ちょっと思い出しただけのレビュー・感想・評価
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総合的に見ると綺麗な作品
少し前におすすめされて気になっていたが満を持して鑑賞。
正直初見で一発ですべてを理解するのは難しい気がした。裏を返せば何回見ても楽しめる作品。
大体、出会いから近い過去に進んでいくことが多いので、近い過去からだんだんと出会った所まで徐々に遡っていくのが斬新だった。
ただ、作中の時計がデザイン性高くて一見日にちが読みづらい。年が書いてないのでどれくらい過去に遡ってるのか分からなかったので混乱した。
気になっていた怪我の理由が明かされなかったのがちょっともやもや。水族館とかどっかでいちゃついてる時に挫くのか?と無駄な予想をしてしまった。
演出として、今どきっぽい、エモいような描写が多くていいような、ありきたりなような。
屋上で花火とか夜中の商店街とか青春系の作品では近年よく見かける。
小ボケが多かったのは面白かった。
普通逆だよなと思ったのが、うるせぇ口だなと言わんばかりに葉がキスしても、照生がそのまましゃべり続ける。キスモードになったら今度は葉が「話の続きは?」とボケ返す。これは正直ちょっと吹いた。
多少突っ込みどころがあったのが、休館中の水族館のエスカレーターが常時動いてるわけないよなって所。
あとは、登場人物の人としてどう?って感じの発言。
冒頭、葉の「21歳でタクシーに乗る人生ってどうですか?」っていうの個人的には煽りでしかないやろと思った。18歳の大学生でもタクシーくらい乗るだろうと思ったし。
逆に、若い女性のドライバーだから葉が「失業ですか?」って言われてて、世の中見知らぬ他人とのコミュニケーションってこんなに世知辛いのか?と若干引いた。
最近の人はこうなのか、元来人間ってこんなもんなのかどんな意図なのだろうか。
葉役の伊藤沙莉さんのハスキーボイスでやさぐれてる感が引き立っててよかった。早くタバコ吸ってくれと思わせるくらいにキャラが立ってた。
ただ、サバサバ系女子と思いきや、思いっきりメンドクサイ女だったのが残念。
こんな女いるわと思わされた時点で制作陣の思うつぼなのかもしれない。
副交感神経が爆上げエモ恋愛映画
定点で生み出される映画的魅力
そんな時あったりなかったり
言葉のウェイトが違う
これまでの恋愛映画をフリにした、最高の恋愛映画だと感じた
ブルーバレンタイン、ララランドなど特殊な破局映画はこれまで幾つも作られているが、松居監督によって、また新たな発明演出が生まれる
1人で歩く道なり、ラジオ音楽、髪型、コロナなど恋愛に合わせたアイテムの伏線は悲しくも愛おしい
映画内で、文字通り映画みたいなセリフやシーンは多数存在するが、時をさかのぼることで嘘くさいセリフは意味を持ち、
重みが増し、ラストのダンスシーンで最高のカタルシスが生まれる
リアルタイムで観る価値がある映画でもある
コロナ禍のシーンが先に流れ、マスクを付けた観客は自分と重なり、コロナ禍以前のシーンは自分とリンクする
ニューヨーク屋敷について、
映画内の屋敷はニューヨークのラジオで喋る屋敷そのものであるが(実際に聞き覚えのある発言ばかり笑)、存在感、演技は映画に完全に溶け込む
尾崎世界観について
主題歌に合わせた、脚本のため、クリープハイプの主題歌とダンスシーンの弾き語りはもちろん最高だし、演技も良いのだが
主人公2人のリンクと演奏シーンは若干本物感が出るため奇妙というかドラマってぽく感じた(繋がりは言葉以外にも、たくさんあるということではあると思うが、主人公のアパートに他の人が住んでいた時代のシーンなどなどをみることでそれは伝わるので良いのでは)
これまでの映画同様
男は過去の恋愛を引きずり、女は次の恋愛に切り替えるが
女もちょっと思い出すことだってあり、未来へ進んでいく
コロナ禍の現代に戻る事で、この先の、映画館を出た後の観客の未来に続きを託す、
最高の映画でした
追記
ジムジャームッシュのパターンソンオマージュやリスペクト配役など、このような邦画での小ネタはあまり観ないので新鮮だった
また他人、人々の暮らし以外にも映画や作品などで繋がることもあると感じた
面白かったです!
(完全ネタバレですので鑑賞後に読んで下さい)
最初この映画を見始めた時は淡々としていて個人的に苦手な邦画なのかな、と思ってはいました。
しかししばらくして、この映画は違う年の同じ日を1年ごとにさかのぼって描いているということが分かると、その映画冒頭近くの淡々とした時間の流れに意味があることが分かって来ます。
今は別れている、照生(池松壮亮さん)と葉(伊藤沙莉さん)の出会いに向かって時間がさかのぼって行く描写は発明的とも思われました。
言わば、死から生を照射している表現と言えるかもしれません。
ともすれば退屈とも感じられる映画初っ端の照生の淡々とした描写は、過去の輝いていた葉との場面を知ることで、また映画のラストで違ったようにも見えていました。
そして、葉の現在はまた照生とは違った日常が描かれます。
過去の素敵な時間をちょっと思い出しただけで、今の時間に火を灯すことが出来ることを、この映画は示しているようにも思われました。
誰にでもあるんだ
「お姉さんは今、幸せ?」冒頭、若い女性からの質問に、すぐ肯定できないタクシー運転手の女性。そこから話が巻き戻されていく。日付は全て7月26日。元彼であるテルオの誕生日だ。
劇の打ち上げで出会い、うやむやな関係を続けつつ、1年後に告白。翌年はふたりで楽しく誕生日を祝い、1年後、喧嘩。明くる年の誕生日は、別の男性(恐らく今の主人)から声をかけられ、今に至る。
結婚して子を産み育てても、完璧に幸せとは言い切れないし、過去にひたすら惚れた人を思い返すことがあるんだと、思えた。恋人がいるのに、誰かを「ちょっと思い出し」てしまう。現に今もそう。おまけにクリープハイプの「exダーリン」に夢中だ。
それは、誰でもあるのかと、思えた。
葉の「このまま関係を続けていくと、自分が持っていかれそうになる」「最初から、会話なんてできてなかったんだろうね私たち」が、すごく刺さった。ふたりの会話が、常に葉から話して、常にテルオは聞き流している印象だったから。恋愛は惚れた者が負けるのだ。
こうだから私は良くないと思わず、みんなそうなんだと思って、やわらかく生きていけたらいい。
一言「渋い!」。
30分くらいはちょっと??でした。
それが段々「主人公の誕生日」にあった出来事を、過去に遡っている。
登場人物の髪型や、飼い猫の大きさとかで、それがわかってからは。
そういうことね、と。
恋愛物ではあるけど、その要素は淡いので見やすいし。
だけどどこか、自分の過去の恋愛を思い出しちゃった。
セリフがとても心に沁みて。
「彼は一歩私に踏み込んでこない」。
そんな恋人との距離感、わかる。
過去を変えることはできないけど。
思い出せる過去があるのは、それだけでいいんじゃないかな。
家で見るなら、カーテンを閉めて真っ暗な深夜におすすめ(なんとなく)。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「待っている人が来ないなら、迎えに行ってもいい」
記憶の扉を開いてくれた傑作
心に刺さりすぎた作品。
何気ない会話パートでの長回しがたまらない。
生感というか…セリフひとつひとつとっても、体の内から出てくる言葉に見えてくる。
俳優が演じるキャラクターではなく、実際に今を生きている人間にしか見えない。
このリアリティが本当に良かった。
時間を逆行しながら繰り返される7月26日の中で、見ているうちに自分の記憶の扉が開けられるような感覚を覚えた。
アルバムを1ページずつめくり振り返るような構成はなんとも感慨深く、この感情は他のどんな映画でも得難い物だった。
安易に恋愛映画として捉えるつもりはない。
むしろ、過去の断片の積み重ねで出来ている自分の今。つまり人生そのものと向き合う事になる、そんな作品だ。
何を思うかは人それぞれだし。
不快に思う人もいれば、感慨に浸る人もいるだろう。
時間を編集して逆行も順行もできる映画ならではのマジックで振り返る人生。
辛い失恋も、諦めた夢も、全ては今の自分を構成しているジェンガの一コマなのだろう。
無駄な物は何ひとつなかったんだ。
そう思った。
2025年、7月17日
ジム・ジャームッシュの「ナイト・オン・ザ・プラネット」を見た翌日、2年半経って2度目の鑑賞。
クライマックスを知ってから見る2週目はまるで印象が変わる。
序盤から涙腺が緩みっぱなしだった。
細かなセリフや小道具の丁寧な伏線が重層的に重なっている。
ラストの葉の言葉遣いが大阪弁になってたりと、とにかく人物描写が丁寧で生々しくて切ない。
本編の構造。
ストーリーでキーになる映画やポスター描写。
それだけじゃなく細部に渡って「ナイト・オブ・ザ・プラネット」のオマージュに溢れてたんだな。
細かなセリフ、構図、足を挟みそうになるシーンまでオマージュだったとは。
更に解像度を上げての鑑賞で、この作品を深く愛せるようになった気がする。
また気になった時に鑑賞しよう。
数少ない過去を感傷suru事しかできない 残念な行き遅れ叔母さんの映画
友人に誘われ、予習なしで いきなり鑑賞しました。
シナリオでの主人公をひとりに 絞れば、もっと緻密で、繊細な時事を入れられると思うのだが、物語がふたり進行なので、1つ1つの出来事を掘り下げる事が出来ずに、散漫になっている。
角役者の棒読みセリフが多く、
台詞の立ち方とか、とにかく演出が雑。
すべての役者のすべての演技が地に着かずに浮いていた。
会議室で、何度か 本の読み合わせをして、各自が各セリフとキヤラクターの性格を確実に自分のものにしてから、撮影を開始した方が良かったでしょう。
たまに 日めくりデジタルカレンダー を映してくれるのだが、いちいち日付を覚えていられないので、時系列確認には不適。
紙カレンダーを使用した方が判りやすかったでしょう。
それよりも、時系列を最初から進めていく直球で勝負し、その間のふたりの"変化"を鑑賞者に感じさせるべき映画主題が、過去へすすむ時間逆行をしたことで、映画の本質を見失ってしまっている。
名優永瀬正敏さんや店「とまり木」の國村隼さんの取ってつけたような扱いは粗末で
脚本には無理があった。
「追いかけてこないのかな・・・」心の中を セリフに起こしたら、映画の質は3つ落ちる。
監督に併せて。脚本家も超3流 よく構成を整理した方が良かったでしょう。
それに引き換えに、撮影と照明、録音はきちんと仕事をしていた事は救いだ。
本作が好きな人は「「花束みたいな恋をした」」が好きだと思う。
時間をじっくり使って
映画はドラマと違って時間を使えるけど、その時間の使い方がとても良かった。
2人の愛情の変化も時間をたっぷり使ったからこそ、より一層感じられた。
ちょっと時系列がわからなかったからまた改めて見たい。
池松壮亮が、、、踊ってる!
7月26日を1年ずつ過去に遡っていくという手法は斬新。 ただ、年の...
伊藤沙莉 ちょっとハンパない!
内容はバカップル
切ないや
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