香川1区のレビュー・感想・評価
全52件中、21~40件目を表示
〝謎〟として浮上する自民党政治
映画評論家の町山智浩氏はYouTubeの番組で、大島監督は小川淳也氏ではなく、〝日本の政治〟を体現している自民党陣営(平井氏)を主人公にすべきであったと述べていた。確かに、そうした映画ならば、日本社会に根付いた価値観や日本人の思考様式までも炙り出したであろう。しかし、小川氏を主人公にしたからこそ見えてきたものもある。
理想を抱き、それを実現するために政治信条を熱く有権者に訴える小川氏は公民の教科書通りの政治家である。観客には小川氏だけでなく、家族や支援者含め、すべてが見えているし、彼・彼女たちの言葉はとても理解しやすく共感できる。一方では平井陣営は見えない。見せない。しかし、香川県知事、高松市長、威圧的な市民、小豆島の多くの有権者までが平井氏を支持している。なぜなのか?本来日本社会に根付いた価値観を体現しているはずの自民党政治が奇妙で得体のしれない現象に見えてくる。
図式的に言えば、目指す社会像を語る小川氏が〝理想〟で、道路や公共施設を造った実績を訴える平井氏が〝現実〟なのだろう。しかし、〝理想〟よりも身近であるはずの〝現実〟が奇妙で不気味なものに見えてくるのである。これは、小川氏を主人公にしたからこそ表現できた事である。つまり、自民党政治が、もはや日本の現実に根差してはいない事を炙り出すのである。
香川1区では自民党は負けたが、全国的には自民党がまだまだ強い。日本の現実から乖離し始めた自民党がなぜ依然として強いのか。そこは、やはり謎である。しかし、自民党政治の強さを謎として、つまり奇妙で不気味な現象として浮上させた事に、この映画の功績の一つがあると思う。
私たちは、奇妙で不気味な現象(〝現実〟)の中を生きている。その現象を凝視する事も重要だが、その現象から抜け出す道は存在すると信じられる事(〝理想〟)は、もっと重要だろう。小川氏の勝利は、そしてこの映画は、その力になってくれる。
四国新聞社と西日本放送
田崎史郎氏が居た時に、四国新聞社の記者も居た事にまず驚いた。
これがまた実体が有るのか無いのか不明な妖怪の様な佇まいなんよね。
あれが凄く気味が悪いし怖かった。
小川淳也さん第二章
なぜ君は総理大臣になれないのかに続く、大島監督第二弾という触れ込みの政治ドキュメンタリー。
良くも悪くも日本の政治の病や「政治屋ではなく、人として君はどう生きるか!?」という視点が前作から数段スケールアップしています。
平井元大臣、維新の女性候補者と三つ巴のこの香川一区で何が起きていたのか?日本の政治は正直者であれば、どういう目に合うかこの小川さんの壮大な実験(失礼!政調会長でいらっしゃるし、公人としての部分はよく分かっているのですが・・)人間として果てしなく興味を持つところです。
願わくば代表戦は早期にやり直し、組織としての統一性を持った党として仕切り直しの切り札として頑張って欲しいです。野垂れ死にはさせないよう、後方からの応援は厭いませんので!!
衆議院議員・小川淳也氏の32歳初出馬からの17年間を追った『なぜ君...
衆議院議員・小川淳也氏の32歳初出馬からの17年間を追った『なぜ君は総理大臣になれないのか』。
監督の大島新は、その後も小川の取材を続けていた。
近づく、2021年秋の衆議院議員総選挙。
それは異例のもので、任期満了に伴う総選挙が予想されていた。
いつもの解散総選挙ではなく、準備期間がある。
小川は地元・香川1区での返り咲きを狙う。
鍵は島しょ部、特に小豆島。
そうにらんだ小川は秘書を小豆島へ送り込み、地道な選挙活動を打つことにした。
一方、対抗は地元メディア王一族にして、現デジタル改革担当大臣・平井卓也議員。
現職大臣という余裕からか、大島新監督の取材も受ける余裕ぶり。
しかし、特定の通電大手との癒着が週刊誌に報道され、苦戦を強いられることに。
さらに、事態は動き、自民vs.立民の構図に、維新が第3局として登場。
野党協力が鍵とみた小川は、維新候補に出馬取り下げを訴えるという行動に出て・・・
といったところからはじまる映画で、とにかく生々しい選挙ドキュメンタリー。
ドキュメンタリーには2種類あり、対象である「人」を撮るものと、「事」を撮るものに分けられる。
この映画は、小川淳也という「人」を撮るドキュメンタリーであるが、「人」を追うことで、「事」に巻き込まれていく。
映画を通じてわかることは、「選挙は大変だなぁ」ということと、「小川淳也という人は一本気な人だなぁ」ということ。
前者は、議員にとっては、失業するかどうかの瀬戸際だから、そりゃ大変だ。
だが、当選することがゴールではないことは忘れないでほしい。
選挙戦のさ中では、ほとんど忘れちゃってるようにしかみえないのが、恐ろしい。
後者は、一本気であるのはいいことだけれど、フラ(ある種の余裕のようなもの)がなくて、この人、危なっかしいなぁ、ということ。
余裕がないと、判断を誤ることになる。
一議員としてはいいけれど、要職(特にトップ)に就くには、どんなものだろうか。
そういえば、昨年末、本作が緊急先行公開された際、公開劇場の目と鼻の先の有楽町駅前で演説をしているのを見かけたことがある。
「映画の宣伝?」なんて思ったが、定期的に実施している政治活動報告会だったのね。
代表戦が終わって(敗れて)、なんだか、いい顔になっていました。
なんだか、いまどき珍しい、負け戦が似合うひとなんですね。
感動ドキュメント・・・しかし、引っかかり多数。
前作「君は何故総理大臣に〜」の続編と言って良いであろう作品です。選挙の結果を知っているので、ドラマティックな結末であろうことは想定しての鑑賞です。どこまで中立を保てているか?が僕自身の鑑賞ポイントでした。
比較するべきでは無いとは思いますが、前作は「馬鹿正直」の「理想主義」の小川候補の苦戦苦闘と高い志だけで政治の表舞台には出られないという現実を明らかにし、かつ小川候補に日本の政治の可能性を感じる良作でした。好きな映画の一本です。
ドキュメントの制作側が中立を保つことは非常に難しいと思います。密着している時間も密着対象との関係性も「点」ではなく「面」になり多くの側面を映しているわけですから、素材映像も多いし、情も移ると思いますし、何らかの意思も芽生えると思うのです。少なくとも監督には「小川候補に政治を変えてほしい」という意志があると思うのです。それは致し方ないです。でも、その意志をどのように表すか?がポイントだと思います。
客観的に見て、本作は勧善懲悪のスッキリストーリーに見えてしまっていると感じます。致し方ないけど、事実なんだけど、自民党側の悪役となりうる映像が多すぎるし、ピックアップの仕方に敵意しか感じないんですよね。事実映像であることはわかりますが。平井候補の演説に集まる人はスーツ姿の人だらけでしたが、そんな日しかなかったのかなぁ?とか、小川候補の維新への候補取下げ願いの件は、あの程度のパッシングだったんでしょうか?とか、色々と偏りはないの?って思っちゃいます。編集の切り取り方に何となーく演出を感じてしまったのです。どう考えても自民党のネガティブキャンペーンみたいな場面多いもん。多すぎる。事実なんでしょうが、これを同テーマで扱っちゃぁいけなかったと思う。これでは比較広告じゃん。だめだよ。作品として発表したいなら「保守党の選挙実態」として別テーマとして出すべきだったんじゃぁないのかなぁ?「正攻法VSズル」の構図を出しちゃぁダメな気がする。ドキュメントとして。そして、一番大事な「なぜ小川候補は支持されたのか?」前作の時以上に支援者が増えたのは「何故?」そこの描き方が非常に少ないのも大いに気になる。それこそドキュメントの核心ではなかったのではなかろうか?
作品としてはさておき、民意のパワーを感じましたね。これぞ選挙の原型ではないか?初期の選挙ってこうだったのではないか?と思うほどでした。志のある候補者を心より応援する支援者がただただ応援し、力となり大きな民意を得る・・・。この様子を見られたことはきっと多くの国民の勇気になるのではないでしょうか?僕たちにもできるんじゃぁないか?って思えます。たくさんの人に見てほしいとは思いますよ。あと、小川さんには狡猾な軍師や汚れ仕事ををする有能なスタッフがついてほしいですね。戦略なければ政界を勝ち切れないだろうなぁと思いました。
今回の作品、フェアではないなぁって思いましたから、PRと言われないようにするためには、与党候補に密着し「なぜ総理大臣になれるのか?」を撮るしかないんじゃないかな?余談ですけどね。
あまりにドラマティックな展開
前作を観てから真っ直ぐな人柄と暖かい家族の応援を受け、奮闘する小川さんを応援する気持ちになった。
大根育ててるくだりが彼の真っ直ぐさを表している良い例だと思った。
前作では小川さんの心情に迫ることが多かったが、今作は選挙戦にフォーカスしていて、他の候補者にもウェイトが置かれている。
前作から状況がかなり小川さんに好転したなぁという印象。
歳を問わず男女多くが支持している小川さんと街頭演説でスーツを着た中年男性だらけだった平井さん…
こんなに差があるかぁとも思い、小川さんに勝ってほしいなと思わせられた。
まぁ小川さんの好感度が上がるから、PR映画と言われてもしょうがないかもしれないけど…
小川さんの国を変えたいという、真っ直ぐな熱意とそれ故に失敗してしまう弱さを含め、彼だからこそ、ここまで話題になるんだろうなあ。
平井さんも映画作れば良いじゃんとも思った。
ドラマティックな結末に驚きつつ、小川さんには勝った51だけでなく負けた49のことも背負って頑張ってほしいと思った。
対象との距離
面白いことは面白いですが、前作同様、たいへんモヤモヤするドキュメンタリー。
小川議員のPR映画というのも当たらずとも遠からず。
制作者が議員と距離を取れていないからですね。
小川議員が批判されているところも映画に入れているからPRじゃないとは、随分とおめでたい制作陣ですね。
すべて観客が小川議員に肩入れする要素にしかなっていないのに。
議員が頑張っているのはわかります。
でもそれだけですね。
頑張っている人を追えば、そりゃ、いろんな人が共感するでしょうね。
しかし、日本の政治の実体がこれでわかりますか?
非常に表面的ですね。表面しか見えてこない映画です。
【現代日本の現状、未来を憂い愚直なまでに奔走する男、小川淳也議員の人間性に惹かれるポリティカルヒューマンドキュメンタリー映画。私達日本人一人一人の”政治意識向上キャンペーン映画”でもある。】
ー 大島新監督が製作した「なぜ君は総理大臣になれないのか」を鑑賞した時の衝撃は今でも覚えている。
一議員の姿を家族の姿と共にほぼ密着した形で追った映画を初めて観た事と、32歳で総務省を退職し、政治家になる決断をした男の生き様に魅入られたのである。
選挙戦中、罵声を浴びながらも、”有難うございます”と頭を下げつつ、聡明な頭脳で日本の未来を本気で憂いている発言、姿。
発言内容も、丁寧で、腰が低く、明るい人柄にも魅了された。
けれど、当時”希望の党”後継の、国民民主党に参加せず、無所属を経て、立憲民主党に入党する苦悩の姿も併せて描かれていたので、私は引き込まれたのである。
◆感想<Caution!内容に触れています!>
-既に、多くのレビュワーの方が素晴しきレビューを投稿されているので、簡潔に記す。(東京は公開日が早かったのかな・・。ポレポレ東中野かな・・。)ー
・小川淳也議員の、顔付の良さを再認識。
- 勝手な持論だが、私は人間は40歳を超えると、人間性が顔に出ると思っている。小川さんの顔が、様々な試練を乗り越えた結果だと思うのだが、更に良い顔になっている。
私も、50歳になった時に、あのような目力と熱意を保持しつつ、ユーモアを忘れずに、人に敬意を持って接する事が出来る男になりたいモノである。-
・小川淳也議員が、香川一区に急遽、日本維新の会から新たな候補者が出ると聞いた際に、日本維新の会に候補取り下げ交渉(彼の想いは、自由民主党の一党政治体制を崩すことである。)をしたことを、田崎史郎氏に諫められ、激高するシーン。
- 感情を剥き出しにした小川さんの姿は、余り記憶にないので・・。余程、追い詰められていたのであろう。-
・小川淳也議員の選挙活動と、平井卓也議員の選挙活動の対比。
- 小川議員の周囲には、笑顔と期待を浮かべる”動員されたわけではない人達"が集っている。女子高校生や男子高校生が路上で”頑張って下さい!”と激励するシーンは沁みたなあ。
高校生をも惹きつける魅力が小川さんにはあるのだなあ。高校生達が、キチンと政治に興味を持っている事も嬉しき事である。
彼の年齢を問わない人気の幅広さにも、驚く。人間性の賜物であろう。-
一方の平井議員の街頭演説シーン。重々しい雰囲気で、前田亜紀プロデューサーに、”誰に許可を貰っているんだ”と恫喝する初老の男の言葉。
又、岸田首相が応援に来た際に、会場に入ろうとする大島監督を締め出す、受付係の初老の男の言葉遣い。
あのような旧弊的な輩が、支援している議員ってどうなんでしょう・・。あれこそが、旧弊的な自由民主党の姿を暗喩していると思う。
ついでに言えば、平井議員のパーティチケット販売方法は、選挙法違反ではないのか?ー
・一番沁みたのは、小川淳也議員が、大差で初めて、香川一区を牛耳って来た平井議員を破った時、彼の次女が涙ながらに言った言葉。
”お父さんが、落選する度に”正直者は、馬鹿を見る”と思っていたけれど・・”
前作もそうであったが、小川淳也議員の家族の絆は強い。
選挙になれば、応援に駆け付け(前作では襷は”娘です”であったが、今作では名前入りであった。)、父を応援する娘さんと奥さんの姿。
ー あんなにステキな、父親を持ったら応援するよなあ・・。ー
<小川さんは、立憲民主党代表選挙では残念ながら、泉議員の後塵を拝したが、党政調会長として、彼の持論である野党合併を推し進め、大変難しいだろうが、現在の一党独裁体制に早く終止符を打って貰いたいモノである。
今作は、小川淳也と言う、実に魅力的な政治家の姿を、巨大政党の姿と対比させ描いた優れたポリティカルドキュメンタリーであり、一人の男の生き様を描いたヒューマンドラマである。
そして、私達に
”では、貴方はこの現状を見て、どのように思いますか?何をしますか?”
と、訴えかけてくる、日本人一人一人の”政治意識向上キャンペーン映画”でもあるのである。
熱い志を持った有権者が勝利する素晴らしい映画
香川県高松市のイオンシネマ高松東で「香川1区」を観ました。民主主義とは何か選挙とは何かを考えさせられる奥深い映画でした。私は香川1区に住んでおり、平成15年の衆議院選挙初出馬時点から、小川さんを応援しています。真に志のある方が彗星のごとく現れたと思い、それ以来、熱く純粋な精神を持った小川さんを応援しています。
まず、香川県民として前田亜紀さま及び大島監督にお詫びしなければなりません。それは前田さんが平井氏の演説を撮影していたところ、平井陣営の関係者が撮影できないよう2回も妨害しました。1回目は警察を呼び、2回目は以下のセリフのような感じです。
平井陣営「あっちに行け。前回、警察も来ていただろう」
前田さん「警察の方は撮影することは問題ないと言っていました。」
平井陣営「警察は関係ないっ。。」
一体、どのような思考回路をしているのでしょうか。
昨年10月28日に岸田総理が高松サンメッセに来た時には、大島監督の撮影陣に対し入り口で門前払いをしました。演説の邪魔をするわけでもなく黙って撮影をすることに何の問題があるのでしょうか。同じ香川県民として東京から来られている方に対し、おもてなしの精神が欠如していることに憤りを感じました。本当に申し訳なく思っています。
なお、これは私の推測なのですが、平井卓也氏は有権者に訴える言葉を持っていないことを悟っており、そのことが明らかとなってしまうことを恐れ、撮影陣を遠ざけたかったのかとも思えました。その時点で長年、有権者に訴えることを考え抜いて来た小川さんとの勝負は付いていたのかも知れません。
井手英策先生が自民党政権が続いていること、それは特定の誰かが悪い訳ではなく、みなさん一人ひとりが悪いと言われ、そのことに納得しました。民主主義の精神は、一人ひとりの心の持ちように掛かっていると理解しました。その後の和田靜香さんの「一人も取り残されることのない社会を実現して欲しい」というスピーチを聞いて、目に涙が浮かびました。私は政治は光の当たらない人に光を当てることだと理解していますので、身に沁みました。
維新候補の町川ジュンコさんに対して立候補の取り下げを依頼した件は、小川さん本人よりもご両親と奥さんが苦悩している姿を見せられ、忍びなく思いました。小川さんもそれだけ追い詰められていたのだという状況が手に取るように分かりました。
映画を観て、私は小川さんには、総理大臣になりたいとかなれるとかではなく、なっていただかないといけないと思いました。香川が生んだ偉大なる政治家である大平正芳さんに次ぐ香川県の2代目総理大臣になっていただくようにします。そのため、小川さんが総理大臣となるまで応援し続けることを決意しました。そして小川さんが総理大臣として就任するには、和田靜香さんの応援が欠かせないと思っています。和田さんには、小泉純一郎さんが総理大臣となった際の田中眞紀子さんの役回りをお願いしたいと思っています。そうなると鬼に金棒です。
映画前半にあるシーンなのですが、高松三越前でCHUMSのTシャツを着て、小川さんから中原一歩さんの本「本当に君は総理大臣になれないのか」にサインをして貰っているのは私です。また、その写真が映画パンフレットの中村千晶さんのページにも載っていました。これは中村千晶さん、そして大島監督の計らいだと思っています。光栄です。ありがとうございます。
小川さんが田崎さんに感情を剥き出しにした後、羽田空港に移動する車の中から、田崎さんにびの電話をするシーンがあるのですが、その車内の雰囲気が映画「偶然と想像」の第1話のタクシー内にそっくりだと思えました。
大島監督の2本の映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」、「香川1区」を観たこと及び昨年10月総選挙の報道を見聞きして、四国新聞社と平井卓也氏の人柄が理解できたこと、大きな発見があったと思っています。香川1区で長年、生活しているのですが、地元のことが十分把握できていないことがよく分かりました。
前回の映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」で泣きじゃくっていた二人の娘さんが、今回の映画ではしっかりとした社会人となっており、小川さんの初出馬から長い年月が経過したのだということを理解しました。裏返して言うとそれだけ私も年を取ったということとなります。
一人でも多くの人がこの映画を観て、民主主義と選挙について考えていただくきっかけとしていただき、そしてそのことが成熟した社会の実現に繋がると思っています。この映画は、小川淳也氏、平井卓也氏、町川ジュンコ氏そして香川1区の有権者のみなさまが主人公の映画だと思っています。
この映画の製作に携わった大島監督ほか他の多くの皆さま、そして和田靜香さん、畠山理仁さん、中原一歩さんに深く感謝いたします。また、ゆったりとした気持ちで映画を観られる環境にも感謝いたします。ありがとうございました。
小川議員の選挙という舞台を借りた青春映画
友情、努力、勝利、美人の奥さん、娘さん、全て揃っている。本作が小川議員のPR映画となり対立候補の平井議員を貶めているという向きもあるが、自分には平井議員が一方的な悪者にも見えないし与党議員としての仕事も立派に果たしているようにも思えた。ただ平井議員があまりに悪く映るのは彼の利権に群がる周囲の人々だと思わせる空気感をリアルに伝えている。(カメラの前に立ち塞がるおじさんとか。)
現場にいた人しかわからないことだが、映画のせいで云々より小川議員の人柄と併せ香川一区全体に小川議員を勝たせる雰囲気が充満していたのは確かだと思う。
めちゃくちゃ面白い→民主主義に大切なこと
「なぜ君は総理大臣になれないのか」で、32歳で政治の世界に飛び込んだ小川さん(淳也)の17年間を描いた大島監督、前田プロデューサーが、「50歳までやったらやめる」と言っていた小川さんのその後(2021年。4/18の議員宿舎から10/30の衆議院議員選挙、11/30の立憲民主党代表選まで)を撮った映画。
めちゃくちゃ面白い。156分があっという間。
その小川さんが50歳になった年に総選挙があり、デジタル庁を立ち上げた前大臣である平井氏との激戦区香川1区で初めて勝利するという、映画のエンタメ的要素としては、願ってもなかなか叶わない状況が起きる。もちろんドキュメンタリー映画なので、単なる事実なのだが、この劇的要素が撮れたことはこの映画のヒットに無縁ではないだろうな。
事実に基づいているが作為的に適度なエンタメ要素も組み込んだ映画も、多くの人が史実を知るために必要だなぁと日頃から思う自分だが(注1)、この映画は事実だけでエンタメ要素も組み込むことができた奇跡的な映画だ。
一方それだけに、観た俺としては「小川が勝った。平井ざまあみろ」といったエクスタシーに浸って終わりたくはない。
小川さんが言う「民主主義とは、勝った51の側が、負けた49の側をいかに背負うか」。民主主義に大切なことは、観た俺に大切なことは、この言葉なのだろう。「負けたんだからお前ら黙ってろ」ではないし「勝った俺たちが言うことに従え」ではないのだ。国民である俺たちが代表となる人を選んでいるだけで、誰が、どちらが選ばれようが、全国民の代表の一人である点には変わりがないのだから。それをちゃんと言える小川さん。そして日頃から「真っ直ぐすぎて溜め息が出ちゃう時がある」と母や娘が「どんなアンチな人に対しても、お父さんは話を聞きに行くよ」と語ったセリフで、小川さんの言葉は嘘ではなさそうなこと。この2点から、自分も小川さんの今後に期待する。
また、平井さん陣営の支援者がたびたび撮影を妨害するエピソードも、「悪いヤツだな」という紋切り型で終えるのでなく、勝つか負けるかの極限状況では、人は判断力を失いかねない、ということを俺に実例として示してくれたと考えよう。
こうした映画は、民主主義の基本もまだはっきりとわからないままに暮らしている俺への貴重なメッセージだと思うから。
追伸
「なぜ君は総理大臣になれないのか」でも書いたが、彼も妻も二人の娘も、いずれも鼻につかないタイプの美男美女であることは肝のひとつだなぁと再び感じた。
注1:作為的にエンタメ要素も組み込む:もちろん作為的と言っても、伝えるべき事実を違えることがないエンタメ要素であることは絶対必要:このあたりは「タクシー運転手」のレビューをご覧ください。
選挙のあるべき姿
自らを鼓舞し、全力で政治家のあるべき姿を模索する小川淳也議員の姿に胸が熱くなる。彼に着目しインタビューを重ね、その姿を追う大島新監督の眼差しは鋭くも優しい。
地盤固めの為、東京から小豆島へ移り住み、小川議員の選挙活動を支える政策秘書の坂本広明さんが語る言葉が熱い。
小川議員に共鳴し集まった多くの支援者達の姿に、選挙の本来あるべき姿を見た。
小川淳也議員の自問しながら何事にも真摯に向き合おうとする姿、大島新監督の鋭い切り口でインタビューを続ける姿に胸を打たれた。
真摯で誠実な政治家を私達は求めている。
映画館での鑑賞
香川1区の良心
小川淳也衆議院議員の初挑戦から17年間を描いた、なぜ君は総理大臣になれないのか、の続編的位置付けで、2021年の総選挙での香川1区の選挙戦を与野党両陣営、有権者の視点からのドキュメンタリー。
香川1区で小川議員のライバルは自民党の平井卓也議員で、四国新聞と西日本放送のオーナー一族にして3世議員という、金も組織力も締めつけ力かばんも有る相手。その平井氏は、前回2017年の総選挙で小川氏に辛勝。その後、2020年に菅政権が誕生すると、平井氏はデジタル改革担当大臣に就任。保守地盤である香川の有権者にとって「大臣」の肩書は絶大で、小川氏の苦戦は免れないと思われたが、平井氏は恫喝もどきの不適切発言などでマスコミの標的となり・・・という作品。
ちゃんと各候補にインタビューを申し込んで、ちょっと小川候補に想いが入ってるかもしれないが、平井候補の後援者はヤクザかと思うような態度であからさまに取材の邪魔をしている様子が画面で観れた。平井候補も他人を責めるような発言や自分が与党だから出来た事をさも能力が優れているかのようなまやかし演説をしてた。
NECを外すとか、恫喝もするし、ヤクザの親分かと思ったくらい酷い奴だった。
公務員や会社員の期日前投票での締付けも酷い。
こんな平井候補の組織力の凄さを見せつけられた作品だった。
まず、10人分のパーティー券を20万円で売りつけて出席者は3人までってどういう事?
ドキュメンタリーを撮影してるのに平井候補陣営は恫喝ってヤクザか?
平井後援会もまともじゃない。
選挙結果は香川1区の有権者の良心が見れて良かったと思う。
正直者が報われた?
「選挙への考え方が変わります。一人でも多くの人に観て欲しいです。」
ドキュメンタリーってこんなに面白いのでしょうか?
前作と思われる「なぜ君は総理大臣になれないのか?」は小川淳也氏のみの10年以上の物語でした。「香川1区」は2021年の衆議院選挙での香川1区のドキュメンタリーでした。ただ、やはり取材に(を)積極的だったのは小川氏だったようで、立民:小川氏7割、自民:平井氏2割、維新:町川氏1割程度の割り当てだったかな?
印象的だったのは、小川氏の街頭演説での事「いろんな問題あるのに、国会は足の引っ張り合いばかりで、もっとみんなで協力してやって欲しい。」確かに不正追及は別なところでやる問題で、国会や予算委員会で取り上げる問題ではないと私も思います。
ここで政治家の仕事について考えてみましょう。私は、「国をよくするための法案整備と、実現に必要な予算の再配分。」その代表が政治家なのではないかと思います。
大人の仕事は「子供たちの未来を守ること。」だとすると、我々大人が一人一人が政治家に頼る、任せるのではなく「自分なら何ができるのか?」を考えるべきではないかと思うのです。
と、なるともっと「我々が政治家を使う。」事を考えるべきですね。
もう1つ印象的だったのは、小川氏の長女への当選後のインタビューでの言葉「今まで選挙に負ける度に「正直者が馬鹿を見る」と思っていた。でも今回は「正直者が報われた。」」と言葉を詰まらせていたことです。
今回小川氏は、家族だけではなく多くのボランティアスタッフに選挙活動を支えてもらっていました。東京・名古屋からも応援のボランティアスタッフが来ていました。
民衆の手による、民衆の選挙だったように見えました。支援者の一人が「これから全国に今回の「香川1区」が広がって行くといいと思う。」と語っていました。ホントそうですね。
異口同音に発せられた娘と主人公の言葉
いつもの映画館で
先週のなぜ君のアンコール上映の余韻が冷めぬうち
封切初日に鑑賞 おかげでスタンプが6個たまった
続編というかオラとしてはひとまず完結編といいたい
160分の大長編だが
一切の退屈や眠気を感じずエンドロールを迎えた
ドキュメンタリーながら
一級のエンターテインメントの要素が全部揃っている
・巨大な敵
・行く手を邪魔する存在
・主人公の暴走や挫折と再生
・友情
・家族
・民衆の協力と団結
・追い詰められた敵の逆襲
脇役も絶妙
・田崎スシロー
・維新の候補
・小豆島の選対
・演説に寄ってくる高校生
・相手候補の取り巻き
・ボランティアの人々
前作から続いての出演だったり
ver. up していたりして味わい深い
選挙運動最終日
旗をなびかせて同級生たちが連なって
自転車で疾走する様はこの上なく美しかった
小豆島に姉妹二人だけで乗り込むところとか
最後のお姉ちゃんのあいさつのシーンは
笑って泣けた
異口同音に発せられた娘と主人公の言葉
> お父さんはアンチの声も聞く
> 49の声を聞いて政治をやる
それがABEとの決定的な違いだ
追い詰められた相手候補が
こんなんだったらみんなが映画を作りはじめる
みたいなことを言っていたが
そんな簡単な話ではない
せいぜい緑のタヌキのPR動画のレベルで失笑に終わる
主人公の誠実さがあってこそ生まれた奇跡の一作だ
これだけの完璧なノンフィクションの傑作を見せられると
作り物の映画はちょっとかなわない気がしてしまう
今年の10本に間違いなく入る
いまのところ生涯ベストに入るかも 満点だ
あぁ 早くいろんな人のレビューを読みたい
単なる続編にあらず、社会形成の核を知る
政治の、選挙の作品で涙することに抵抗感はあったが、堪えていた意固地な思いは決壊した。親族、そして次第に増えていった関係者を含めた「家族」との温かい輪。人と人が織りなすドラマ、正に地域生活の理想を観たが為である。前作から続く物語りの先にある、第49回衆議院選挙。実に公平で冷静な映画に仕上がっていた。本作が炙り出した物は、選挙における「魔」の側面と、それに付随するイメージからの脱却だろう。毒された収支報告書の公開など、選挙戦における闇の活動にもスポットを当てた意味合いは大きい。感情の導火線に着火された時、悪びれない本性と、懐深い本意との摩擦が生じる。身の保全、その確約に掛かる見返り。その心理作用は、人を悪意に染め上げる。その事に慣れていない純真な代議士は翻弄され、葛藤をし、やがて激流にのみ込まれていく。しかし、異常な戦いから救われる思いがしたのは、決して結果が求め続けた答えに帰結したからではない。小豆島にて、言葉を添えた名刺をポストへ投函した際の言葉…意味の有る無しではなく、それが作用したか否かではなく、人が誠心誠意を尽くした姿にこそ、信じて行動する意味を教えられたからである。あの青空討論会の様子は、記憶にこびり付くことだろう。香川1区の特異な熱量を、日本全国に広げる夢を抱いた。
現実が動いた
なぜ君のレビューで、
小川さんに出世して総理大臣になって欲しいと
書いていた私。
現実が少し動きましたね。
すごく期待したけど、
実際はまたダメなのかなとも思っていた。
でも違った。
小川さんは私の想像なんか遥かに超えて、
前に上に進んでいる。
そして小川さんに感化された人たちも
それぞれがそれぞれのやり方で
行動している。
熱量が熱量を呼んで、
映画、書籍、集会、、と広がっている。
今回、映画には暗部も映っていたけど、
小川さんにならって、諦めないことにする。
出来過ぎくらいのエンタメ
平井卓也の黒光りっぷりは惚れ惚れするくらい。しかしここまで痛めつけると小川のほうがグロテスクに映る、というより観賞後に背筋がじわじわ寒くなる。平井卓也が助演男優賞級。続編は平井側が見たいよ。
たしかに平井が言う通りPR映画ではあるがそれがドキュメントとしてダメかというとそーでもない。カメラ目線の平井と堂々と対峙する手つきのわかりやすさは爽快感すらある。ただやっぱりそれだけで終わるのは寂しい。
1作目よりこっちの方が面白い。スシローもいい。そう、スシローがハブで平井サイドにつながればと期待が湧き起こってしまう。
ドキュメンタリーなのに勧善懲悪
PR映画ではないと言っていますが、誰がどう見たって小川淳也を応援したくなります。
平井議員は橋や道路の実績を強調しますが、与党議員ならそんなの出来て当たり前に感じます。
監督の作為が有るのか分かりませんが、平井陣営の集会や演説会場はやらされてる感有り有りなのに対して、小川陣営の高揚感が凄く心地良いです。
見た目も善玉感悪玉感がハッキリ出てます(笑)。
しかしながら小川淳也の人の良さ、真っ直ぐな心は伝わって来ましたが、政治信条に触れる事は無く政権交代したら日本をどう変えて行きたいのかは分かりませんでした。
娘さん2人だけで小豆島を選挙カーで応援する所と、2回有る父親を心から尊敬している事が分かるスピーチには感動を禁じ得ませんでした。
ドキュメンタリーと敬遠せずに多くの人に見てもらいたい作品てすし、エンタメとして面白く出来た映画だと思います。
最後に日本中を香川1区のように盛り上げたいと有りましたが、それでも香川1区の投票率は60%に遠く及ばないという現実が残念でした。
この熱を他の区でも。
なんでこんなに人望あるんやろうかこの人、とつくづく思った。うんうん頷いて耳を傾ける姿勢はあるかもしれんが、実行力ないじゃん。
しかし。
この人に世の中を変えてほしい、そのために力を貸したいと、自分から巻き込まれにいく大勢の人たちの様子がしっかりうつっていて、前作を見ていない自分でも、人望が集まることに妙に納得がいってしまった。選挙戦を戦う人たちの熱が伝播していく様。見返り期待しないで応援なんて普段はTVの実に楽しそうに目が生き生きしているように見える。こんな選挙なら、自分も協力してみたい、と思わせた。
かたや、対立候補のネガキャンや陣営のビジネスライクな表情(もしくは顔出しNGとか、撮影妨害とか)違うのかもしれないけど、取材NGだからそう見えちゃっただけかもしれないけど。裸の王様みたいに見えた。
全52件中、21~40件目を表示