「【”今日、一日を暮らせればそれでよい。”故、水上勉のエッセー「土を喰う」を底本としながら、24節気ごとの自然の恵みを眼で愛でる作品。後半は、氏の死生観も絶妙に描かれている作品である。】」土を喰らう十二ヵ月 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”今日、一日を暮らせればそれでよい。”故、水上勉のエッセー「土を喰う」を底本としながら、24節気ごとの自然の恵みを眼で愛でる作品。後半は、氏の死生観も絶妙に描かれている作品である。】
ー 私事で恐縮であるが、故、水上勉氏のエッセー「土を喰う」と「精進百撰」は、30代にたまに読んでいた。料理に嵌っていた頃でもあったし、何より水上勉氏の禅寺の小僧だった時代に覚えたという山菜料理が、氏の姿と共に掲載されており、とても面白く読んだモノである。
自宅の庭で育てた野菜を収穫し、料理し、食する楽しさよ。(現在進行中。)
尚、幾つかの料理は、この作品でも紹介されている。ー
◆感想
・底本は、エッセーであるが、この映画はそこに編集者で恋人の真知子(松たか子)を配し、素敵な12カ月の自然と山の恵みが映し出された物語にアレンジメントされている。
急なお葬式の対応や、恋人に対する優しき想い。
”好きな人と、食事をしたいじゃないか・・。”
・登場人物も、山暮らしの事なら、何でも知っている大工さん(日野正平)、頑固な義理の母(奈良岡朋子)、オドオド夫(尾美としのり・・オドオドさせたら、第一人者。)と、強気だが何にもやらない妻(西田尚美)、禅寺の和尚の娘(檀ふみ)など、多士済々で、物語の面白さを上手く引き出している。
・心筋梗塞になったり(本当です。)、独り暮らしは大変そうだが、余りある自由があるのだろうなあ・・。
<何事も、自分でしなければいけない、大変さと、大切さ。
この作品では人間が、つつましやかに生きる喜びと、死にどのように対応するかが、キチンと描かれている。
食料が賞味期限越えで(消費期限ではない)多数破棄される一方、フードバンクや世界的な食糧不足が喫緊の課題になっている今だからこそ、観て良かった映画であると私は思いました。>
いつもながら素晴らしいレビューで感謝です!m(_ _)m
火野正平さん、奈良岡朋子さん
最高過ぎましたね!^ ^
尾美さんと西田さんのあるある夫婦コンビには笑わされました。いますよね。こういう親戚のおじちゃんおばちゃんって!f^_^;
ワンコのサンショウの動かない演技に感銘を受けました。助演ワンコ賞をあげたいです!