「なんだかポップ」君が落とした青空 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
なんだかポップ
ジャニーズ主演系だとどうしても女性ファンが多い(というか自分はそもそもこの映画のターゲットではない笑)のと、上映中のザワザワ度もいつもより高いので公開直後とかに行くのは避けていたのですが、スクリーンがデカかったので他の人との距離も空けれるなと思いいざ突撃。原作は数年前に読んでいてうっすらとですが記憶に残っていました。
まぁざっくり言ってしまうとめちゃくちゃ軽い恋愛作品になってしまっていました。原作だと主人公の成長譚として重みのあるストーリーと同時に感動する場面も多々あり、多少無理な設定もありましたがそれすらも跳ね除けてしまうほどの魅力があったのですが、タイムリープラブコメになってしまった結果、量産型の恋愛映画に仕上がっていました。
タイムリープという題材自体、長い間映画では使用され続けてきており、差別化という差別化はかなり難しいものになっているとは思いますが、それにしても雑です。基本的には映画を見にいく約束をする→映画に行く前に何かしらトラブる→どっちかが事故る→時計台に雑な落雷を4回ほど繰り返します。この設定、小説だと違和感なく読み進められるのですが、いざ映像にすると違和感マシマシです。交通事故のシーン、そこそこのスピードが出ているトラックに轢かれた割には音は小さいですし、傷なんて殆どありませんし、多分軽い怪我で死んではいないのにだいぶ大袈裟なシーンに思えました。ここにある程度の説得力はあって欲しかったのですが、まぁそうもいかず。予算的な問題や、主演俳優たちの顔を傷つける訳にはいかないとか配慮はあったと思いますが、その時系列をひっくり返すほどの衝撃だったりがそこにはありませんでした。
キャラクター達の行動にも難ありで、事故の前に映画館に行くか友人のパーティ会場に行くかという分岐ルートが今回は語られるのですが、映画館なら別に映画館に行けばいいのでは?とかこれは修弥のバイト仲間のカンナに問題があるのですが、コイツは美結に嫉妬でもしてるんだと思いますが、バイトがあるとかの嘘をついて呼び出したり、何かと美結に高圧的な態度を取ったりしていて、コイツ1人いないだけでも選択肢は狭まるのに厄介なことにほとんどの事象に絡んできます。かなりここはイライラしました。あと信号が赤だったのか青だったのか分かりませんが、もし赤だった場合は何信号無視してるんだ?って話になります。野暮ったいですけどね笑。
登場人物の配置も従来のキラキラ映画と何ら変わりないポジショニングでこれ見たよ!の連発でした。
役者陣の演技はなかなか良かったのと、映像がとても綺麗だっただけに内容がお粗末に思えてしまいました。意外とこのような完成度の高い中高生向け小説の実写映画というのも邦画にとっては鬼門なのかもしれない…と思いました。
鑑賞日 2/20
鑑賞時間 12:30〜14:15
座席 M-28
すみません、ちょっとコメントさせていただきます。
私も原作を読んだ事がありました。
本当に軽くなってしまってガッカリでした。
原作終盤の主人公のあの感情を、映像でどう見せてくれるのか期待してたのに、殆ど無いに等しくなっちゃってるんですもの。