が時系列的には後だろうから、逆の方が良かったのでは?
このメンツで、この内容・・・。
やっぱりしっかりとクセがあった!ちゃんとやりたいことやりきってます!! 右往左往慌てふためいて顕になる人間の本性るつぼSHOW
国家機密の漏洩級の攻めた作品?はたまた"政治を持ち込むな"と言いたくなるようなブッ飛んだ珍品?? どんな笑っていられないような汚く醜い話題もコメディに昇華してしまう、タブーに切り込む鬼才。独特なアダム・マッケイ節炸裂ワールド!この世界観がたまらない、待ってました!って感じ。それも『デューン』なども超え間違いなく今年一豪華キャストだろうという面子が揃い踏みで楽しみにしまくっていた本作、いよいよ登場。
いや〜クリスマスの朝から笑いまくった。正直、純粋な笑える度合いで言えばもっと全面にコメディしていたウィル・フェレル主演作とかのほうが上だろうけど、このキャストでこの規模感で、これだけ各方面の交錯する思惑や政治・国家の中枢で繰り広げられる実にバカげた=コメディとしか言いようのない人間模様・猿芝居を展開するのはお見事!これに尽きる。各所の思惑など少し『シンゴジ』なんかも頭をよぎったけど、地球の緊急事態への対処の仕方や反応もアメリカ的?
ディカプリオが普段から力を入れている環境問題という点でもピッタリ合致!メリル・ストリープとジョナ・ヒルは最高に楽しそうに最低な役を演じているし、マーク・ライアンスは登場こそスティーブ・ジョブズ彷彿とさせつつ結局のところいつもの彼っぽい。ケイト・ブランシェットとタイラー・ペリーによるテレビ番組司会コンビはなんともリアル。特にケイト・ブランシェットのメイクや髪型、そして佇まいや雰囲気、キャラの作り込みが!他にも傭兵ロン・パールマンや若者ティモシー・シャラメ。けどもちろんふざけて終わりなどではなく核がある…?なんでも持ってたな。ダイエット完了!
M-1観ているようにお腹抱えて笑った 吹き替え版の鑑賞をお勧めします
楽しい妄想と風刺
彗星地球落下の危機
国をけん引する指導者に揶揄する映画。「え?SFちゃうの? アルマゲ的じゃないん?」
そう。アルマゲ系は一貫して最後までアルマゲに進みます。
たった数ヶ月後に起きる、全世界終末の危機を、ストーリーのタイムラインに置かなくとも、映画のメッセージは充分伝わるのだが、迫りくる危機の象徴として、彗星は地球を目指して来ます。
そしてアダム・マッケイ監督のお家芸「おかしなヒト全員集合!」でコミカルに揶揄って揶揄りまくります。日本人には刺激的で吐気さえ覚えるでしょ。付け加えれば、とにかく演者が楽しそう。女優陣の、憎さ溢れる変人ぶりも見所です。
ファッショは、前に立つ者が作るのではない。民衆の関心が失われた時に生まれるのだ。
視聴終了後、製作側のアルマゲの一貫性に、感動と興奮が沸き起こります。沸点低くて沸き起こらない人は、アダム・マッケイつながりで「俺たちニュースキャスター」を観て、ヒト学年下から復習しましょ。
流石「マネー・ショート」の監督!!
シリアスな内容をバカっぽくして観易くしている、と思ったらやはり「マネー・ショート」の監督でしたか。特に何も喋っていない男性主人公の方にメディア人気が出たり、政府と大企業が金儲けに走ったり、現代社会を上手く表していると思います。唐突なスティングのエピソードは、全然関係なくて好きです。ラストも伊藤潤二の「地獄星レミナ」の様で好みでした。特にクリスマス映画では無いですが、良い意味で大雑把な内容と、最後家族で静かに過ごす所もクリスマスにピッタリでした。本当は、現行の偽パンデミックについて、映画を作りたいのではないでしょうか。
皮肉のセンスが秀逸
地球滅亡ものとしては変わった視点で面白かった。
●皮肉のセンスがいい。地球滅亡をTVでいっても、サラっと流されるとか。逆にリアリティを感じる。
●厳しい現実に向かい合えない人間模様が、これまた現代のコロナの世相を反映してて楽しい。
●ラストがいい。死の淵にあっても愛に帰ることで、生きることの豊かさを得るというラストは感動した。
毒入り春巻丼
超お得 痛快
メディアや、ホワイトハウスや、最高権力者(携帯会社のCEO)をここまでおちょくれるってのは、アメリカ映画のいいところだな。それもこれだけ華のあるスターを揃えて、お金をかけて。中途半端じゃないところがいい。
メリル・ストリープも良かったけれどマーク・ライアンスも最高、よくやれたな。アメリカって茶化された人は文句言わないのかな。
アリアナ・グランデのライブ映像まで見ることができて超お得。
途中、あまりにも主人公ふたりの言わんとすることが聞いてもらえないのでイライラしたが、生放送で、、、
スカっとした。
テレビ番組の司会者のやりとり、みんな嫌いなんだ。
視聴者馬鹿にしてるよね。
皮肉なラストに爆笑。
オープニング、エンディングタイトルもお洒落。
ちょっと長かったかな。
良い映画
シリアスなSF映画かと思ったら、ブラック・ユーモア満載なコメディ映画でした(笑)
一応ストーリーは普通なので最後まで観られましたが、アメリカン・ジョークには戸惑いだけで、腹の底からは笑えませんでした…この手の映画ではいつもそうですが、例の如く、キョトンとしてしまう瞬間がちらほら(笑)
まあ、それでも、この作品は何とか"楽しめる"ぐらいの、分かりやすい(決して"笑える"ではない笑)内容のお話でした。
星新一のショートSFとでも思えば、十分に楽しめる作品かと思いますが、内容はSFと言うよりも、癒着する政治と企業、情報に扇動されてしまう人々への風刺といったものでした。
三度の飯よりも、アメリカのブラック・コメディが好きな方はどうぞ!笑
ルック・アップ派です
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