劇場公開日 2022年11月11日

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「たまにはこういう質素なものも」土を喰らう十二ヵ月 サブレさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5たまにはこういう質素なものも

2022年11月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

土を喰らう十二カ月のその名の通り、土からとれる自然の恵みをいただきながら過ごす一年を紹介するという映画。地味であり、これといった見どころもないが、だからこそ「十二カ月」なのだろう。
自然の恵みをいただいてただ生きるという、都会ものにとってはすでに懐かしさを感じない古風な日本を淡々と描く。一年通して描く。あくまで淡々と描くのだが、そこで生きる人間には確かにドラマがある。好きな人と一緒においしいご飯を食べたり、病気で死にかけたり、死を想いながら生きることにしたり。

映画の醍醐味のひとつに他人の経験を仮想体験できることがある。ヒーローが出てきて派手なアクションを繰り広げることも、歴史の転換点でたいそうなドラマも経験することもできないが、質素に生きておいしいものを作って食べる仮想体験があっても良いと思う。
それにしてもあのゴマ豆腐はおいしそうだ。印象に「おいしそう」がないのが悔やまれる。食べたい。

サブレ