「生きてるってなんだろ」麻希のいる世界 SSYMさんの映画レビュー(感想・評価)
生きてるってなんだろ
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歌声に才能があるね、でバンド組み始めたり序盤はこれベタな青春映画じゃねと思って「やべ~」と焦っていたが、そんなことはなくて一安心した。
主人公・由希の周りにいる人間が尽くみんな自分のことしか考えてなくてやばい。由希は由希で麻希のことしか考えてない。麻希は由希を結構平気で裏切る。
対バンのくだりだけど、ベタな青春映画だったら喧嘩別れしたバンドメンバーが駆けつけてきて最後に麻希がドーンと登場してジャーンと演奏してメデタシメデタシだけど、この映画ではそんなことはない。フツーに誰も来なくて由希は公開処刑される。約束をブッチした麻希は悪びれない。だけどそんな麻希にも由希は愛想を尽かさないどころか、さらに麻希のために何かしてやろうとする。
由希が麻希に惚れた理由はわからない。ヤリ部屋から出てきたところを見かけて、一度も話してないのに次の日には放課後ストーキングし、同じバイト先になろうとする。
最終的にぶっ倒れて声を失ってもまだ麻希のことを想っている。ここまでくると狂気だ。
でもそれが生きるってことなんだと思う。狂ったように、脇目も振らずに突っ走れば、生きてることが実感できるだろう。翻って、私はそんな生き方をしていない。多分、多くの観客も。
この映画は観客にそういうことを突きつけてるのだと思う。
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