香川1区のレビュー・感想・評価
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とても面白い
前回2021年の衆議院選挙の香川1区のドキュメンタリーで、今2024年の衆院戦が始まろうかというタイミングで見る。小川淳也さんは誠実かつ熱血な人物で、質素なアパート暮らしを続けている。応援したくなるのだけど、消費税25%などというとんでもない政策を述べている。そんなことになったら今以上に本当に誰も買い物しなくなって経済が壊滅する。森永卓郎さんの本を読んで考えを改めて欲しい。
平井陣営の撮影妨害がとても感じが悪いのだけど、それも撮影素材にされて自ら評判を下げている。気の毒になるがこれこそ身から出た錆だ。『君はなぜ総理大臣になれないのか』を街頭演説で批判していてすごく気にしているのが面白い。この映画をみんながみたらますます負けるだろう。
この映画の時点では安倍晋三も池田大作も存命中だ。彼らが不在となった現在、人々の投票行動がどうなるのだろうか。また統一教会や裏金の問題も明るみに出てから初めての選挙だ。
映画はドラマチックだが、CLP問題を見るとなかなか現実はうまくいかない
この映画は小川淳也氏のドキュメンタリー映画
「なぜ君は総理大臣になれないのか」の事実上の続編
小川淳也については
インターネット上で維新の候補者に直談判をした
ということで「強引だ」という批判が強いイメージがあると思う
しかし、このことについても
維新の町川順子が国民民主の玉木雄一郎の元秘書だったり
小川氏とも面識があったりしたり
実は自民党の側も立候補を取りやめるように連絡がきたりしていたことを見て
ネットで言われているほど、単純ではなかった
最初のシーンで小川淳也が50歳になったら引退すると
民主党時代に公言をしたことを
現在50歳になって、そのことを素通りできないので
そのことについて動画配信を行うというシーンから始まる
本作では事実上の主役は小川淳也だが
香川1区の候補の平井卓也氏と町川氏にもインタビューを行っている
しかし、平井陣営は最初は普通にインタビューに答えていたが
選挙での焦りからか
インタビューを拒否したり、「なぜ君は」をPR映画と言ったり
取材を妨害したりしていた。
さらに週刊誌からのスキャンダルに加えて
選挙資金の疑惑や期日前投票を確認するシーンがあり
大臣経験者からなのか平井陣営には黒いスーツの人が
多く集まっていてあまりにもドラマの分かりやすい悪党みたいになってしまっていた。
映像に嘘はないと思うが
あまりにも平井氏にネガティブな部分が多かったので
初代デジタル大臣だったのでその成果も
取材したほうが良いのではないかと思ってしまう
それに対して、小川陣営は
映画効果かわからないが
ボランティアが今までよりも多くきていたり、県外から応援に来る人もいて
全体的に明るく和やかで
平井陣営と正反対だったと思ってしまった
選挙結果は小川淳也が選挙区当選を果たす
前作である「なぜ君は」も観ていると
この映画は政治ドキュメンタリーだが相当ドラマチックに思えてしまう
しかし、最近の立憲民主党のCLP問題のことを考えると
小川淳也が選挙区当選を果たし
政調会長になっても、現実はそううまくいかないとも思った
この映画を観て自分は
主体性をもって投票をできているかなとも自問自答をした
平井卓也氏は映画で「政治家はなにになるかではなく、何を成したかだ」
と言っていたが
2021年衆議院選挙で菅政権でコロナ禍で相当批判はあったのに
全体として与党が結果として勝ったのは
ダーティでも着実に仕事をしてくれる人を求めているのだろう
逆に言えば、民主党時代の失敗から野党はそこまでの信頼が回復していないともいえる
小川淳也は政策通らしいが
映画を観る限り政策の部分がまったくわからない
そこらへんが小川淳也の誠実さと
選挙でのドラマチックな展開にかき消されてしまっているように感じる
四国新聞社と西日本放送
田崎史郎氏が居た時に、四国新聞社の記者も居た事にまず驚いた。
これがまた実体が有るのか無いのか不明な妖怪の様な佇まいなんよね。
あれが凄く気味が悪いし怖かった。
衆議院議員・小川淳也氏の32歳初出馬からの17年間を追った『なぜ君...
衆議院議員・小川淳也氏の32歳初出馬からの17年間を追った『なぜ君は総理大臣になれないのか』。
監督の大島新は、その後も小川の取材を続けていた。
近づく、2021年秋の衆議院議員総選挙。
それは異例のもので、任期満了に伴う総選挙が予想されていた。
いつもの解散総選挙ではなく、準備期間がある。
小川は地元・香川1区での返り咲きを狙う。
鍵は島しょ部、特に小豆島。
そうにらんだ小川は秘書を小豆島へ送り込み、地道な選挙活動を打つことにした。
一方、対抗は地元メディア王一族にして、現デジタル改革担当大臣・平井卓也議員。
現職大臣という余裕からか、大島新監督の取材も受ける余裕ぶり。
しかし、特定の通電大手との癒着が週刊誌に報道され、苦戦を強いられることに。
さらに、事態は動き、自民vs.立民の構図に、維新が第3局として登場。
野党協力が鍵とみた小川は、維新候補に出馬取り下げを訴えるという行動に出て・・・
といったところからはじまる映画で、とにかく生々しい選挙ドキュメンタリー。
ドキュメンタリーには2種類あり、対象である「人」を撮るものと、「事」を撮るものに分けられる。
この映画は、小川淳也という「人」を撮るドキュメンタリーであるが、「人」を追うことで、「事」に巻き込まれていく。
映画を通じてわかることは、「選挙は大変だなぁ」ということと、「小川淳也という人は一本気な人だなぁ」ということ。
前者は、議員にとっては、失業するかどうかの瀬戸際だから、そりゃ大変だ。
だが、当選することがゴールではないことは忘れないでほしい。
選挙戦のさ中では、ほとんど忘れちゃってるようにしかみえないのが、恐ろしい。
後者は、一本気であるのはいいことだけれど、フラ(ある種の余裕のようなもの)がなくて、この人、危なっかしいなぁ、ということ。
余裕がないと、判断を誤ることになる。
一議員としてはいいけれど、要職(特にトップ)に就くには、どんなものだろうか。
そういえば、昨年末、本作が緊急先行公開された際、公開劇場の目と鼻の先の有楽町駅前で演説をしているのを見かけたことがある。
「映画の宣伝?」なんて思ったが、定期的に実施している政治活動報告会だったのね。
代表戦が終わって(敗れて)、なんだか、いい顔になっていました。
なんだか、いまどき珍しい、負け戦が似合うひとなんですね。
【現代日本の現状、未来を憂い愚直なまでに奔走する男、小川淳也議員の人間性に惹かれるポリティカルヒューマンドキュメンタリー映画。私達日本人一人一人の”政治意識向上キャンペーン映画”でもある。】
ー 大島新監督が製作した「なぜ君は総理大臣になれないのか」を鑑賞した時の衝撃は今でも覚えている。
一議員の姿を家族の姿と共にほぼ密着した形で追った映画を初めて観た事と、32歳で総務省を退職し、政治家になる決断をした男の生き様に魅入られたのである。
選挙戦中、罵声を浴びながらも、”有難うございます”と頭を下げつつ、聡明な頭脳で日本の未来を本気で憂いている発言、姿。
発言内容も、丁寧で、腰が低く、明るい人柄にも魅了された。
けれど、当時”希望の党”後継の、国民民主党に参加せず、無所属を経て、立憲民主党に入党する苦悩の姿も併せて描かれていたので、私は引き込まれたのである。
◆感想<Caution!内容に触れています!>
-既に、多くのレビュワーの方が素晴しきレビューを投稿されているので、簡潔に記す。(東京は公開日が早かったのかな・・。ポレポレ東中野かな・・。)ー
・小川淳也議員の、顔付の良さを再認識。
- 勝手な持論だが、私は人間は40歳を超えると、人間性が顔に出ると思っている。小川さんの顔が、様々な試練を乗り越えた結果だと思うのだが、更に良い顔になっている。
私も、50歳になった時に、あのような目力と熱意を保持しつつ、ユーモアを忘れずに、人に敬意を持って接する事が出来る男になりたいモノである。-
・小川淳也議員が、香川一区に急遽、日本維新の会から新たな候補者が出ると聞いた際に、日本維新の会に候補取り下げ交渉(彼の想いは、自由民主党の一党政治体制を崩すことである。)をしたことを、田崎史郎氏に諫められ、激高するシーン。
- 感情を剥き出しにした小川さんの姿は、余り記憶にないので・・。余程、追い詰められていたのであろう。-
・小川淳也議員の選挙活動と、平井卓也議員の選挙活動の対比。
- 小川議員の周囲には、笑顔と期待を浮かべる”動員されたわけではない人達"が集っている。女子高校生や男子高校生が路上で”頑張って下さい!”と激励するシーンは沁みたなあ。
高校生をも惹きつける魅力が小川さんにはあるのだなあ。高校生達が、キチンと政治に興味を持っている事も嬉しき事である。
彼の年齢を問わない人気の幅広さにも、驚く。人間性の賜物であろう。-
一方の平井議員の街頭演説シーン。重々しい雰囲気で、前田亜紀プロデューサーに、”誰に許可を貰っているんだ”と恫喝する初老の男の言葉。
又、岸田首相が応援に来た際に、会場に入ろうとする大島監督を締め出す、受付係の初老の男の言葉遣い。
あのような旧弊的な輩が、支援している議員ってどうなんでしょう・・。あれこそが、旧弊的な自由民主党の姿を暗喩していると思う。
ついでに言えば、平井議員のパーティチケット販売方法は、選挙法違反ではないのか?ー
・一番沁みたのは、小川淳也議員が、大差で初めて、香川一区を牛耳って来た平井議員を破った時、彼の次女が涙ながらに言った言葉。
”お父さんが、落選する度に”正直者は、馬鹿を見る”と思っていたけれど・・”
前作もそうであったが、小川淳也議員の家族の絆は強い。
選挙になれば、応援に駆け付け(前作では襷は”娘です”であったが、今作では名前入りであった。)、父を応援する娘さんと奥さんの姿。
ー あんなにステキな、父親を持ったら応援するよなあ・・。ー
<小川さんは、立憲民主党代表選挙では残念ながら、泉議員の後塵を拝したが、党政調会長として、彼の持論である野党合併を推し進め、大変難しいだろうが、現在の一党独裁体制に早く終止符を打って貰いたいモノである。
今作は、小川淳也と言う、実に魅力的な政治家の姿を、巨大政党の姿と対比させ描いた優れたポリティカルドキュメンタリーであり、一人の男の生き様を描いたヒューマンドラマである。
そして、私達に
”では、貴方はこの現状を見て、どのように思いますか?何をしますか?”
と、訴えかけてくる、日本人一人一人の”政治意識向上キャンペーン映画”でもあるのである。
選挙のあるべき姿
自らを鼓舞し、全力で政治家のあるべき姿を模索する小川淳也議員の姿に胸が熱くなる。彼に着目しインタビューを重ね、その姿を追う大島新監督の眼差しは鋭くも優しい。
地盤固めの為、東京から小豆島へ移り住み、小川議員の選挙活動を支える政策秘書の坂本広明さんが語る言葉が熱い。
小川議員に共鳴し集まった多くの支援者達の姿に、選挙の本来あるべき姿を見た。
小川淳也議員の自問しながら何事にも真摯に向き合おうとする姿、大島新監督の鋭い切り口でインタビューを続ける姿に胸を打たれた。
真摯で誠実な政治家を私達は求めている。
映画館での鑑賞
正直者が報われた?
「選挙への考え方が変わります。一人でも多くの人に観て欲しいです。」
ドキュメンタリーってこんなに面白いのでしょうか?
前作と思われる「なぜ君は総理大臣になれないのか?」は小川淳也氏のみの10年以上の物語でした。「香川1区」は2021年の衆議院選挙での香川1区のドキュメンタリーでした。ただ、やはり取材に(を)積極的だったのは小川氏だったようで、立民:小川氏7割、自民:平井氏2割、維新:町川氏1割程度の割り当てだったかな?
印象的だったのは、小川氏の街頭演説での事「いろんな問題あるのに、国会は足の引っ張り合いばかりで、もっとみんなで協力してやって欲しい。」確かに不正追及は別なところでやる問題で、国会や予算委員会で取り上げる問題ではないと私も思います。
ここで政治家の仕事について考えてみましょう。私は、「国をよくするための法案整備と、実現に必要な予算の再配分。」その代表が政治家なのではないかと思います。
大人の仕事は「子供たちの未来を守ること。」だとすると、我々大人が一人一人が政治家に頼る、任せるのではなく「自分なら何ができるのか?」を考えるべきではないかと思うのです。
と、なるともっと「我々が政治家を使う。」事を考えるべきですね。
もう1つ印象的だったのは、小川氏の長女への当選後のインタビューでの言葉「今まで選挙に負ける度に「正直者が馬鹿を見る」と思っていた。でも今回は「正直者が報われた。」」と言葉を詰まらせていたことです。
今回小川氏は、家族だけではなく多くのボランティアスタッフに選挙活動を支えてもらっていました。東京・名古屋からも応援のボランティアスタッフが来ていました。
民衆の手による、民衆の選挙だったように見えました。支援者の一人が「これから全国に今回の「香川1区」が広がって行くといいと思う。」と語っていました。ホントそうですね。
この熱を他の区でも。
なんでこんなに人望あるんやろうかこの人、とつくづく思った。うんうん頷いて耳を傾ける姿勢はあるかもしれんが、実行力ないじゃん。
しかし。
この人に世の中を変えてほしい、そのために力を貸したいと、自分から巻き込まれにいく大勢の人たちの様子がしっかりうつっていて、前作を見ていない自分でも、人望が集まることに妙に納得がいってしまった。選挙戦を戦う人たちの熱が伝播していく様。見返り期待しないで応援なんて普段はTVの実に楽しそうに目が生き生きしているように見える。こんな選挙なら、自分も協力してみたい、と思わせた。
かたや、対立候補のネガキャンや陣営のビジネスライクな表情(もしくは顔出しNGとか、撮影妨害とか)違うのかもしれないけど、取材NGだからそう見えちゃっただけかもしれないけど。裸の王様みたいに見えた。
正直者がバカを見る社会
実質的に「なぜ君は総理大臣になれないのか」の続編、と言って良い作品。
衆議院議員の小川淳也氏を中心に、2021年の香川1区の衆議院選挙の顛末を辿ったドキュメンタリー。
「なぜ君」は18年間という長い期間だったが、この作品は2021年の夏から約5ヶ月間の短い期間を扱った作品となっている。
結果だけ先に言うと、小川氏は自民党の平井卓也氏や維新の町川順子氏を抑えて、香川1区でトップ当選を果たした。「なぜ君」の影響もあったのだろう。小川氏の事務所は、多くのボランティアの方々に支えられており、まさに「選挙という祭り」の熱気に包まれていた。自民党の平井氏とは対照的に。
印象に残ったシーンがいくつもあった。
まず、「自民党党員の撮影妨害」。
香川1区のクルーが平井氏の選挙演説を撮影をしようとしたとき、自民党員が撮影の妨害をしたシーンだ。
これは、本当に現在の自民党の体質を見事に表していたように思う。まず「警察」という国家権力で脅し、それが通用しないとわかると嫌がらせをする。要するに「パワハラ」だ。自分達がパワーを持っている、と当たり前のように考えている。それが長年の体質として身についている。まさに「自民党」である。
岸田総理が応援演説で香川を訪れた際に、「報道ではないから」という勝手な理由で映画クルーを会場に入れなかったおじさんにも通底している態度だ。
多くの日本人が自民党を支持し、変えたくないと固辞しているのが、この「パワハラ体質」だとも言える。女性蔑視にも通じる。選択的夫婦別姓などが認められない土壌でもある。
そして、「小川氏が勝利した際の娘さんの演説」。
これはまず内容が感動的。「自分が社会に出た時に、正直者がバカを見る社会であることを覚悟していた」という言葉。
しかし、この言葉を20代前半の若者が発しているという事実。本当に悲しく、そして情けなく感じてしまう。若者が選挙に興味を持てないのも当然だ。
香川1区は例外として、今回の2021年の衆議院選挙は自民党の勝利と言って良い。私はさすがにもっと議席を失うと思っていた。森友・加計や桜を見る問題を筆頭に、アベノマスクなどのコロナ対応含めて、安倍・菅政権の酷さは目に余る。安倍などは国会で118回も嘘をつき続けた。しかし、こんな政権(党)を日本人は支持しているわけだ。
これは、「どんなウソつきのクズでも、自分に利益さえ運んでくれた良い」と言っているのに等しい。だからこそ、小川氏の娘さんもこういう発言をしたわけだ。正直者がバカを見る社会だ。
自分は現在46歳だが、仕事を通してこの価値観に触れることが多々ある。
正直かどうかではなく、ウソをついてでも「儲かれば良い」という価値観。
私はそれでも「正直でいよう」と覚悟しているが、その代償として出世は諦めている。そんな社会だ。この娘さんの気持ちは痛いほどわかる。
他にも印象的なシーンはたくさんあったが、この2つが私の中ではダントツで記憶に焼きついた。
小川氏は今回の選挙で勝利した。おそらく長く香川1区で勝ち続けるだろう。
しかし、これはあくまで香川1区だけの話で、他県では平井氏のような自民党議員がまだ圧倒的に強い。
この作品に出た自民党を支持していたおばちゃんは、自民党以外は考えられない、と平気で言っていた。それが地方(田舎)の現実でもある。
本当に「自分の頭で考えろ」と言いたいが・・。もっと単純に「ウソをつく議員がいる政党」と「ウソをつかない議員がいる政党」のどっちが良い?という選び方でも良い。答えは明白だと思うのだが。
今回、香川では正直者が勝った。
おそらく、他県でも小川氏のような年代で正直・誠実な人が立候補すれば当選する可能性はある。
しかし、若いと言われている小川氏ですら、議員経験は20年近くある。他県にそんな人材がゴロゴロといるのだろうか?
小川氏の勝利は本当に嬉しいが、社会の醜悪さ(正直者がバカを見る社会)がこの程度で揺らぐとは思えない。他県では、まだまだ平井氏が勝つ現実がある。もっとも、その「強い」と言われる構造は、この映画で指摘されていた、会社ぐるみで強制的に自民党に投票させている、ということに支えられているのかもしれないが。
今後どうなるか、2022年の参議院選挙がどうなるか、大島監督の次回作を楽しみにしながら、しっかり情報を集めて自分の頭で考えて投票できる準備を進めていきたいと思う。
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