「トラック野郎 爆走氷上道」アイス・ロード 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
トラック野郎 爆走氷上道
カナダの鉱山で爆発事故が起こり、作業員26人が閉じ込められた。
酸素が尽きる30時間までの間に、救助装置を3台の大型トラックで運ぶ。
最短ルートは“アイス・ロード”と呼ばれる湖が凍った氷上の道。
厚さ80㎝の氷の上を30tのトラックで走らなければならない…。
今回怒りには燃えないが、命がけでトラックを走らせるは、勿論この男!
リーアム・ニーソン!
アメリカにもいた。トラック野郎!
そして、この設定。氷上版『恐怖の報酬』とも。
ピンチやスリルがたっぷり展開。
出発して早々、アイス・ロードに響き渡る不気味な氷が軋む音。亀裂が入り、氷が割れ…。
一台が後輪を取られる。こうなるとその重量でもうどうする事も出来ない。
みるみる水没。チームリーダーが犠牲に…。
ローレンス・フィッシュバーンがあっさり退場。てっきりリーアムとフィッシュバーンがバディを組むと思っていたら…。
バディはいた。
ドライバーの兄マイクと整備士の弟ガーディ。
ガーディは整備士としての腕は確かなのだが、イラク戦争帰りのPTSDで失語症を煩い、職場で嫌がらせやいじめを受けている。
弟をバカにする奴は許さないマイク。元々気性の荒い性格もあって、職場で相手を殴るなどトラブルを起こし、職場を転々。
弟をバカにする奴は許さない。が、時々そんな弟に苛立ちも。
この命がけの仕事の中で、二人のプロフェッショナルぶり、兄弟の絆も描かれる。
単に装置を運搬するだけに非ず。
鉱山での爆発事故、アイス・ロードでの事故。一見突発的だが、どうも腑に落ちない点が。人為的な何かが…?
疑いは当たっていた。鉱山での過酷な現状をばらされないよう、会社が事故に見せかけて作業員もろとも隠蔽。救出の遅れをトラックのせいに。保険会社員を送り込み、こちらも事故に見せかけて妨害。
何て奴らだ!
そんな奴らにリーアムが…。
あ、今回もリーアムさん、怒ってます。
レスキューアクションが途中から悪党と戦ういつものアクションになるが、雪道チェイス、スノーモービルチェイス、雪崩と設定を活かしたアクションの連続。監督は『アルマゲドン』の脚本家。
フィッシュバーンが早々退場したので、リーアムのバディは弟と女性ドライバー。タフだが、兄が鉱山に閉じ込められ、会社側と疑われたり、人質に取られたり、怪我を負ったり、先住民だからと偏見で見られたりと踏んだり蹴ったり。『プレデター:ザ・プレイ』の女戦士だったのか。
犠牲やピンチに幾度も見舞われながらも、何とか到着。救出成功。作業員は無事だった。
会社の陰謀も暴かれ、リーアムの拳も一発お見舞い。
面白かった。
強いて言うなら…
弟は犠牲になる必要なかったんじゃないかな…。
本作は続編も決定。兄弟トラック野郎の次なる爆走ミッションが見たかった。