「ツッコみ疲れが観客を襲う」アイス・ロード Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
ツッコみ疲れが観客を襲う
アイスロード
カナダやアメリカの北極圏の凍った水面を利用して
運搬で稼ぐトラック野郎のための「道路」
ヒストリーチャンネルでドキュメンタリーが
数シリーズ放送されており個人的にはこれで
存在を知っていたので映画化するにあたって
興味を持っていました
感想としては
予想していたドキュメンタリーな内容は
さっぱりなく単なるアクションものとしても
中途半端でシナリオの荒唐無稽さが
キャラクターの行動面のおかしさに直結して
かなり頭を抱える出来でした
封切日に見たのにレビューする気も起らなかった
カナダのダイヤモンド鉱山で崩落事故が発生
どうもメタンガス検知センサーを切って作業して
いたせいで構内で爆発が起こった模様で
救助するのに必要な掘削機が35㌧あり
空輸も出来ないのでオフシーズンの
アイスロードを危険だけど走って
命がけで命を助けに行こうというという話
カナダ政府筋がその道のプロのジムに依頼すると
戦争で失語症になった弟マーカスを抱え
トラブル続きで職を転々としているマイク
狂暴だが兄がそこで閉じ込められているので
助けに行きたいタントゥ
そして鉱山の会社が用意したエージェントの
4人をスカウトし
ジムは物量作戦とばかりに3つの削岩機を3台の
ケンワースの超巨大トレーラーで
運ぶ計画を立てます
は?
オフシーズンの80cmあるかないかという
氷の上を走ると言ってるのに3台で行くんですか?
たぶん1台総重量で100㌧あるやつを3台並んで
走っていこうどれか辿り着くだろという
映画的には盛大な一台だけしか残らないフラグ
(しかも20万ドルは生き残った人総取り
とかいうありえないやつ)
立てるのですがそれにしてもアホじゃないでしょうか
そのジムのアホっぷりはこれにとどまらず
氷上で案の定ジムのケンワースは突然故障
トレーラーをけん引しようとしますがワイヤーが
足に絡んであえなくトレーラーと一緒に
沈んでいきます
〇ーフィアスのアッサリ退場にびっくりしますが
きみほんとにプロかというあっけない死に方に
呆れます
その後ミシミシ割れだす氷から逃げるという
この映画のテーマに乗っ取ったであろう
逃走シーンがありますが残った2台の
トレーラーは横転してしまいます
しかし横転すると重量が分散されたとか
なんとか言って納得してますが
いやいやいやいや意味わからんし
トレーラー起こしたらまた割れるやんとか
ツッコミどころ満載です
するとジムのトレーラーがなぜ故障
したのかと言う点で保険屋がタントゥ
が報酬を独り占めするためにやったと
マイクをそそのかしタントゥを拘束しますが
実は黒幕は保険屋で鉱山会社とグルで
輸送作戦を失敗させるために送り込まれた
エージェント!
えっ
この映画アイスロードが主役じゃないの?
という騙された気分になります
結局リーアム・ニーソンがいつも出てそうな
アクションものかよとハッキリします
重たい3台体制で行こうとか言うムチャな
時点で失敗しそうだし
回りくどすぎて頭痛がしてきます
もうそっからはハチャメチャが押し寄せてきます
マイクはマーカスとケンカしてマーカスが
氷に落ちますがなんか助かるし
タントゥは正体を明かした保険屋に
脅され消されそうになりますが
トレーラーから落とされたり色々
あってタントゥはマーカスと先を急ぎ
マイクは保険屋と取っ組み合いしながら
装置を届ける努力をします
黒幕の鉱山会社のおっさんは
事故上等で効率を重視してメタンガス発生
を無視して掘削を行わせていた事実を
隠蔽するために従業員を葬るつもりで
救出作戦の失敗を画策したいたのでした
なんかまわりくどくない?
そもそもうまくいきそうに見えない
フラグと計画をさらに妨害工作が入るという
大福にチョコレートをどっぷり漬けて
しかも揚げるといったギトギト感
と に か く
登場人物たちの行動がアホのアホのアホ
時間がないというのに燃料切れになったタントゥの
トレーラーに追いついたマイクたちのトレーラーは
保険屋の妨害工作で装置がなくなってしまったので
ああここで繋ぎ変えるんだなと思ったら
なんとタントゥのトレーラーを直しだします
時 間 無 い ん で す よ ね ! ?
その後結局繋ぎ変えてるし
ため息がしてきます
普通に輸送ルート上の落ちそうな橋を
一台通ったら橋が落ちて谷底をのぞき込んで
いたらトレーラーが滑ってきて
ゲートを閉めてる間にマーカスが圧死
保険屋を退治したマイクは橋が落ちたのに
徒歩でどっかから渡ってきて(橋の意味は?)
マーカスの死を悲しみます
だ か ら ! は よ 鉱 山 行 け っ て !
アイスロードどころかツッコミロードであった
結局舞台なんかどこでもいいようなシナリオの映画
あんまり前情報入れないで見るから
すっかりだまされてしまったのでした