「見上げるな、と囁く罠」ドント・ルック・アップ N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
見上げるな、と囁く罠
ある日、彗星が発見された。
それはどんどん地球へ向かっている。
ぶつかれば間違いなく人類滅亡。
果たしてどうなる、というドタバタ劇。
コメディーとも聞いていたため、
もっとあからさまに笑えるナンセンスものかと思っていたが、
ナンセンスではなく「ハイセンス」だった。
ゆえに見ながら心の中でツッコミを入れること幾たび。
ニヤリ、とさせられたり、オーノーで首を振って肩をすくめてみたり。
そんな愛すべき人間臭さと、あきれるべき醜聞の波状攻撃が
このドタバタ劇を加速させてゆく。
うちにも終盤、哀愁漂う無力感に
ディープインパクトにも似た感動を覚えてみたり。
「見上げるな」
先導する政治家の演説シーンを見たなら、
ああこれがアメリカの悲劇なのね、と思ってみたり。
そう、これをブラックユーモアというのだろうな。
ポジティブシンキングとかもてはやされるが、
乗せて操られるだけの幻影なら
現実に対抗すべく
ネガティブシンキングも同等に大事にされるべきだよな、とも思った。
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