「福笑い」ドント・ルック・アップ サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
福笑い
実は今までNetflixに登録してるのにNetflixオリジナル映画を見た事がありませんでした。せっかく登録しているんだし、なにか見ようと思って選んだ作品がこれ。アカデミー賞にノミネートされているし、何かと話題になっている映画なので鑑賞。とてつもない映画でした笑
ブラックユーモアがふんだんに詰め込まれた映画。
実際に起こった事件ではない架空の話なのに、何も動かない政府とか多数派に流される群衆だとか、とても他人事には思えず目を逸らす事の出来ないストーリー。笑えるのに笑えない。2021年、どんな1年でしたか?と聞かれたら「ドント・ルック・アップ」を見たら分かりますと答えたくなるくらい。
役者陣、全員怪演。
レオナルド・ディカプリオは老けたけど、演技力は衰えることなく、何なら過去最高じゃなかろうか。動揺を隠せず挙動不審に目を動かすの上手すぎ。ケイトも強烈だったし、ヒ〇リー似のアメリカ大統領だとか、ビル・ゲ〇ツ似の実業家だとか、これまた作り話とは思えない人物が居てキャラ濃ゆし。希望と絶望の切り替わりが凄まじい。
退屈させない中身で話の展開も良く、どんな終わり方をするのかずっと気になる。キャスト字幕の入れ方だとか、世間の声の様子だとか、ラストコンサートで歌う歌詞だとか、監督のセンスが光る演出が多くある。重厚感のあるブラックユーモア映画だけにとどまらない面白さがこの映画にはありました。ラストも最高に皮肉っていて良かった。
ただ、黒人の科学者やケイトとその恋人、家族の描きが薄かった。急に出てきて急に退場、みたいな感じ。話も飛び飛びだったし、これだけ尺があったらもっと丁寧にできたはずなんだけど、割とあっさりしていてちょっと納得がいかなかった。
でも、素晴らしいと言っていいのか分からないけど、素晴らしい映画でした。これがアカデミー賞にノミネートされているのも総じて面白い。Netflixオリジナル映画、質高いですね。