「政治家やメディアやSNSに踊らされる人間の滑稽さをコミカルに描く」ドント・ルック・アップ Ko Fuさんの映画レビュー(感想・評価)
政治家やメディアやSNSに踊らされる人間の滑稽さをコミカルに描く
本作はSFの皮を被っているが、中身はブラック・コメディであって今の社会に対する明確な批判だ。
人々は政治家の発表に一喜一憂し、科学を無視して好きかってなことを言う。一方でメディアは話題性ばかりを重視して真実や正確性など無視して視聴者を煽る。そして科学者さえもSNSの人気や意見に振り回れて自分を見失いいつの間にかパンダと化している。
はじめこそ隕石落下の回避に関する科学者の葛藤のような内容だが、中盤から一気に転がりだして社会の醜さや浅はかさを赤裸々に面白おかしく描いている。そして隕石はまさに現実に流行しているウイルスや環境問題の隠喩であることに気付かされる。
いささか悪趣味なところはあるが、風刺ブラックコメディとしては良い作品。
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