土を喰らう十二ヵ月のレビュー・感想・評価
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たまにはこういう質素なものも
土を喰らう十二カ月のその名の通り、土からとれる自然の恵みをいただきながら過ごす一年を紹介するという映画。地味であり、これといった見どころもないが、だからこそ「十二カ月」なのだろう。
自然の恵みをいただいてただ生きるという、都会ものにとってはすでに懐かしさを感じない古風な日本を淡々と描く。一年通して描く。あくまで淡々と描くのだが、そこで生きる人間には確かにドラマがある。好きな人と一緒においしいご飯を食べたり、病気で死にかけたり、死を想いながら生きることにしたり。
映画の醍醐味のひとつに他人の経験を仮想体験できることがある。ヒーローが出てきて派手なアクションを繰り広げることも、歴史の転換点でたいそうなドラマも経験することもできないが、質素に生きておいしいものを作って食べる仮想体験があっても良いと思う。
それにしてもあのゴマ豆腐はおいしそうだ。印象に「おいしそう」がないのが悔やまれる。食べたい。
丁寧に生きる
私にとっては理想とする暮らし。
種を蒔いて、育てて、収穫して、下ごしらえして、料理して、食べる……
暗くなったら寝て、明るくなったら起きる……簡単そうなことだけど、そういう生活をするとなったら難しいんだろうなぁ……
でも、食べることは生きることに繋がっていて、だからこそ、その食べるってことを丁寧にしていきたいなと思った映画だった。
よくこんな原作本を映画にしようとしたな、 でもちゃんと成り立ってる...
よくこんな原作本を映画にしようとしたな、
でもちゃんと成り立ってるな、
と思いました
好きです
旨そうなん
ですが、乏しい食材を汗を流して作り、走り回って調達して、いつも空腹気味なので美味しいと感じるんじゃ?坊さんに煙に巻かれてる気もする。
通夜ぶるまいがクライマックスで、本人の死生観に進むと何か失速してしまった。
たまにはいいんじゃないかな。
どんなモチベーションで観たらいいのだろうか?
日本の原風景と質素だけれども思い切り手の込んだ食事。「今」に慣れている私たちにはただの退屈な時間でしかない。でも、とても贅沢な時間であることは頭の片隅で理解している。でも、なんなのだろうと、答えを探しながら観てしまう愚かさよ。
何かを訴えたいわけでもなく、誰かに何かを感じてほしいわけでもない。
「今日が最後」だと思えるのはどんな境地なのだろう。「みなさん、さようなら」と言える執着のない人生。
ただただ生きる。
土の匂い、美味しいご飯、自給自足、そして親戚関係の難しさ。
沢田研二さんの演技力が自然で素晴らしかった。
そして自然描写のシーン、料理のシーン共にナチュラルで素晴らしい。
松たか子さんの演技力も素晴らしい。
とくに、料理のシーンは綺麗なので一見の価値あり。
親戚関係ってこうふうだよねって改めて実感させられました。
最後の沢田研二さんの歌も素晴らしかったです。
癒されるこの映画一見の価値あり。是非とも劇場にてご覧ください。
沢田研二が山菜を採って料理して食べる。それだけなのに面白い。(それだけじゃないけど)
沢田研二が山菜を採って料理して食べる。それだけなのに見入ってしまう。(いっそそれだけでもよかったかも)
こんな役に合いそうな俳優さんたくさんいるだろうに、なぜ沢田研二?と思っていたが、沢田研二だからいいんだな。ジュリーがこういう役するからいいんだ。
劇場、御年配の方で半分以上埋まってた。さすが、ジュリーの集客力すごいな。歌も良かった。
音楽もこんな映画に合いそうな音楽ありそうなのに、ジャズ。合ってたなぁ。
奈良岡朋子の存在感。かつては北林谷栄がやってたような田舎のお婆さんをよく演じられるものだ。
お世話になった住職のお嬢さん(壇ふみ)が訪ねてくるところ。作った人が死んだ後も残っていた梅干しを食べるところは泣けました。
あんな生活できないけれど、憧れてしまう。
今日一日を感謝して生きよう。
土井先生、ごちそうさまでした。
(普段料理しないけど、ほうれん草と小芋買って帰りました)
なんか惜しい。
土を喰らう十二ヶ月のタイトルどうりいって欲しかったなあ。
途中から作者の死生感?いらなかったなぁ
その分を料理を喰らう方にもっていって欲しかったです。
確かに一人暮らしで死んでいくというのは大変怖いものなのでしょうけど
仏教に携わってるから必要だったのかもしれませんけど
個人的に非常に残念
ただ生きているだけ
2022年劇場鑑賞263本目。
自然に囲まれている人の一年を通しての生活を追うといえば、橋本愛主演のリトル・フォレスト二部作を思い出します。あの映画の料理はおいしそうでした。ただ、その生活に憧れたかといえばそうでもなかったですが・・・。
この映画は老人が女編集者に見出されて自給自足の生活の様子を本に書く、というところから始まります。事前に恋人というふうに何かのあらすじで聞いていたので、ただの仕事仲間ではないという先入観を持って観ることができたから所々で恋愛感情を持っていると気付けるのですが、知らなかったら「あれ?」と思うくらいだったかもしれません。直接的なラブシーンはないので。
何人か他にも出てはきますが基本的に沢田研二が畑仕事や山菜採り、料理をするシーンばかりです。テレビもねえ、車もねえ、さすがに電気はあるけれど、ガスもねえ、バーもねえ、たまに来るのは松たか子みたいな世界なので、本当に生きているだけという感じがして、心の底からこんな生活絶対嫌だと思いました。ただ食べて寝るだけならもう寝たきりと変わらなくないかな?まぁ体を動かせるというのはアドバンテージかもしれませんが。
料理も副菜としてはおいしそうだけど、これがメインのおかずと言われると無理だなと思いました。刑務所のほうがいいご飯食べてそう。
いい男ね~
「いい男ね~」
「せやろ」
ほんま思った。
沢田研二。
いい男やな~。
世代じゃないので、懐かしの映像で見るくらいだったが、
それでもあの色っぽいホクロをつけた沢田研二は知っている。
それから何年経ったんだろ。
沢田研二は太っていた。
小鼻のイボもでっかくなっていた。
それでも。
いい男やった。
ほんまにかっこエエヒトってのは
年とっても太ってもハゲても(ハゲてないけど)メディアに露出しなくなっても
ずっっっっとかっこ良いもんなんやなあと感心した。
んでもって、
歌声がまたいい!
めちゃくちゃ艶っぽい!!!
なんでー!あんな見た目なのに!!
もっと見たいぞ、沢田研二。
本作で沢田研二が料理したり、食べたりするのだが、
「あ、このヒト、やってるな」って感じがした。
やることの一つ一つが自然。
普通。
家事や雑事って、やりなれてなかったら「これでおかしくない?」という一瞬の躊躇、間が生まれるもの。
それが全くなかった。
お姑役のヒトはそれが垣間見えた。
沢田研二の手がまた良い。使ってんな~って手だった。
ただし、あんな食生活してるのになんでこんなに太ってんの?という疑問はご愛敬。
お葬式に来た町の女性たち、
児童劇団芝居、なんとかならんもんだったのかね・・・・・・・。
あれだけは残念だった・・・。
さて。
同日公開の「あちらにいる鬼」瀬戸内寂聴VS「土を喰らう十二ヵ月」沢田研二。
どちらに勝敗があがるのだろう。
公開初日に観た「あちらに」はがらがら。70代前半男性が5,6人。
公開から5日目の今日「土を喰らう」は70代後半女性でかなり賑わっていた。
意外。
沢田研二に軍配か。いや、水上勉か。
はたまた土井善晴か?
いい映画でした。
自然の恵みのおすそ分けを頂く
作家の水上勉さんの料理エッセイを原案とした映画ですが、回想の勉少年以外、若い人が出て来ないです。それでも、ちょっと退屈な映画かもと思ったら、意外と興味深く観られました。
出てくる料理は素朴で飾らないものですが、松たか子さんが実に美味しそうに食べてました。
自然がとにかく美しく、大きな窓から見える景色を独り占めです。
田舎の一人暮らしにも些細だけど色々あります。偏屈なお婆さんが孤独死して、お葬式には来ないと思った近所の人たちが大勢、香典代わりに味噌や野菜をもって駆け付けたのも、食べ物の話題で盛り上がったのも面白かったです。
極めて個人的な感想。
私は若い頃根菜が嫌いだったし、シソやミョウガは全く食べられませんでした。
本作にはリンゴやトマトや枝豆が出てきても良さそうなのに、出て来ないんです。きゅうりと胡麻となめこを除くと見事に私の苦手な食材ばかりでした。克服できたものも有りますが。
それでも、本作を観たら、筍と里芋を食べてみようかなと思いました。私にとっては好き嫌い克服映画でありました。
沢田研二と松たか子はいらないかな…⭐︎
冒頭、松たか子が沢田研二(恋人という設定⁈)のもたに編集者として通うところから物語が始まる。
まず、この時にながれるジャズっぽいBGMが個人的には何なん???というくらいに場違いな感じ。
他の方がコメントされているように沢田研二は老いたるとはいえ健康的で、体力もありそう。
まぁ、セリフが朗読風の部分が多くて、「キネマの神様」のほど演技とセリフ回しの下手さが
目立たなく良かった。
それよりも、土井善晴監修の料理と古民家の台所の佇まい。
それに伴う普段使いされている器の数々か素晴らしい。
二十四節気を絡めて見られる、ロケ地白馬村の自然の美しさ…
映像も良く、本当にみとれてしまう。
それだけで、後はジャズ以外のBGMで充分映画として楽しめるものだった。
特筆すべきは、義母役の奈良岡朋子。
心も体も強く真っ直ぐな女性を体現していて、感動してしまった。
自然・台所そして料理。
これがこの映画の全てに思える。
まさに諸行無常の世界
山奥に住むツトム(沢田研二)の1人暮らしの物語。
淡々と話が進んでいきます。やはり、山暮らしは厳しそうですね。
ストーリーは、やや物足りない感じで終わりました。
松たか子さんの起用は、よいアクセントになって良かったと思います。
良い映画だけど、物足りなさが残る感じがしました。
命を感じる365日
良かった。劇的に何かがどうこうという物語ではないのだが、浮世離れし過ぎていない(いや、してるか苦笑)生活に惹き込まれて、思いの外長い上映時間も気になりませんでしたね。
主演が沢田研二氏なので軽く躊躇はしましたが、自然体な感じが良かったと思います(鼻歌最高)。それでも、松たか子さん(可愛らしい)や尾美としのり&西田尚美夫妻(腹立たしい)の芸達者振りには舌を巻きました。村人の妙な感じはご愛嬌で。
スペンサーは大きな展開がなく、こういう映画は苦手と書いた私ですが、...
スペンサーは大きな展開がなく、こういう映画は苦手と書いた私ですが、この作品はほとんど何も起こりません。でも良いんですよ。
日々の生活をただ淡々と描くだけ。監督の手腕か、沢田研二さんだからか、久々にいいなあと思える日本映画でした。
変な映画だった。不幸な水上さんの原作なので。危機一髪を助けてもら...
変な映画だった。不幸な水上さんの原作なので。危機一髪を助けてもらった恋人が一緒に住むと決心したのに、死を考えるために一人で生きるとは、本当に作家は自分勝手で、その勝手な感じ、思い込みの強さについて、ジュリーは適役だった。あとはラストの歌。全然うまくてびっくりする。間奏の鼻歌もうますぎるし。
死について考えるといったあとも変てこ。
田舎の暮らしは忙しいということを感じた。
葬式の日の村人たちの感じはよかった。未だにああということはないようにも思うけど。カリカチュア?
やがて土に還る
土から生まれた食べ物を食べ、やがて土に還っていくという時間の流れを、暦や食べ物、そして、人々の営みとともに表現していく話で、小説なのか、随筆なのか、よくわからないけど、こういう風に生活をするということは、すごく豊かなことだと思った。
全ての人が、こんな暮らしをしたら、あっという間にオーバーユースになって、山からは何も得られなくなるんだろうけど…。
このような生活を手に入れるためには、まずは手に職をつけること(収入源の確保)、安住の地を決めて土地を得ること(住む家の確保)、そして、地元の人に教えを請うて、土地や風習に馴染むことが必要なんだろうな…と漠然と考えた…。
ボリボリと 沢庵だけで 飯食らう
「千夜、一夜」の次に見たのが偶然この映画。
田中裕子と沢田研二。ご夫婦揃って素敵な俳優さんですね。
ジュリーの悠々自適な自給自足の老後生活を見せられた感じ。
穏やか過ぎる展開がとてもいい。
理想の隠居生活。
広い家
広い台所
広い窓
そこから見える景色
憧れる。
奈良岡朋子の演技が最高だった。92歳!
山椒味噌が気になったのと
犬のサンショウとチエ婆さんの遺影とジュリーの現在の円熟の表情が最高でした。
恋人は欲しいけど結局一人で生きていくのが好きな感覚。
大切な人の遺骨をずっとそばに置いておきたい気持ち。
わかるなぁ…
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